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アラフォーママは新人ライバー 〜35歳でライブ配信デビュー〜  作者: ふぁい(phi)
第二章 広がる世界

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第二十六話 ラスト一時間



イベント終了まで、あと一時間。


 


順位は四位。


 


 


三位との差はわずか。


 


 


本当にわずかだった。


 


 


 


しかし。


 


 


イベント終盤の「わずか」は恐ろしい。


 


 


数分でひっくり返る。


 


 


数秒で逆転する。


 


 


 


私はそのことを、この数日で嫌というほど学んでいた。


 


 


 


配信画面を見る。


 


 


コメント欄は止まらない。


 


 


 


【あと一時間!】


 


 


【行こう!】


 


 


【ここからだ!】


 


 


 


いつものメンバー。


 


 


初見の人たち。


 


 


久しぶりに来てくれた人たち。


 


 


 


たくさんの人がいた。


 


 


 


私は画面を見つめた。


 


 


 


少し前まで、


同時接続が二十人を超えただけで喜んでいた。


 


 


 


今はその何倍もの人がいる。


 


 


 


不思議な気持ちだった。


 


 


 


 


「みんな」


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


「最後までよろしくお願いします」


 


 


 


コメント欄が流れる。


 


 


 


【もちろん】


 


 


【任せろ】


 


 


【ここまで来たんだから】


 


 


 


胸が熱くなる。


 


 


 


 


その時。


 


 


通知が現れた。


 


 


 


『バトル申請』


 


 


 


私は何気なく相手を見る。


 


 


 


そして息を呑んだ。


 


 


 


イベント三位。


 


 


朝倉レイナ。


 


 


 


今、私の一つ上にいるライバーだった。


 


 


 


コメント欄が一気に沸く。


 


 


 


【来た】


 


 


【直接対決】


 


 


【マジか】


 


 


【最後に!?】


 


 


 


私も同じ気持ちだった。


 


 


 


まるで漫画みたいだ。


 


 


 


 


受けるか?


 


 


 


そんな選択肢はなかった。


 


 


 


「受けます」


 


 


 


私はボタンを押した。


 


 


 


 


画面が切り替わる。


 


 


 


レイナは落ち着いていた。


 


 


 


美人だった。


 


 


 


そして強そうだった。


 


 


 


 


「こんばんは」


 


 


 


「こんばんは」


 


 


 


 


レイナが笑う。


 


 


 


「噂のママライバーさんですね」


 


 


 


 


私は少し照れた。


 


 


 


 


「最後に当たれて嬉しいです」


 


 


 


 


その言葉に嘘はなかった。


 


 


 


お互い本気。


 


 


 


だからこそ気持ちが良い。


 


 


 


 


バトル開始。


 


 


 


残り五分。


 


 


 


 


開始直後。


 


 


 


ギフト。


 


 


 


ギフト。


 


 


 


ギフト。


 


 


 


 


画面が光る。


 


 


 


次々に光る。


 


 


 


 


点差。


 


 


 


拮抗。


 


 


 


ほぼ互角。


 


 


 


 


コメント欄も熱い。


 


 


 


【いけ!】


 


 


【勝てる!】


 


 


【まだだ!】


 


 


 


 


残り三分。


 


 


 


私が少し負ける。


 


 


 


残り二分。


 


 


 


差が広がる。


 


 


 


 


またか。


 


 


 


 


私は苦笑した。


 


 


 


 


この数日で何度も見た光景だ。


 


 


 


強い人は強い。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


私はもう知っている。


 


 


 


最後まで分からないことを。


 


 


 


 


コメントを読む。


 


 


 


話す。


 


 


 


笑う。


 


 


 


 


「今日、陽菜がですね」


 


 


 


私は娘の話を始めた。


 


 


 


 


コメント欄が笑う。


 


 


 


 


【この状況で!?】


 


 


 


【みさママだな】


 


 


 


【好き】


 


 


 


 


残り一分。


 


 


 


点差はまだある。


 


 


 


 


でも。


 


 


 


コメント欄は楽しそうだった。


 


 


 


 


その時だった。


 


 


 


タカさん。


 


 


 


ユキさん。


 


 


 


アオイ。


 


 


 


カズ坊。


 


 


 


 


古参たちが動く。


 


 


 


 


画面が光る。


 


 


 


 


さらに光る。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


初見の人たちも続いた。


 


 


 


 


コメントが流れる。


 


 


 


【ここまで楽しませてもらったから】


 


 


 


【応援させて】


 


 


 


【最後だ】


 


 


 


 


私は言葉を失った。


 


 


 


 


残り三十秒。


 


 


 


差が縮まる。


 


 


 


残り二十秒。


 


 


 


さらに縮まる。


 


 


 


残り十秒。


 


 


 


逆転。


 


 


 


 


「えっ……」


 


 


 


 


私は息を呑んだ。


 


 


 


 


5。


 


 


4。


 


 


3。


 


 


2。


 


 


1。


 


 


0。


 


 


 


終了。


 


 


 


 


『WIN』


 


 


 


 


コメント欄が爆発した。


 


 


 


【勝ったああああ!】


 


 


 


【逆転!】


 


 


 


【やばい!】


 


 


 


【鳥肌!!】


 


 


 


 


私は動けなかった。


 


 


 


 


レイナも笑っていた。


 


 


 


 


「参りました」


 


 


 


 


そして。


 


 


 


 


「表彰台、取ってください」


 


 


 


 


そう言って配信を去った。


 


 


 


 


バトル終了。


 


 


 


震える手で順位を確認する。


 


 


 


 


四位。


 


 


 



 


 


 


三位。


 


 


 


 


戻った。


 


 


 


また戻った。


 


 


 


 


イベント終了まで残り三十分。


 


 


 


 


しかし。


 


 


 


誰も知らなかった。


 


 


 


このあと。


 


 


 


最後の最後に。


 


 


 


もっと大きな逆転劇が待っていることを――。

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