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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で、「ただいま」があふれる居場所を育てています。~  作者: ふぁい(phi)
第四章  守るということ

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第七十二話 見えた共通点



 


朝。


 


 


出勤の準備をしていると、


事務所の佐藤から電話が入った。


 


 


 


昨日の続きだ。


 


 


 


 


「おはようございます」


 


 


 


 


『お忙しいところすみません』


 


 


 


 


佐藤の声は落ち着いていた。


 


 


 


 


だが、


どこか緊張も感じる。


 


 


 


 


『今日、お昼頃に少しお時間いただけますか』


 


 


 


 


「分かりました」


 


 


 


 


私は仕事の昼休みに、


オンラインで打ち合わせをすることになった。


 


 


 


 


昼。


 


 


会議室を借りる。


 


 


 


 


画面には佐藤と、


法務担当の女性。


 


 


 


 


そしてもう一人。


 


 


 


 


見覚えのない男性が映っていた。


 


 


 


 


「弊社のセキュリティ担当です」


 


 


 


 


佐藤が紹介する。


 


 


 


 


男性は軽く会釈した。


 


 


 


 


「高梨さんが保存してくださった記録を確認しました」


 


 


 


 


私は少し緊張する。


 


 


 


 


DM。


 


 


コメント。


 


 


荷物。


 


 


全部だ。


 


 


 


 


男性は画面を共有した。


 


 


 


 


一覧になった記録。


 


 


 


 


日付。


 


 


時間。


 


 


内容。


 


 


 


 


私は驚いた。


 


 


 


 


こうして並べると、


見え方が全く違う。


 


 


 


 


「注目したのは時間です」


 


 


 


 


男性が画面を指す。


 


 


 


 


「ほとんどが配信終了後、一時間以内です」


 


 


 


 


私は目を見開く。


 


 


 


 


確かに。


 


 


 


 


DMも。


 


 


コメントも。


 


 


メールも。


 


 


 


 


ほぼ同じ時間帯だった。


 


 


 


 


偶然かと思っていた。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


こうして並べると、


偶然とは思えなくなる。


 


 


 


 


「もう一つあります」


 


 


 


 


画面が切り替わる。


 


 


 


 


配信内容。


 


 


 


 


そして、


その後の反応。


 


 


 


 


「高梨さんが話題を変えた翌日には、その内容に触れなくなっています」


 


 


 


 


私は息をのむ。


 


 


 


 


青い傘。


 


 


帰宅時間。


 


 


背景。


 


 


 


 


確かに。


 


 


 


 


私が話さなくなったことは、


相手も話さなくなっていた。


 


 


 


 


つまり。


 


 


 


 


配信を見て、


情報を得ていた。


 


 


 


 


「断定はできません」


 


 


 


 


セキュリティ担当は慎重に言う。


 


 


 


 


「ですが、行動に一貫性があります」


 


 


 


 


私は静かに頷いた。


 


 


 


 


怖かった。


 


 


 


 


でも同時に、


少し安心もした。


 


 


 


 


私の違和感には、


理由があった。


 


 


 


 


気のせいではなかった。


 


 


 


 


打ち合わせの最後。


 


 


 


 


佐藤が言う。


 


 


 


 


「今後はこちらでも監視を強化します」


 


 


 


 


「高梨さんは今まで通り活動してください」


 


 


 


 


私は小さく笑う。


 


 


 


 


「今まで通りが、一番難しいですね」


 


 


 


 


三人も少し笑った。


 


 


 


 


その空気に、


少しだけ救われる。


 


 


 


 


夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


 


今日は特に変わったことはない。


 


 


 


 


雑談。


 


 


歌。


 


 


リスナーとの会話。


 


 


 


 


コメント欄も穏やかだった。


 


 


 


 


例の高額ギフターも現れる。


 


 


 


 


今日はギフトなし。


 


 


 


 


コメントも一つだけ。


 


 


 


 


【今日も応援しています】


 


 


 


 


私は、


いつも通り礼を言った。


 


 


 


 


それ以上は触れない。


 


 


 


 


配信終了。


 


 


 


 


私は深呼吸をする。


 


 


 


 


以前ほど怖くはない。


 


 


 


 


一人ではないから。


 


 


 


 


記録がある。


 


 


 


 


相談できる人がいる。


 


 


 


 


その夜。


 


 


 


 


事務所では、


佐藤たちがまだ仕事をしていた。


 


 


 


 


セキュリティ担当が静かに言う。


 


 


 


 


「もう一つ気になることがあります」


 


 


 


 


佐藤が振り向く。


 


 


 


 


「このアカウント……」


 


 


 


 


画面には、


例の高額ギフターの利用履歴。


 


 


 


 


その横に、


別のアカウント名が表示されていた。


 


 


 


 


「同じ時間帯に、必ずログインしています」


 


 


 


 


部屋が静まり返る。


 


 


 


 


もし、


その二つが同じ人物なら。


 


 


 


 


物語は、


また新しい局面へ進もうとしていた――。

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