表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラフォーママは新人ライバー 〜35歳でライブ配信デビュー〜  作者: ふぁい(phi)
第三章 忍び寄る影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/231

第六十話 知らない人たち



 


新人王終了から三日後。


 


 


最終順位二位。


 


 


 


生活は元に戻る。


 


 


 


そう思っていた。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


現実は違った。


 


 


 


 


朝。


 


 


通勤電車の中。


 


 


 


 


私は何気なく配信アプリを開いた。


 


 


 


 


そして固まる。


 


 


 


 


フォロワー数。


 


 


 


 


三週間前の倍以上になっていた。


 


 


 


 


「え……」


 


 


 


 


思わず声が漏れる。


 


 


 


 


新人王終了後も増え続けていた。


 


 


 


 


しかも。


 


 


 


 


止まらない。


 


 


 


 


毎日何百人単位で増えている。


 


 


 


 


私は画面を見つめた。


 


 


 


 


数字だけなら嬉しい。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


少し怖かった。


 


 


 


 


知らない人が増える。


 


 


 


 


それはつまり、


知らない視線が増えるということだ。


 


 


 


 


昼休み。


 


 


愛美からメッセージが届く。


 


 


 


 


【取材記事出ました】


 


 


 


 


私は慌ててリンクを開く。


 


 


 


 


そこには。


 


 


 


 


新人王特集。


 


 


 


 


上位ライバーインタビュー。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


自分の顔写真。


 


 


 


 


私は思わずスマホを遠ざけた。


 


 


 


 


恥ずかしい。


 


 


 


 


ものすごく恥ずかしい。


 


 


 


 


記事には、


新人王への思いがまとめられていた。


 


 


 


 


家族。


 


 


仕事。


 


 


配信。


 


 


 


 


全部。


 


 


 


 


私は少し不思議な気持ちになる。


 


 


 


 


確かに私の話なのに。


 


 


 


 


どこか他人事みたいだった。


 


 


 


 


その時。


 


 


通知。


 


 


 


 


記事へのコメントだった。


 


 


 


 


【応援してます】


 


 


【感動しました】


 


 


【ママの星】


 


 


 


 


嬉しかった。


 


 


 


 


本当に。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


 


その中に。


 


 


 


 


【ただの主婦が調子乗るな】


 


 


 


 


というコメントもあった。


 


 


 


 


私は一瞬固まる。


 


 


 


 


初めてだった。


 


 


 


 


直接的な悪意。


 


 


 


 


新人王中にもアンチはいた。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


ここまで露骨なのは珍しい。


 


 


 


 


胸が少しざわつく。


 


 


 


 


その時。


 


 


愛美から追加メッセージ。


 


 


 


 


【見なくていいですよ】


 


 


 


 


私は苦笑した。


 


 


 


 


先回りされた。


 


 


 


 


【やっぱり増えるんですね】


 


 


 


 


返信する。


 


 


 


 


すると。


 


 


 


 


【有名になると必ず】


 


 


 


 


短い言葉だった。


 


 


 


 


でも重い。


 


 


 


 


夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


 


開始五分で驚く。


 


 


 


 


知らない名前ばかりだった。


 


 


 


 


初見。


 


 


初見。


 


 


初見。


 


 


 


 


コメント欄の半分以上が初見だった。


 


 


 


 


【新人王の記事見ました】


 


 


【おすすめに出てきた】


 


 


【初配信から見てみたい】


 


 


 


 


私は笑顔で対応する。


 


 


 


 


嬉しい。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


少し落ち着かない。


 


 


 


 


まるで知らない街へ引っ越した気分だった。


 


 


 


 


常連たちも感じていたらしい。


 


 


 


 


タカさんがコメントする。


 


 


 


 


【急に人増えたな】


 


 


 


 


コメント欄が笑う。


 


 


 


 


私も笑った。


 


 


 


 


「私もびっくりしてます」


 


 


 


 


その時。


 


 


 


 


例の高額ギフターが現れる。


 


 


 


 


今日も大きなギフト。


 


 


 


 


そしてコメント。


 


 


 


 


【有名になりましたね】


 


 


 


 


私は礼を言う。


 


 


 


 


すると。


 


 


 


 


続いて流れた。


 


 


 


 


【遠くへ行かないでくださいね】


 


 


 


 


私は少しだけ沈黙した。


 


 


 


 


一秒。


 


 


 


 


二秒。


 


 


 


 


そして笑顔を作る。


 


 


 


 


「大丈夫ですよ」


 


 


 


 


何気ない会話。


 


 


 


 


そう。


 


 


 


 


そのはずだった。


 


 


 


 


配信終了後。


 


 


私はなぜか、


そのコメントだけを思い出していた。


 


 


 


 


遠くへ行かないでください。


 


 


 


 


応援の言葉。


 


 


 


 


たぶん。


 


 


 


 


普通ならそう受け取る。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


なぜだろう。


 


 


 


 


胸の奥に、


小さな棘が残っていた。


 


 


 


 


その夜。


 


 


神崎レナからDMが届く。


 


 


 


 


【フォロワー増えましたか?】


 


 


 


 


私は返信する。


 


 


 


 


【かなり増えました】


 


 


 


 


すると。


 


 


 


 


レナからすぐ返事が来た。


 


 


 


 


【おめでとうございます】


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


もう一文。


 


 


 


 


【知らない人が増える時期は気を付けてください】


 


 


 


 


私は画面を見つめる。


 


 


 


 


知らない人。


 


 


 


 


今日一日、


何度も考えていた言葉だった。


 


 


 


 


第二部。


 


 


 


 


高梨美咲の新しい日常は、


静かに形を変え始めていた――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