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忘却の勇者は楽しく冒険したい  作者: ケロタコス
時王編

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第64話 皇帝の交渉

「それで、断れないものとは何だ?」

皇帝は手で合図をした。

コズモが持っていた小さな箱を開ける。

中から、ドクン、ドクン、ドクン……と今も動いている心臓が現れた。

『『な、なんでお前がそれを持っている、皇帝!!!』』

代理王は大きく取り乱した。隣にいたナタリアも戸惑いの表情を浮かべている。

「もしかして……王の心臓か……」

思わず口に出していた。

「ああ、そうだよ」

皇帝は歪んだ笑みを浮かべて答えた。

心の底から思った。皇帝がこんなことをするとは、俺もミーネも予想していなかった。

「これはな、ジオ様からのメッセージだ」

「つまり、一年前の王室襲撃事件の犯人は、時の魔王ジオってことか」

「多分な。彼の配下の者がやったんだろう。それで、心臓と引き換えに国家予算の半分を寄こせと言っている」

「国家予算の半分だと!?」

代理王が驚きの声を上げた。

無理もない。王の心臓一つと引き換えに、国の金の半分を要求するなど、とんでもない話だ。

だが俺の疑問は別にある。帝国は金に困っていないはずだ。いったい何のために、そんな大金が必要なのか。

代理王は頭を少し下げ、暗い顔で呟いた。

「……分かった。半分……あげよう」

「いいのか、代理王。本当にその決断で」

「いいさ。彼には貸しがあるからな……」

交渉の成功を確信したタコゲス帝は、勝利の笑みを浮かべていた。

その翌日、王国は金を積んだ馬車を帝国へ送り込んだ。


「ジオ様、交渉は成功しました」

「じきに金が集まるでしょう」

玉座に座るジオ様の姿を見て、俺は違和感を覚えた。

いつもの衣装ではなく、顔を黒い布で覆い、両腕を露出させている。左腕は明らかに彼のものではなかった。

かつての戦いで失った腕を、とある冒険者から引きちぎって移植したという話だ。

彼の強さは別格だ。例え残りの十色勇者が全員揃ったとしても、相手にならないだろう。

これでエルトード王国は終わりだ。

読んでくれてありがとうございます、

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めっちゃ喜びます。

まだまだ未熟だけど見てくれるだけでも嬉しいです。


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