第66話 最後の祭りの夜
「見せてやる、俺が今までに鍛えたエイム力がどれほどのものか!」
ライフルを手にしっかりと構える。
射的のゲームなど、何てへっちゃらだ。
トリガーを引き、狙いの的に確実に当たると確信していた。
スコープもドットサイトもないが、問題なしだ。
さあ行け、コルク弾。youならいける。
ポンっと当たった。
しかし的は倒れなかった。
「惜しかったなお客さん。運が足りないね」
と、祭りの屋台のおじさんに言われる。
悔しい。ただただ悔しい。
当たったのに……。
隣にいるタツミにカッコいいところを見せてやりたかった。
それに、ぬいぐるみを渡したかった。
俺は思わず膝をついた。
「…………大丈夫よ、オリバー。次、次に行ってみよう」
その言葉に頷く。夜はまだこれからだ。
この数日間で気づいたのだが、月夜の都では毎日が祭りのようだ。
俺はただ屋台の食べ物を食べ、屋台の娯楽を楽しんでいた。
「次は金魚すくいをしてみる?」
「やるやる! 得意じゃないけど、やろうぜ!」
と、タツミと一緒に金魚すくいの屋台に向かった。
「青春ね、もぐもぐ」
メリアはアレックスと話しながら、二人の後をついていく。
アレックスはノートに「妻との思い出を思い出す」と書きながら、返事をしていた。
祭りを楽しんだ後は温泉に行き、疲れを癒した。
ああ、風呂がこんなに気持ちいいとは知らなかった。
日本では毎日シャワーだけだったな。
シャワーが長いとよく怒られていたっけ。
そう思っていると、アレックスが近づいてきた。
彼はノートに「先に部屋に戻る」と書き、先に上がっていった。
俺はもう少しここで楽しもうと思った。
それとふと思っていた、あのノートが全く濡れていない。
………..まあいいや。
今日でこの場所は最後だからな。
風呂を出て着替えたアレックスの前に、白髪で尖った耳をした女侍が道を塞いだ。
「初めまして、騎士殿…………」
放たれる冷たい言葉に、アレックスは足を止めた。
読んでくれてありがとうございます、
いいねと思ったら、ブクマや感想や評価してくれると
めっちゃ喜びます。
まだまだ未熟だけど見てくれるだけでも嬉しいです。




