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アラフォーママは新人ライバー 〜35歳でライブ配信デビュー〜  作者: ふぁい(phi)
第四章  守るということ

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第六十二話 届きすぎる応援



 


新人王終了から十日。


 


 


フォロワー数は順調に増えていた。


 


 


 


配信も安定している。


 


 


 


アンチコメントは時々ある。


 


 


 


でも。


 


 


 


以前ほど気にならなくなっていた。


 


 


 


 


少しだけ強くなったのかもしれない。


 


 


 


 


夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


 


いつもの常連。


 


 


 


 


初見さん。


 


 


 


 


新人王から来た人たち。


 


 


 


 


コメント欄は賑やかだった。


 


 


 


 


私は雑談をしながら、


一人一人に声を掛けていく。


 


 


 


 


その時だった。


 


 


 


 


例の高額ギフターが現れる。


 


 


 


 


最近では毎日のように来ていた。


 


 


 


 


大きなギフト。


 


 


 


 


長時間視聴。


 


 


 


 


熱心な応援。


 


 


 


 


ありがたい。


 


 


 


 


本来ならそう思うべきだ。


 


 


 


 


【今日も綺麗ですね】


 


 


 


 


コメントが流れる。


 


 


 


 


私は笑顔で礼を言う。


 


 


 


 


【ありがとうございます】


 


 


 


 


すると。


 


 


 


 


【その服好きです】


 


 


 


 


私は少しだけ手を止めた。


 


 


 


 


今日の服。


 


 


 


 


ベージュのカーディガン。


 


 


 


 


特別なものではない。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


なぜだろう。


 


 


 


 


少し気になった。


 


 


 


 


配信は続く。


 


 


 


 


雑談。


 


 


バトル。


 


 


歌。


 


 


 


 


そして終了間際。


 


 


 


 


そのギフターがまたコメントした。


 


 


 


 


【無理しないでくださいね】


 


 


 


 


私は微笑む。


 


 


 


 


優しい言葉だった。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


 


続くコメントで空気が変わった。


 


 


 


 


【昨日あまり寝てなかったでしょう?】


 


 


 


 


私は固まった。


 


 


 


 


コメント欄も少し止まる。


 


 


 


 


なぜ分かるのだろう。


 


 


 


 


昨日。


 


 


 


 


確かに寝不足だった。


 


 


 


 


配信でも少し眠そうだったかもしれない。


 


 


 


 


私は笑顔を作る。


 


 


 


 


「そう見えました?」


 


 


 


 


軽く流す。


 


 


 


 


すると。


 


 


 


 


【分かります】


 


 


 


 


【毎日見てますから】


 


 


 


 


私は返事に困った。


 


 


 


 


悪意はない。


 


 


 


 


むしろ好意だ。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


どこか息苦しかった。


 


 


 


 


配信終了。


 


 


 


 


私はパソコンを閉じる。


 


 


 


 


その時。


 


 


 


 


スマホにDMが届いた。


 


 


 


 


送り主。


 


 


 


 


その高額ギフターだった。


 


 


 


 


私は少し驚く。


 


 


 


 


今までDMは送ってこなかった。


 


 


 


 


内容を開く。


 


 


 


 


【今日もお疲れ様でした】


 


 


 


 


普通だった。


 


 


 


 


続きも。


 


 


 


 


【応援しています】


 


 


 


 


問題ない。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


 


最後の一文で指が止まる。


 


 


 


 


【いつも駅までの帰り道気を付けてください】


 


 


 


 


私は画面を見つめた。


 


 


 


 


駅まで?


 


 


 


 


帰り道?


 


 


 


 


意味が分からない。


 


 


 


 


私は数秒考える。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


自分で理由を探した。


 


 


 


 


たまたま。


 


 


 


 


きっとたまたま。


 


 


 


 


以前配信で、


仕事帰りに駅から歩くと言ったことがある。


 


 


 


 


それだろう。


 


 


 


 


そう思いたかった。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


 


胸の奥の違和感は消えない。


 


 


 


 


その時。


 


 


 


 


神崎レナからDM。


 


 


 


 


まるでタイミングを見ていたようだった。


 


 


 


 


【最近変わったリスナー増えてませんか?】


 


 


 


 


私は思わず苦笑する。


 


 


 


 


本当にこの人は鋭い。


 


 


 


 


私は少し迷った。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


初めて高額ギフターの話をした。


 


 


 


 


コメント。


 


 


DM。


 


 


違和感。


 


 


 


 


全部。


 


 


 


 


数分後。


 


 


 


 


レナから返信が届く。


 


 


 


 


短かった。


 


 


 


 


【記録してください】


 


 


 


 


私は首を傾げる。


 


 


 


 


記録?


 


 


 


 


さらに続く。


 


 


 


 


【スクリーンショットを残してください】


 


 


 


 


【念のためです】


 


 


 


 


私は急に背筋が冷えた。


 


 


 


 


そこまでなのだろうか。


 


 


 


 


考えすぎではないのか。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


レナは冗談で言う人ではない。


 


 


 


 


私は言われた通り、


DMを保存した。


 


 


 


 


新人王が終わって十日。


 


 


 


 


応援は増えた。


 


 


 


 


応援してくれる人も増えた。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


 


その中には、


少しだけ近付きすぎる人もいた――。

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