第3話 王国に到着!
「くっ................私の縄を外せ!」
黒ずくめ少女は縄を抜こうとしながら声をあげる。
手足の縄をギチギチとしながら緩める気配はなかった。
「あら、起きたのかい?」
メリアは壁に支えながら、腕を組みながら様子を見ていた。
「それで、君は何者?」
しかし、少女は答えない。
「.................」
少女の目は部屋の周りを見ていた。
「うっ……どうなってるの? さっきまで森にいたのに……ここ、どこよ?」
彼女は困惑しながら身をよじった。
メリアが質問に答えた。
「私の部屋よ」
「それと君、なんで私たちを襲ったの?」
少女は警戒した様子で答えた。
「あんたたちは、刺客じゃないの?」
メリアはため息をつき、改めて少女に問いかける。
「それで、なんで私たちを刺客だと思ったの?」
少女は真剣な表情で語る。
「逃げてる途中、後ろから声が聞こえたのよ。それで振り向いたら、あんたたちがいた……それで、攻撃した」
••••••••••••メリアは納得する。
(あの時、オリバーが叫んだからか••••••)
何故かメリアが物凄くこっちを物凄くこっちを見ている、
俺はただ喜んでいただけなんだけど。
「コホン、とりあえずまずは自己紹介からやるわ」
「私はメリアで隣の彼はオリバーよ」
「••••••••••••私はサボン」
彼女の話を聞くうちに、素性が明らかになっていく。
彼女はエルトード王国の特殊偵察部隊。
コードネームは サボン。
本名は明かさなかったが、魔族と手を組んだ デハーマ帝国 に潜入し、偵察の任務を担っていた。だが、正体がバレて逃亡。
森に身を潜めながら、追っ手を振り切っていたのだという。
俺は話の途中でお腹が空き、食べ物を探しにキッチンへ向かいついでにサボンの荷物を取りに行った。
彼女のマント見るとすごくいい素材で作られていることがわかる。
自分の好きなコミックのヒーローによく似ている。
好奇心に負け、彼女のマントを着て、荷物を届け行った。
「なぁ、メリア。これ似合うだろ?」
俺はマントで顔を半分隠し、低い声で呟く。
「俺が……ナイトメアマンだ」
ジョークを理解したメリアは、思わずクスッと笑った。
「全然似てないわよ、あははは」
だが隣で見ていたサボンはジョークを知らずにジト目でジーっと不満気に見ていた「•••••••••••••••」
メリアは軽く咳払いをし、落ち着いた口調で言った。
「まずは彼女の誤解を解こうよ、オリバー」
しばらく話すと、サボンはメリアに向かって頭を下げた。
「……すまなかった。襲いかかって、怪我までさせてしまった」
「気にしないで。でも、あなたはこれからどうするつもり」
サボンは真剣な表情で答えた。
「私は王国に戻らないといけない。だから、縄を解いてくれ」
俺はじっと彼女を見つめる。
(……嘘はついてないと思う)
直感ではそう感じたが、完全には信用していない。
そこで、俺はメリアにそっと囁く。
「メリア、彼女を見張ってくれ」
メリアは小さく頷いた。
「分かった。一緒に行こう。ちょうど私たちも王国に行きたかったし」
「本当か?」とサボンが驚いたように言う。
「なら、王国まで案内してやるよ」
俺はサボンの荷物の中から、あるものを取り出した。
「だけど、この投げ針は俺が持つ」
サボンは少し考えた後、納得したように頷いた。
「........分かった」
メリアはサボンの縄を解き、オリバーは旅の準備を進める。
「よし、行くか!」
こうして、ようやく俺の旅が始まる。
……が、その直後、サボンがツッコミを入れた。
「ていうか、私のマントを返してよ!」
⸻
その夜、サボンがソファで寝静まった後、俺はメリアとキッチンで話していた。
それぞれの片手にホットミルクを飲み、砂糖を少しずつ入れて調整していた。
「そういえば、オリバー」
「君に渡した服には身体能力を大幅に上げる効果があるんだけど」
「何か変わった?」
「••••••••肩が軽くなったかな?」
「違いはあんまりわからないけど、結構動きやすくて良いと思うよ」
「いや、肩が軽くなるだけの装備じゃないよ」
メリアがミルクを一飲みした後、マグカップを置いて話を始めた。
「オリバー、サボンのことどう思う?」
「••••••••悪い人じゃないと思うよ。」
「彼女は冒険者でありながら、王国の兵士としても働いてるみたいだし」
「そうか……、確かに根は良い人そうだ」
メリアは納得しつつも、オリバーの温厚さを少し心配していた。
この世界はあんまり甘くないのに。
————————
エルトード王国、深夜――。
冷たい雨が石畳を叩き、雷鳴が夜空を引き裂く。
王国の門の前に、異形の魔族が立ちはだかっていた。
その姿は異様で、蛇の頭を二つ持ち、全身を覆う黒い鱗が雨に濡れて光る。
「……フン、人間どもよ。震えて待つがいい」
魔族は杖を掲げ、その先端に紫色の魔力を集め始めた。
闇に包まれた門前が、魔力の光で照らされる。
しかし――
バシュッ!!
