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アラフォーママは新人ライバー ~ライブ配信で「ただいま」と言える居場所を育てています~  作者: ふぁい(phi)
第六章 選ぶ勇気

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第百十二話 新しい出会い



 


休日が明けた月曜日。


 


 


会社での仕事を終えた美咲は、


事務所へ向かっていた。


 


 


今日は佐藤との打ち合わせがある。


 


 


雑誌の反響や、


今後の活動について話し合う予定だった。


 


 


応接スペースに入ると、


佐藤が笑顔で迎えてくれる。


 


 


「お疲れさまです、高梨さん。」


 


 


「お疲れさまです。」


 


 


机の上には、


雑誌の読者アンケートが数枚並べられていた。


 


 


「記事、とても好評でした。」


 


 


「ありがとうございます。」


 


 


佐藤は一枚の用紙を手に取る。


 


 


「こんな感想も届いています。」


 


 


『無理をしないという言葉に救われました。』


 


 


『配信を見てみたくなりました。』


 


 


『家族を大切にする姿が素敵でした。』


 


 


美咲は静かに目を通す。


 


 


数字では表せない、


温かい言葉ばかりだった。


 


 


「本当にありがたいですね。」


 


 


佐藤も頷く。


 


 


「それと、もう一つご相談があります。」


 


 


「はい。」


 


 


「高梨さんに、お会いしたいという方がいまして。」


 


 


「私にですか?」


 


 


「ええ。」


 


 


佐藤は名刺を一枚差し出した。


 


 


そこには、


動画配信を始めて一年ほどの、


若いクリエイターの名前が書かれていた。


 


 


「最近活動を始めた方なんですが、高梨さんの記事を読んで、『一度お話を聞いてみたい』と。」


 


 


美咲は少し驚いた。


 


 


「私なんかで、お役に立てるでしょうか。」


 


 


佐藤は穏やかに微笑む。


 


 


「だからお願いしたいんです。」


 


 


「技術を教える人ではなく、経験を話せる人として。」


 


 


その言葉に、


美咲はしばらく考えた。


 


 


自分は、


誰かに教えられるほど立派だろうか。


 


 


失敗もたくさんしてきた。


 


 


迷ってばかりだった。


 


 


それでも――。


 


 


「私でよければ、お会いします。」


 


 


自然と、


その言葉が口から出ていた。


 


 


佐藤は嬉しそうに笑う。


 


 


「ありがとうございます。」


 


 


「きっと、その方も喜びます。」


 


 


帰り道。


 


 


駅まで歩きながら、


美咲は夕焼け空を見上げた。


 


 


誰かに支えられて、


ここまで歩いてきた。


 


 


家族。


 


 


リスナー。


 


 


佐藤。


 


 


たくさんの人のおかげだった。


 


 


今度は、


自分が少しだけ、


誰かの力になれるのかもしれない。


 


 


夜。


 


 


手帳を開く。


 


 


今日のページの最後に、


静かに書き添える。


 


 


『教えることは、答えを渡すことではない。』


 


 


少し考えて、


もう一行。


 


 


『一緒に悩んできた道を、少しだけ照らすことなのかもしれない。』


 


 


ページを閉じる。


 


 


机の上の折り紙のウサギが、


いつものように優しく見守っている。


 


 


美咲は小さく微笑んだ。


 


 


知らない誰かとの新しい出会いは、


きっと相手だけではなく、


自分自身もまた成長させてくれる。


 


 


そんな予感が、


静かに胸の中で芽生えていた――。

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