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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で「ただいま」と言える居場所を育てています~  作者: ふぁい(phi)
第二章 広がる世界

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第二十二話 王者からの招待状



イベント終了まで残り三日。


 


朝の順位。


 


 


四位。


 


 


変わらない。


 


 


 


私はスマホを置いた。


 


 


昨日、玲奈と話したおかげだろうか。


 


 


少しだけ冷静になれていた。


 


 


 


順位は大事だ。


 


 


でもそれだけじゃない。


 


 


 


そう思えるようになっていた。


 


 


 


 


仕事を終えて帰宅。


 


 


夕食。


 


 


陽菜のダンスの話。


 


 


学校の話。


 


 


恒一の会社の話。


 


 


 


いつもの時間だった。


 


 


 


そして午後九時。


 


 


配信開始。


 


 


 


【こんばんは】


 


 


【今日も来た】


 


 


【イベントあと少し】


 


 


 


いつものメンバー。


 


 


 


いつもの空気。


 


 


 


私は自然に笑顔になった。


 


 


 


「あと三日ですね」


 


 


 


コメント欄が流れる。


 


 


 


【早い】


 


 


【ここまで来た】


 


 


【四位すごい】


 


 


 


私は苦笑した。


 


 


 


まだ実感がない。


 


 


 


四位。


 


 


 


前回三十一位の私が。


 


 


 


本当に不思議だった。


 


 


 


 


配信開始から一時間。


 


 


いつものように雑談していた時だった。


 


 


 


画面に通知が出る。


 


 


 


『バトル申請が届きました』


 


 


 


私は何気なく相手名を見た。


 


 


 


そして固まる。


 


 


 


 


イベントランキング二位


 


神崎アヤ


 


 


 


 


コメント欄が爆発した。


 


 


 


【え!?】


 


 


【マジ!?】


 


 


【王者だ】


 


 


【なんで!?】


 


 


 


私も同じ気持ちだった。


 


 


 


なんで?


 


 


 


 


神崎アヤ。


 


 


イベント上位常連。


 


 


事務所のエース候補。


 


 


 


私とは格が違う。


 


 


 


 


コメント欄が流れる。


 


 


 


【受ける?】


 


 


【逃げてもいい】


 


 


【相手強すぎる】


 


 


 


私は通知画面を見つめた。


 


 


 


怖い。


 


 


 


正直怖い。


 


 


 


でも。


 


 


 


ここで断ったら、


きっと後悔する。


 


 


 


 


「受けます」


 


 


 


コメント欄がざわついた。


 


 


 


私はバトルボタンを押した。


 


 


 


 


画面切り替え。


 


 


 


神崎アヤが映る。


 


 


 


美人だった。


 


 


 


堂々としている。


 


 


 


画面越しでも分かる。


 


 


 


強者の空気。


 


 


 


 


「こんばんは」


 


 


 


アヤが笑う。


 


 


 


「高梨さんですよね?」


 


 


 


「はい」


 


 


 


 


「最近よく名前聞きます」


 


 


 


 


私は驚いた。


 


 


 


私の名前を?


 


 


 


 


「四位まで上がってきたママライバー」


 


 


 


「気になってました」


 


 


 


 


コメント欄が騒ぐ。


 


 


 


【認知されてる】


 


 


【すげえ】


 


 


【本物だ】


 


 


 


私は少し緊張した。


 


 


 


 


バトル開始。


 


 


 


残り五分。


 


 


 


 


開始十秒。


 


 


 


ギフト。


 


 


 


ギフト。


 


 


 


ギフト。


 


 


 


 


相変わらず凄い。


 


 


 


だが前回ほど驚かなかった。


 


 


 


強者はこういうものだと知ったから。


 


 


 


 


私はいつも通り話す。


 


 


 


コメントを読む。


 


 


 


笑う。


 


 


 


 


残り三分。


 


 


 


点差は二倍。


 


 


 


残り二分。


 


 


 


三倍。


 


 


 


 


負けている。


 


 


 


でも不思議と焦らない。


 


 


 


 


昨日までの私なら、


順位を意識していた。


 


 


 


勝たなきゃ。


 


 


 


追い付かなきゃ。


 


 


 


そう考えていた。


 


 


 


 


でも今日は違う。


 


 


 


楽しむ。


 


 


 


それを思い出していた。


 


 


 


 


「みんな今日もありがとう」


 


 


 


私は笑った。


 


 


 


 


コメント欄も笑う。


 


 


 


【それでいい】


 


 


【みさママらしい】


 


 


【好き】


 


 


 


 


残り三十秒。


 


 


 


突然。


 


 


 


タカさんが大きなギフトを投げた。


 


 


 


ユキさんも続く。


 


 


 


アオイも。


 


 


 


カズ坊も。


 


 


 


 


点差が縮まる。


 


 


 


縮まる。


 


 


 


縮まる。


 


 


 


 


そして。


 


 


 


残り五秒。


 


 


 


 


逆転。


 


 


 


 


「えっ!?」


 


 


 


 


神崎アヤも驚いていた。


 


 


 


 


3。


 


 


2。


 


 


1。


 


 


0。


 


 


 


終了。


 


 


 


 


『WIN』


 


 


 


 


私は固まった。


 


 


 


コメント欄も一瞬止まる。


 


 


 


そして。


 


 


 


大爆発。


 


 


 


【勝ったあああ!】


 


 


【王者倒した!】


 


 


【やばい!!】


 


 


【事件だ!!】


 


 


 


私自身が一番信じられなかった。


 


 


 


 


神崎アヤが笑う。


 


 


 


悔しそうに。


 


 


でも楽しそうに。


 


 


 


「やられました」


 


 


 


 


そして彼女は言った。


 


 


 


「高梨さん」


 


 


 


「あなた面白いですね」


 


 


 


 


私は意味が分からなかった。


 


 


 


 


アヤは続ける。


 


 


 


「普通は順位を追うと壊れるんです」


 


 


 


「でも高梨さんの枠は違う」


 


 


 


 


少しだけ間。


 


 


 


 


「応援したくなる」


 


 


 


 


その言葉は、


以前強豪ライバーから言われた言葉と同じだった。


 


 


 


 


バトル終了。


 


 


 


私は震える手でランキングを開く。


 


 


 


四位。


 


 


 



 


 


 


三位。


 


 


 


 


私は息を呑んだ。


 


 


 


TOP3。


 


 


 


本当に。


 


 


 


本当に来てしまった。


 


 


 


 


イベント終了まで残り三日。


 


 


 


そして今。


 


 


 


高梨美咲の名前は、


初めて表彰台圏内に刻まれたのだった。

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