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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で、「ただいま」があふれる居場所を育てています。~  作者: ふぁい(phi)
第二章 広がる世界

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第三十六話 新人王開幕



 


午前六時。


 


 


目覚ましが鳴る前に目が覚めた。


 


 


 


新人王初日。


 


 


 


ついにこの日が来た。


 


 


 


ベッドの上で天井を見つめる。


 


 


 


少しだけ。


 


 


ほんの少しだけ。


 


 


逃げ出したい気持ちもあった。


 


 


 


でも。


 


 


それ以上に楽しみだった。


 


 


 


私はゆっくり起き上がった。


 


 


 


 


リビングへ向かう。


 


 


恒一が朝食を作っている。


 


 


 


「おはよう」


 


 


 


「おはよう」


 


 


 


 


顔を見るなり笑われた。


 


 


 


 


「眠れた?」


 


 


 


 


「一応」


 


 


 


 


「嘘だな」


 


 


 


 


「三回起きた」


 


 


 


 


恒一が吹き出す。


 


 


 


 


悔しい。


 


 


 


 


陽菜も起きてくる。


 


 


 


 


「今日だっけ?」


 


 


 


 


「今日」


 


 


 


 


「頑張って」


 


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


 


「ありがとう」


 


 


 


 


その一言だけで少し落ち着いた。


 


 


 


 


会社。


 


 


 


仕事。


 


 


 


でも今日は集中できない。


 


 


 


 


午後。


 


 


事務所チャットが動き始める。


 


 


 


 


『新人王開幕まであと三時間』


 


 


 


 


『頑張りましょう』


 


 


 


 


参加ライバーたちのメッセージが流れる。


 


 


 


 


熱量がすごい。


 


 


 


 


私は静かにスマホを閉じた。


 


 


 


 


見ているだけで緊張する。


 


 


 


 


午後六時。


 


 


退勤。


 


 


 


急いで帰宅する。


 


 


 


 


恒一が夕食を準備していた。


 


 


 


 


「今日は俺が全部やるから」


 


 


 


 


「ありがとう」


 


 


 


 


「気にするな」


 


 


 


 


その言葉がありがたかった。


 


 


 


 


午後七時。


 


 


配信部屋。


 


 


 


スマホ。


 


 


リングライト。


 


 


飲み物。


 


 


充電器。


 


 


 


何度も確認する。


 


 


 


 


午後七時五十五分。


 


 


 


コメント欄にはすでに人が集まっていた。


 


 


 


【来た】


 


 


【初日】


 


 


【緊張する】


 


 


 


 


私よりみんなの方が緊張している気がした。


 


 


 


 


午後八時。


 


 


 


新人王開幕。


 


 


 


 


イベントページが公開される。


 


 


 


 


参加者。


 


 


数百人。


 


 


 


全国から集まった新人ライバーたち。


 


 


 


 


私は思わず息を呑んだ。


 


 


 


 


多い。


 


 


 


本当に多い。


 


 


 


 


コメント欄が流れる。


 


 


 


【行こう】


 


 


【楽しもう】


 


 


【スタート】


 


 


 


 


私は深呼吸した。


 


 


 


 


「皆さん」


 


 


 


 


声が少し震えた。


 


 


 


 


「今日から新人王です」


 


 


 


 


コメントが流れる。


 


 


 


【知ってる】


 


 


【待ってた】


 


 


【行くぞ】


 


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


 


少し緊張がほぐれる。


 


 


 


 


「最後までよろしくお願いします」


 


 


 


 


配信スタート。


 


 


 


 


開始十分。


 


 


 


順位はまだ圏外。


 


 


 


当然だ。


 


 


 


数百人いる。


 


 


 


 


開始三十分。


 


 


 


順位が表示される。


 


 


 


 


八十七位。


 


 


 


 


コメント欄がざわつく。


 


 


 


【高い】


 


 


【思ったより上】


 


 


【スタート良い】


 


 


 


 


私は少し驚いていた。


 


 


 


 


もっと下だと思っていた。


 


 


 


 


一時間後。


 


 


順位。


 


 


 


六十二位。


 


 


 


 


上がっている。


 


 


 


 


さらに一時間。


 


 


 


五十一位。


 


 


 


 


トップ50が見えてきた。


 


 


 


 


コメント欄も盛り上がる。


 


 


 


【いける】


 


 


【見えてきた】


 


 


【トップ50】


 


 


 


 


その時。


 


 


通知が鳴った。


 


 


 


 


桜井愛美。


 


 


 


現在四十八位。


 


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


 


近い。


 


 


 


 


ライバルで。


 


 


 


仲間。


 


 


 


 


そして。


 


 


もう一つ名前を見つける。


 


 


 


 


一位。


 


 


神崎レナ。


 


 


 


 


圧倒的だった。


 


 


 


 


ポイントが桁違い。


 


 


 


 


コメント欄も反応する。


 


 


 


【化け物】


 


 


【強すぎる】


 


 


【別格】


 


 


 


 


私は画面を見つめる。


 


 


 


 


これが全国。


 


 


 


 


これが新人王。


 


 


 


 


事務所イベントとはまるで違う。


 


 


 


 


強い人がいる。


 


 


 


本当に強い人が。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


不思議だった。


 


 


 


 


怖さよりも。


 


 


 


ワクワクしている自分がいた。


 


 


 


 


配信終了。


 


 


 


順位。


 


 


 


四十七位。


 


 


 


 


初日としては上出来だった。


 


 


 


 


私はスマホを置く。


 


 


 


 


その瞬間。


 


 


全身の力が抜けた。


 


 


 


 


終わった。


 


 


 


まずは一日目。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


本当の戦いはこれからだ。


 


 


 


 


新人王は三週間。


 


 


 


 


長い。


 


 


 


そして過酷だ。


 


 


 


 


その夜。


 


 


ベッドに入る直前。


 


 


 


愛美からDMが届いた。


 


 


 


 


【初日お疲れさまでした】


 


 


 


 


私は返信する。


 


 


 


 


【お疲れさまでした】


 


 


 


 


そして続けて送る。


 


 


 


 


【近いですね】


 


 


 


 


すぐ返信。


 


 


 


 


【負けませんよ?】


 


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


 


【私もです】


 


 


 


 


新人王初日終了。


 


 


 


順位四十七位。


 


 


 


 


まだ誰も知らない。


 


 


 


 


このママライバーが、


数週間後に新人王の頂点へ向かう存在になることを――。

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