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アラフォーママは新人ライバー 〜35歳でライブ配信デビュー〜  作者: ふぁい(phi)
第三章 忍び寄る影

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第五十五話 初めての公式インタビュー



 


新人王二十一日目。


 


 


順位三位。


 


 


 


残り三日。


 


 


 


朝、目が覚めた瞬間にスマホへ手が伸びた。


 


 


 


そして。


 


 


 


自分で苦笑する。


 


 


 


 


まただ。


 


 


 


 


神崎レナに言われたばかりなのに。


 


 


 


 


順位に生活を食べられる。


 


 


 


 


まさにその通りだった。


 


 


 


 


ランキングを確認する。


 


 


 


三位。


 


 


 


 


変わらない。


 


 


 


 


少しだけ安心する。


 


 


 


 


その時。


 


 


通知が届いた。


 


 


 


 


事務所の担当者からだった。


 


 


 


 


【今日お時間ありますか?】


 


 


 


 


珍しい。


 


 


 


 


私はすぐ返信した。


 


 


 


 


昼休み。


 


 


オンライン通話が繋がる。


 


 


 


 


担当マネージャーの佐藤だった。


 


 


 


 


『お疲れ様です』


 


 


 


 


「お疲れ様です」


 


 


 


 


『まずはおめでとうございます』


 


 


 


 


私は首を傾げる。


 


 


 


 


すると佐藤が笑った。


 


 


 


 


『新人王三位です』


 


 


 


 


『十分快挙ですよ』


 


 


 


 


そう言われて初めて実感した。


 


 


 


 


私は順位ばかり見ていた。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


 


三位は十分すごい。


 


 


 


 


本来なら。


 


 


 


 


佐藤は続ける。


 


 


 


 


『実は公式から取材依頼が来ています』


 


 


 


 


私は固まった。


 


 


 


 


「取材?」


 


 


 


 


『新人王特集です』


 


 


 


 


『上位ライバーへのインタビュー』


 


 


 


 


頭が真っ白になる。


 


 


 


 


私が?


 


 


 


 


取材?


 


 


 


 


会社員の私が?


 


 


 


 


佐藤は笑いを堪えている。


 


 


 


 


『そんな顔しないでください』


 


 


 


 


「いや無理です」


 


 


 


 


『無理じゃありません』


 


 


 


 


『もう上位ライバーなんです』


 


 


 


 


その言葉が妙に重かった。


 


 


 


 


上位ライバー。


 


 


 


 


まだ自覚がない。


 


 


 


 


配信で失敗もする。


 


 


 


 


コメントを飛ばすこともある。


 


 


 


 


今でも緊張する。


 


 


 


 


そんな私が。


 


 


 


 


昼休み終了後。


 


 


仕事をしながらも落ち着かなかった。


 


 


 


 


インタビュー。


 


 


 


 


何を聞かれるのだろう。


 


 


 


 


帰宅後。


 


 


夕食。


 


 


 


 


陽菜が言う。


 


 


 


 


「ママ有名人?」


 


 


 


 


私は吹き出した。


 


 


 


 


「違う違う」


 


 


 


 


「でも取材されるんでしょ?」


 


 


 


 


どこで聞いたんだろう。


 


 


 


 


恒一だった。


 


 


 


 


「さっき話してたからな」


 


 


 


 


私は少し恥ずかしくなる。


 


 


 


 


陽菜は目を輝かせる。


 


 


 


 


「サインちょうだい!」


 


 


 


 


「いらないでしょ」


 


 


 


 


「いる!」


 


 


 


 


家族が笑う。


 


 


 


 


久しぶりに穏やかな夕食だった。


 


 


 


 


最近失いかけていた時間。


 


 


 


 


私は少しだけ反省する。


 


 


 


 


配信前。


 


 


インタビュー用の質問が届いた。


 


 


 


 


・ライバーを始めたきっかけ


 


・新人王への思い


 


・リスナーへの感謝


 


・今後の目標


 


 


 


 


私は画面を見つめる。


 


 


 


 


始めたきっかけ。


 


 


 


 


思い出す。


 


 


 


 


なんとなくだった。


 


 


 


 


好奇心。


 


 


 


 


暇つぶし。


 


 


 


 


少しだけ自分を変えたかった。


 


 


 


 


そんな軽い気持ち。


 


 


 


 


それが今では。


 


 


 


 


人生を変えるほど大きな存在になっていた。


 


 


 


 


夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


 


コメント欄に取材の話をすると、


みんな自分のことのように喜んでくれた。


 


 


 


 


【すごい!】


 


 


【有名人】


 


 


【誇らしい】


 


 


 


 


私は照れる。


 


 


 


 


その時。


 


 


見慣れない名前が現れる。


 


 


 


 


昨日もいた高額ギフターだった。


 


 


 


 


今日も大きなギフトを投げる。


 


 


 


 


【取材おめでとう】


 


 


 


 


私は笑顔で礼を言う。


 


 


 


 


だが。


 


 


 


その直後のコメントで少し手が止まった。


 


 


 


 


【ずっと応援してます】


 


 


 


 


それだけなら普通だった。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


続いて流れた。


 


 


 


 


【誰よりも】


 


 


 


 


私は少しだけ違和感を覚える。


 


 


 


 


言葉にすると小さい。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


なぜか引っ掛かった。


 


 


 


 


配信終了後。


 


 


順位更新。


 


 


 


三位。


 


 


 



 


 


 


二位。


 


 


 


 


私は息を止めた。


 


 


 


 


二位。


 


 


 


 


全国二位。


 


 


 


 


残り三日。


 


 


 


 


もう誰も、


高梨美咲をダークホースとは呼ばなくなっていた。


 


 


 


 


新人王優勝候補。


 


 


 


 


その名前が、


少しずつ現実になり始めていた――。

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