突如、空中から閃光が走った。
「その程度の魔法で、王国の門を破れると思った?」
白銀の髪をなびかせながら、女が宙を舞っていた。
その手には、まばゆく輝く剣――聖剣が握られている。
魔族が気づく間もなく、女は剣を振り下ろす。
ズバァァァァン!!
光線が一直線に魔族を貫いた。
「……っ!!」
次の瞬間、魔族の体が砕けるように消え、門の一部が崩れ落ちた。
「……またやりすぎたか」
女は剣を肩に担ぎ、ぼそっと呟く。
「力加減って難しいな……」
メリアはふと、遠くの方角に視線を向けた。
「……⁉︎」
王国の方から、一瞬だけ 強い衝撃 を感じた。まるで、大規模な魔法が炸裂したような感覚だ。
(王国の方から……すごい衝撃を感じた)
思わずオリバーの方を見たが、彼は何も気づいた様子もなく、のんびりと飲んでいる。
メリアはしばらく考えたが、今はどうすることもできない。
(……今は気にしても仕方ないわね)
そう判断し、静かにカップを口に運んだ。
二人ともココアを飲み終わり、それぞれ寝る準備を始めた。
メリアは自分のベッドへ向かい、そっと横になる。
オリバーは隣のベッドの カーペットの上 に寝転がった。
サボンは 二人用のソファ に横になり、すでに静かな寝息を立てていた。
こうして、それぞれが静かに眠りについた――。
翌朝、王国に着いた。
俺は気持ちよく目を覚まし、キッチンへ向かった。
すでに準備されていた朝食を軽く済ませると、三人で王国へ向かう準備を整えた。
森を少し歩いた先、ついに王国の城壁が見えてくる。
「おっ、見えてきたな!」
しかし、門に近づいた瞬間、三人は思わず足を止めた。
門が半分ほど消失していたのだ。
「えっ……!?」
サボンの目が見開かれる。
「……!?」
メリアは言葉を失い、険しい表情を浮かべた。
俺も驚きのあまり、大きく目を見開く。
「……ここで何が起きたんだ?」
すると、その場にいた兵士の一人が、遠くからサボンの名を呼んだ。
「あっ、行ってくるわ。また後で街で会おう!」
サボンはそう言い残し、兵士のもとへ駆け寄る。
「おう、また後でな!」
オリバーは手を振り、サボンを見送った。
「よし、それじゃあ街に行こうか」
「うん、行こうか」
メリアが頷く。
「イェーイ、レッツゴー!」
オリバーは期待に満ちた表情で、足早に王都の中へと向かった。
⸻
崩れた城門を遠回りして、街の広場に入ると、オリバーは目を輝かせながら辺りを見回した。
「うわあこれが異世界の中世か!」
石畳の道を行き交う人々、露店で品物を並べる商人、
そして賑やかな声が飛び交う街並み。
まさに、俺が憧れていた”異世界の都市”がそこに広がっていた。
メリアはそんなオリバーの様子を見て、予想通りの反応だと微笑む。
(やっぱりね……転生者はみんなこういう反応をするのよね)
そんなことを考えていたメリアだった。
「それでオリバー、早速ギルド..........あれ?」
隣にいたはずのオリバーがいなかった
さっきまでいたのに。
こうも早くはぐれるのは過去で最速だ。
⸻
一方その頃、
俺は通りを歩くと、さまざまな種族の人々が行き交っているのが目に入る。
獣人たちも多く見られ、犬の耳や猫の耳を持つ者たちが普通に歩いていた。
(うわー、獣人ってこんなにいるのか……すげぇな)
そう思いながら辺りを眺めていた。
「ワン!」
後ろから犬の鳴き声を聞き後ろを振り向くと勢いよく犬が飛びついてきた。
「おっと……おー、可愛いな!」
その犬を抱え撫で始めた、ふわふわとした毛は気持ちよく、
まるでぬいぐるみを手にしたような感じだった。
撫でていると遠くから飼い主らしき人物が駆け寄ってきた。
「もー、待ってよポチ」
そう言いながらやってきたのは、息切れの猫耳の獣人の女性 だった。
「ごめんね、大丈夫? 噛まれたりしてない?」
「大丈夫、大丈夫! 噛まれてないよ」
俺は笑顔で答えた。
「はい、返すよ」
犬を飼い主に返した後、ギルドを道を聞いた。
この近くを散歩しているから、街の住人だと思う。
「ギルド? なら、真っ直ぐ進めばすぐ見つかるよ」
俺は礼を言い、ギルドの方に向けて歩いた。
けど一歩を歩く重大なことに気づいた。
「あっ……」
周りを見るとメリアが近くにいなかった。
(……俺、もしかしてはぐれて迷子なったのか)
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