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アラフォーママは新人ライバー 〜35歳でライブ配信デビュー〜  作者: ふぁい(phi)
第四章  守るということ

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第六十一話 最初のアンチ配信



 


新人王終了から一週間。


 


 


フォロワー数は増え続けていた。


 


 


 


取材記事の影響。


 


 


おすすめ掲載。


 


 


新人王効果。


 


 


 


 


理由はいくつもある。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


 


増えたのは応援だけではなかった。


 


 


 


 


夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


 


開始十分。


 


 


 


 


いつも通り雑談していた。


 


 


 


 


仕事の話。


 


 


陽菜の話。


 


 


夕飯の失敗談。


 


 


 


 


コメント欄も平和だった。


 


 


 


 


【あるある】


 


 


【わかる】


 


 


【今日も癒やし】


 


 


 


 


そんな空気。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


 


突然だった。


 


 


 


 


【主婦アピールうざい】


 


 


 


 


コメントが流れる。


 


 


 


 


私は一瞬だけ目を止めた。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


 


読み上げない。


 


 


 


 


そのまま次のコメントへ進む。


 


 


 


 


以前、


愛美に教わった。


 


 


 


 


「反応すると増える」


 


 


 


 


だから無視。


 


 


 


 


それが正解。


 


 


 


 


……のはずだった。


 


 


 


 


数秒後。


 


 


 


 


【また家族の話】


 


 


 


 


【だからママ枠嫌い】


 


 


 


 


【配信向いてない】


 


 


 


 


立て続けに流れる。


 


 


 


 


コメント欄の空気が変わる。


 


 


 


 


常連たちも気付いた。


 


 


 


 


【やめろ】


 


 


 


 


【荒らすな】


 


 


 


 


【帰れ】


 


 


 


 


私は慌てる。


 


 


 


 


一番まずい流れだった。


 


 


 


 


アンチとリスナーの喧嘩。


 


 


 


 


配信が壊れる。


 


 


 


 


私は笑顔を作った。


 


 


 


 


「はいはい」


 


 


 


 


「みんな落ち着いてください」


 


 


 


 


コメント欄が少し静かになる。


 


 


 


 


私は続けた。


 


 


 


 


「好き嫌いはありますから」


 


 


 


 


「大丈夫です」


 


 


 


 


本当は大丈夫じゃなかった。


 


 


 


 


胸は少し痛かった。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


配信者は見せない。


 


 


 


 


少なくとも今は。


 


 


 


 


その後も雑談を続けた。


 


 


 


 


なんとか空気は戻る。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


 


配信終了後。


 


 


 


 


私はソファへ座り込んだ。


 


 


 


 


思った以上に疲れていた。


 


 


 


 


恒一が麦茶を持ってくる。


 


 


 


 


「どうした?」


 


 


 


 


私は苦笑した。


 


 


 


 


「ちょっとね」


 


 


 


 


説明する。


 


 


 


 


アンチコメント。


 


 


 


 


配信の空気。


 


 


 


 


恒一は黙って聞いていた。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


「人気出たんだな」


 


 


 


 


私は顔を上げる。


 


 


 


 


「え?」


 


 


 


 


「嫌な言い方だけどな」


 


 


 


 


恒一は肩をすくめた。


 


 


 


 


「誰も知らない人にはアンチも付かない」


 


 


 


 


私は少し考える。


 


 


 


 


確かに。


 


 


 


 


新人王前はほとんどなかった。


 


 


 


 


今は違う。


 


 


 


 


人が増えた。


 


 


 


 


だから。


 


 


 


 


好きも嫌いも増える。


 


 


 


 


理屈は分かる。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


感情は追いつかない。


 


 


 


 


スマホが震える。


 


 


 


 


神崎レナからDM。


 


 


 


 


【初アンチですか?】


 


 


 


 


私は吹き出した。


 


 


 


 


なんで分かるのだろう。


 


 


 


 


【そんな感じです】


 


 


 


 


返信する。


 


 


 


 


すると。


 


 


 


 


レナから返事。


 


 


 


 


【おめでとうございます】


 


 


 


 


私は眉をひそめる。


 


 


 


 


おめでとう?


 


 


 


 


意味が分からない。


 


 


 


 


続きが届く。


 


 


 


 


【そこからが本番です】


 


 


 


 


私はため息をついた。


 


 


 


 


この人は本当に厳しい。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


 


さらに続く。


 


 


 


 


【ただし】


 


 


 


 


【読まなくていい言葉まで読まないでください】


 


 


 


 


私は画面を見つめた。


 


 


 


 


その言葉は、


不思議と心に残った。


 


 


 


 


深夜。


 


 


寝る前。


 


 


 


 


私はアンチコメントを思い出していた。


 


 


 


 


主婦アピール。


 


 


 


 


家族の話。


 


 


 


 


配信向いてない。


 


 


 


 


胸は少し痛む。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


同時に思う。


 


 


 


 


私は主婦だ。


 


 


 


 


母親だ。


 


 


 


 


会社員だ。


 


 


 


 


そしてライバーだ。


 


 


 


 


全部本当だった。


 


 


 


 


どれかを隠して人気が出ても、


たぶん長くは続かない。


 


 


 


 


私はスマホを置く。


 


 


 


 


新人王は終わった。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


新しい戦いは始まっている。


 


 


 


 


数字との戦いではない。


 


 


 


 


自分を見失わないための戦いが――。

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