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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で「ただいま」と言える居場所を育てています~  作者: ふぁい(phi)
第五章 未来への扉

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第八十一話 交わらないはずの情報



 


翌日の夕方。


 


 


私は仕事を終え、


事務所へ向かった。


 


 


 


佐藤から届いた、


「確認したい情報」。


 


 


 


その内容が気になっていた。


 


 


 


 


応接室へ入ると、


佐藤とセキュリティ担当が待っていた。


 


 


 


机の上には、


ノートパソコンが一台。


 


 


 


 


「お忙しいところありがとうございます」


 


 


 


 


佐藤が軽く頭を下げる。


 


 


 


 


「早速ですが、本題に入ります」


 


 


 


 


画面には、


これまで保存してきたコメントの一覧が表示された。


 


 


 


 


私は何度も見た画面だった。


 


 


 


 


しかし、


今回は一部が色分けされている。


 


 


 


 


「こちらをご覧ください」


 


 


 


 


セキュリティ担当が、


三つのコメントを並べた。


 


 


 


 


一つ目。


 


 


 


 


【今日は雨ですね】


 


 


 


 


二つ目。


 


 


 


 


【青い曲、好きです】


 


 


 


 


三つ目。


 


 


 


 


【駅前のカフェ、落ち着きますよね】


 


 


 


 


私は首をかしげる。


 


 


 


 


「全部、以前のコメントですね」


 


 


 


 


「はい」


 


 


 


 


担当者は頷いた。


 


 


 


 


「一見すると、どれも自然な内容です」


 


 


 


 


「ですが共通点があります」


 


 


 


 


画面が切り替わる。


 


 


 


 


コメントの時刻。


 


 


 


 


その前後の配信内容。


 


 


 


 


私は目を細める。


 


 


 


 


「あ……」


 


 


 


 


気付いた。


 


 


 


 


三つとも。


 


 


 


 


私が話題を変えた直後に書き込まれている。


 


 


 


 


担当者が静かに続ける。


 


 


 


 


「高梨さんが、現在地や私生活につながる話を避けようとした直後です」


 


 


 


 


私は息をのむ。


 


 


 


 


偶然かもしれない。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


三回。


 


 


 


 


四回。


 


 


 


 


五回。


 


 


 


 


同じような流れが続いていた。


 


 


 


 


「断定はできません」


 


 


 


 


担当者は、


いつも通り慎重だった。


 


 


 


 


「ですが、話題の変化を意識して反応している可能性があります」


 


 


 


 


部屋が静かになる。


 


 


 


 


佐藤が口を開いた。


 


 


 


 


「これまで高梨さんが自然に対応してくださったおかげで、この傾向が見えました」


 


 


 


 


私は小さく笑う。


 


 


 


 


「自然に……できていましたか?」


 


 


 


 


「はい」


 


 


 


 


「だからこそ分析できました」


 


 


 


 


帰宅後。


 


 


 


 


恒一へ今日の話を伝える。


 


 


 


 


恒一は腕を組んで考え込んだ。


 


 


 


 


「話題を変えたことまで見ているのか」


 


 


 


 


「そうかもしれないって」


 


 


 


 


「まだ可能性だけどね」


 


 


 


 


私はそう付け加えた。


 


 


 


 


決めつけたくはない。


 


 


 


 


でも、


軽く考えることもできなかった。


 


 


 


 


夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


 


私はいつも通り笑顔で話す。


 


 


 


 


雑談。


 


 


歌。


 


 


ゲーム。


 


 


 


 


途中で、


陽菜が描いた絵の話になりそうになる。


 


 


 


 


私は一瞬だけ止まり、


別の話題へ切り替えた。


 


 


 


 


その数秒後。


 


 


 


 


高額ギフター。


 


 


 


 


【今日は話を変えましたね】


 


 


 


 


私は心臓が跳ねた。


 


 


 


 


コメント欄は、


その一文を深く気にしていない。


 


 


 


 


流れていく。


 


 


 


 


私は笑顔のまま答える。


 


 


 


 


「雑談なので、いろいろです」


 


 


 


 


それだけ。


 


 


 


 


配信は最後まで続いた。


 


 


 


 


終了後。


 


 


 


 


私は、


何も言わずにスクリーンショットを保存する。


 


 


 


 


そして、


手帳を開く。


 


 


 


 


『話題変更直後にコメント。


事実のみ記録。』


 


 


 


 


私は、


今日も最後に同じ言葉を書いた。


 


 


 


 


『判断保留。』


 


 


 


 


その文字は、


以前より少しだけ丁寧に書かれていた――。

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