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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で、「ただいま」があふれる居場所を育てています。~  作者: ふぁい(phi)
第二章 広がる世界

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第三十九話 初めての勝利



 


新人王五日目。


 


 


朝。


 


 


目を覚まして最初に確認したのは、やはりランキングだった。


 


 


 


三十九位。


 


 


 


昨夜のまま。


 


 


 


 


トップ40。


 


 


 


数字だけ見れば大した順位ではないかもしれない。


 


 


 


でも。


 


 


数日前の自分からすれば大きな前進だった。


 


 


 


 


「また見てる」


 


 


 


朝食を並べながら恒一が言う。


 


 


 


 


「もう習慣」


 


 


 


 


「依存症だな」


 


 


 


 


「否定できない」


 


 


 


 


二人で笑った。


 


 


 


 


陽菜は食パンをかじりながら言う。


 


 


 


 


「今日は何位になるの?」


 


 


 


 


「分からない」


 


 


 


 


「一位」


 


 


 


 


「急すぎる」


 


 


 


 


朝から家族に笑わせてもらった。


 


 


 


 


その日の夜。


 


 


配信開始。


 


 


 


コメント欄はいつも通り温かかった。


 


 


 


【こんばんは】


 


 


【今日も行こう】


 


 


【トップ40おめでとう】


 


 


 


 


私は頭を下げる。


 


 


 


 


「ありがとうございます」


 


 


 


 


そして少し照れた。


 


 


 


 


まだ慣れない。


 


 


 


応援されることに。


 


 


 


 


配信開始から一時間。


 


 


 


順位は三十八位。


 


 


 


 


少し上がった。


 


 


 


 


その時。


 


 


通知が鳴る。


 


 


 


 


バトル申請。


 


 


 


 


コメント欄が反応する。


 


 


 


【来た】


 


 


【受けよう】


 


 


【リベンジだ】


 


 


 


 


私は画面を見る。


 


 


 


 


相手は新人王参加者。


 


 


 


順位は四十二位。


 


 


 


 


近い。


 


 


 


 


実力も近そうだった。


 


 


 


 


私は深呼吸する。


 


 


 


 


数日前なら怖かった。


 


 


 


 


でも今日は違う。


 


 


 


 


タカさんの言葉を思い出す。


 


 


 


 


――楽しめ。


 


 


 


 


私はバトルを受けた。


 


 


 


 


画面が切り替わる。


 


 


 


 


相手は元気そうな女性ライバーだった。


 


 


 


 


『よろしくお願いします!』


 


 


 


 


「よろしくお願いします!」


 


 


 


 


以前より声が出た。


 


 


 


 


コメント欄も盛り上がる。


 


 


 


【行けー!】


 


 


【楽しもう】


 


 


【ファイト】


 


 


 


 


バトル開始。


 


 


 


 


最初の一分。


 


 


 


互角。


 


 


 


 


二分。


 


 


 


少しリード。


 


 


 


 


三分。


 


 


 


追いつかれる。


 


 


 


 


心臓がうるさい。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


笑う。


 


 


 


 


コメントを読む。


 


 


 


ギフトに反応する。


 


 


 


 


楽しむ。


 


 


 


 


気付けば自然にできていた。


 


 


 


 


残り一分。


 


 


 


点差はわずか。


 


 


 


 


コメント欄が流れる。


 


 


 


【接戦!】


 


 


【熱い!】


 


 


【最後!】


 


 


 


 


私は思わず立ち上がりそうになる。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


残り十秒。


 


 


 


大きなギフトが飛んだ。


 


 


 


 


コメント欄が一気に沸騰する。


 


 


 


【きたー!!】


 


 


【ナイス!】


 


 


【逆転!】


 


 


 


 


カウントダウン。


 


 


 


 



 



 



 


 


0。


 


 


 


 


終了。


 


 


 


 


結果。


 


 


 


 


勝利。


 


 


 


 


私は固まった。


 


 


 


 


本当に?


 


 


 


 


勝った?


 


 


 


 


画面を見る。


 


 


 


 


間違いない。


 


 


 


 


勝っていた。


 


 


 


 


コメント欄が爆発する。


 


 


 


【おめでとう!】


 


 


【初勝利!】


 


 


【やったー!】


 


 


 


 


私は思わず両手で顔を覆った。


 


 


 


 


嬉しかった。


 


 


 


 


たぶん。


 


 


 


事務所イベントで勝った時より嬉しい。


 


 


 


 


全国大会。


 


 


 


新人王。


 


 


 


 


その舞台で初めて勝った。


 


 


 


 


相手ライバーも笑顔だった。


 


 


 


 


『楽しかったです!』


 


 


 


 


「私もです!」


 


 


 


 


それは本心だった。


 


 


 


 


本当に楽しかった。


 


 


 


 


バトル終了後。


 


 


順位更新。


 


 


 


三十八位。


 


 


 



 


 


 


三十四位。


 


 


 


 


トップ35入り。


 


 


 


 


コメント欄が再び盛り上がる。


 


 


 


【上がった!】


 


 


【強い!】


 


 


【行ける!】


 


 


 


 


私は首を振った。


 


 


 


 


まだまだだ。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


少しだけ自信がついた。


 


 


 


 


配信終了後。


 


 


スマホに通知が来る。


 


 


 


 


愛美からだった。


 


 


 


 


【見てました】


 


 


 


 


私は笑う。


 


 


 


 


【恥ずかしい】


 


 


 


 


返信する。


 


 


 


 


すぐ返ってきた。


 


 


 


 


【かっこよかったです】


 


 


 


 


私はしばらく画面を見つめた。


 


 


 


 


かっこいい。


 


 


 


 


人生であまり言われたことのない言葉だった。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


少し嬉しかった。


 


 


 


 


ベッドに入る。


 


 


 


天井を見る。


 


 


 


 


新人王五日目終了。


 


 


 


順位三十四位。


 


 


 


 


まだ先は長い。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


確実に前へ進んでいる。


 


 


 


 


そしてこの勝利が、


高梨美咲にとって最初の大きな自信になるのだった――。

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