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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で「ただいま」と言える居場所を育てています~  作者: ふぁい(phi)
第三章 忍び寄る影

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第四十二話 初めての大型バトル



 


新人王八日目。


 


 


順位二十七位。


 


 


 


朝。


 


 


ランキングを見た私は思わず二度見した。


 


 


 


二十五位。


 


 


 


 


寝ている間に上がっていた。


 


 


 


 


「え?」


 


 


 


思わず声が出る。


 


 


 


 


昨夜のバトル効果だろうか。


 


 


 


 


それとも。


 


 


 


最近増えた初見リスナーたちが残ってくれているのかもしれない。


 


 


 


 


どちらにしても嬉しかった。


 


 


 


 


「何位?」


 


 


 


 


朝食を運びながら恒一が聞く。


 


 


 


 


「二十五位」


 


 


 


 


恒一が口笛を吹く。


 


 


 


 


「すごいな」


 


 


 


 


「まだまだ」


 


 


 


 


そう答えながらも、


口元が少し緩んでいた。


 


 


 


 


陽菜も反応する。


 


 


 


 


「ママ、テレビ出る?」


 


 


 


 


「出ない」


 


 


 


 


「じゃあ一位になって」


 


 


 


 


「雑」


 


 


 


 


朝から笑いが起きた。


 


 


 


 


その日の夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


コメント欄にはいつものメンバー。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


初見がさらに増えていた。


 


 


 


 


【おすすめから来た】


 


 


 


【新人王見て来た】


 


 


 


【ママライバー珍しい】


 


 


 


 


私は丁寧に挨拶する。


 


 


 


 


少し前まで、


初見が来るだけで緊張していた。


 


 


 


 


今は違う。


 


 


 


 


嬉しい。


 


 


 


 


見つけてもらえたことが。


 


 


 


 


開始一時間。


 


 


順位更新。


 


 


 


二十五位。


 


 


 



 


 


 


二十三位。


 


 


 


 


コメント欄が盛り上がる。


 


 


 


【きた!】


 


 


 


【トップ20見えてきた】


 


 


 


【夢じゃない】


 


 


 


 


私は笑う。


 


 


 


 


夢みたいだった。


 


 


 


 


その時だった。


 


 


 


通知。


 


 


 


 


バトル申請。


 


 


 


 


私は何気なく相手を確認した。


 


 


 


 


そして固まる。


 


 


 


 


順位。


 


 


 


九位。


 


 


 


 


コメント欄も一瞬止まった。


 


 


 


 


【え?】


 


 


 


【九位?】


 


 


 


【上位勢】


 


 


 


 


私は画面を見つめる。


 


 


 


 


名前は見覚えがあった。


 


 


 


 


何度もランキングで見た。


 


 


 


 


新人王上位常連。


 


 


 


 


つまり。


 


 


 


強豪。


 


 


 


 


コメント欄が騒がしくなる。


 


 


 


 


【どうする?】


 


 


 


【断ってもいい】


 


 


 


【強すぎる】


 


 


 


 


正直。


 


 


 


怖かった。


 


 


 


 


勝てる気がしない。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


なぜか断りたくなかった。


 


 


 


 


ここまで来たんだ。


 


 


 


 


全国大会なんだ。


 


 


 


 


挑戦しない方が後悔する。


 


 


 


 


私は深呼吸した。


 


 


 


 


「受けます」


 


 


 


 


コメント欄が沸く。


 


 


 


【よし!】


 


 


 


【行こう!】


 


 


 


【楽しめ!】


 


 


 


 


楽しめ。


 


 


 


 


もう合言葉になっていた。


 


 


 


 


バトル開始。


 


 


 


 


相手は男性ライバーだった。


 


 


 


 


落ち着いている。


 


 


 


 


余裕がある。


 


 


 


 


上位勢特有の空気だった。


 


 


 


 


開始直後。


 


 


 


点差が開く。


 


 


 


 


一分。


 


 


 


二分。


 


 


 


三分。


 


 


 


 


どんどん開く。


 


 


 


 


コメント欄が静かになる。


 


 


 


 


私は画面を見る。


 


 


 


 


強い。


 


 


 


 


本当に強い。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


以前とは違う。


 


 


 


 


悔しい。


 


 


 


 


だけど楽しい。


 


 


 


 


全国の上位はこんな景色なんだ。


 


 


 


 


そう思えた。


 


 


 


 


残り一分。


 


 


 


差は大きい。


 


 


 


 


それでも。


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


 


コメントを読む。


 


 


 


ギフトに反応する。


 


 


 


 


最後まで楽しむ。


 


 


 


 


終了。


 


 


 


 


結果。


 


 


 


 


敗北。


 


 


 


 


大差だった。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


不思議と落ち込まない。


 


 


 


 


相手ライバーが笑顔で言った。


 


 


 


 


『楽しかったです』


 


 


 


 


私は即答する。


 


 


 


 


「私もです」


 


 


 


 


本心だった。


 


 


 


 


すると。


 


 


 


相手が続けた。


 


 


 


 


『ママライバーさんですよね?』


 


 


 


 


「はい」


 


 


 


 


『頑張ってください』


 


 


 


 


『たぶんもっと上がりますよ』


 


 


 


 


私は一瞬言葉を失った。


 


 


 


 


上位ライバーからの言葉。


 


 


 


 


嬉しかった。


 


 


 


 


配信終了後。


 


 


順位更新。


 


 


 


二十三位。


 


 


 



 


 


 


二十一位。


 


 


 


 


私は目を疑った。


 


 


 


 


負けたのに上がっている。


 


 


 


 


コメント欄が騒ぐ。


 


 


 


【え?】


 


 


 


【上がった】


 


 


 


【大型バトル効果】


 


 


 


 


私はようやく理解した。


 


 


 


 


強豪との対戦で、


多くの人に見てもらえたのだ。


 


 


 


 


勝敗だけじゃない。


 


 


 


 


出会いもある。


 


 


 


 


新人王はそういう場所だった。


 


 


 


 


その夜。


 


 


スマホを見る。


 


 


 


愛美からDM。


 


 


 


 


【見てました】


 


 


 


 


続いて。


 


 


 


【上位勢に名前覚えられましたね】


 


 


 


 


私は苦笑する。


 


 


 


 


【まだ早いですよ】


 


 


 


 


すると返信。


 


 


 


 


【そういう人ほど伸びるんです】


 


 


 


 


私はしばらく画面を見つめた。


 


 


 


 


新人王八日目終了。


 


 


 


順位二十一位。


 


 


 


 


ついに。


 


 


 


トップ20が目の前まで来ていた――。

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