第2話 ゴブリンと透明な敵
「俺は奈伊藤オリバーだ、よろしくメリア」
「よろしく、オリバー」
「なあメリア、さっき魔法を使ってただろ」
俺はキラキラ目を向けて質問しいていた。
「服とか武器とか出せる?」
「それと魔導書とか、回復のポーションとか...........」
メリアはあまりの質問に答えられなかった。
「コホン、出せる物は私の家にある用意した物だけだよ」
「………家にある物?」
メリアは魔法を使い、空間から手を入れて取り出した。
少し錆びて汚れた刀を渡した。
「はい、これあげる」
俺は刀を受け取るが内心ではすごく不安になった。
他にマシな武器はなかったかな?。
「ちょっと錆びてるけど、まだ使えるよオリバー」
そう言われても、不安は消えない。
「それとオリバー、服も用意したよ」
「しかも何と、特別性よ」
メリアが服を出しながら見せる。
「とりあえずこの黒色のを着てみて」
「うんわかった」
「それじゃは私は後ろを向いておくよ」
森の中で着替える中、服のサイズはピッタリとあっていた。
「どうメリア、似合うかな?」
「似合うわよ」
「それと赤や緑のあるけど試してみる?」
俺がメリアが持っていた、緑の服に触ろうとした瞬間、
草むらの中からカサっとする音が聞こえた。
草むらから5匹のゴブリンが飛び出してきた。
それぞれ剣や盾や棍棒を持って攻撃する気である。
「すげー!こいつらがゴブリンか」
「アニメのそのまんまだな」
グループの中にリーダーらしきゴブリンは槍を持って命令していた。
「げっゴブリンね、やっつけてみてオリバー」
「おう、俺の剣の錆にしてやるよ」
「刀だよ、オリバー」
目の前にいる剣のゴブリンに目掛けて一刀入れる。
「食らえ我が聖剣を!」
————スポッ。
「あれ?」「えっ?」
手に握っていた刀が軽くなった。
おかしい、まさか
••••••••••刃が抜けた。
俺の抜けた刃はくるりとリーダーのゴブリンに頭に刺さった。
『『ええええええ!』』
メリアと同じ反応した。
錆びていたがここまで脆いとは思わなかった。
ゴブリンたちも後ろの方を向き、呆然としていた。
武器がない今、目の前にいるゴブリンから取るしかない。
俺は拳を握りゴブリンの顔面にパンチをする。
剣を取り、ゴブリンたちを追い出した。
彼らは武器を捨て去り、一目散に逃げた。
投げ捨てられた武器を回収し、ボロい木の盾と槍を手に入れた。
「はぁ…はぁ…疲れた」
「なあメリア、次はちゃんとした物をくれよ」
「悪かったわ」
メリアは気まずそうに言い訳を始めた。
「武器は先代しかなかったの.............ごめん」
「街に着いたら、新しい武器を買うよ」
「買ってくれるなら嬉しいよ」
「俺は金ないけど」
「金ね、金の事なら心配ないよ」
「君との冒険でかかる費用は私持ちよ、喜びなさいオリバー」
「マジか!」
「滅多にここまで優遇されないよ」
「とりあえず今日は休もうかオリバー」
メリアは森の木に近づき、指をパッチンさせた。
魔法でドアを実現させた。
ドアを開け、中に入ると綺麗なキッチンと同時に可愛いデザインの家具が揃っていた。
するといつの間にかメリアは自分のサイズを変えていた。
「えメリア、君そんなに大きくなれるの?」
「なれるわよ」
「とりあえず、椅子に座って待っていて」
しばらく座って待っていると夕食してくれた。
美味しく頂く中で俺は自分の中にある全ての疑問を質問した。
メリアは食事中でも、スマホを指を上方向にスライドしていた、
「いいなメリア、スマホ持っていて........」
「君は持っていなかったよね」
「あっそうだメリア、俺の能力は?」
「待っててね、今探すから」
メリアは画面をスクロールし、やがて何かを見つけたようだ。
「お、あったあった」
どうやら俺の資料を見つけたらしいが彼女は難しい顔をしている。
「それで俺の能力って?」
「………後で言うわ」
「なんでだよ、言ってくれよ!」「ダメだ」
「頼むって、本当に!」「いーや、言わない」
「お願い、por favor、 please !」
俺の必死に頼みでも、メリアは溜め息を吐きながら言った。
「オリバー、君は能力がなくてもよく戦えるじゃない。」
「それに、後で必ず教えるから約束するわ」
「………わかったよ」
「それじゃ今日は早く寝て、街に行こう」
「へー、街か、どれぐらいかかる?」
「数時間でぐらいで行けるわ」
食事を終わるとメリアは寝る場所に案内してくれた。
「どうぞ私のベットで寝ていいよ」
「•••••••いやいや、メリアこそどこに寝る?」
「私はソファで寝るよ」
「いや、メリアこそ自分のベットで寝たら?」
「君が私のベットで寝ないのら私が寝るよ」
「それじゃ俺はこのカーペットに寝るよ」
床にある羊毛のカーペットに座り込み寝る準備をした。
「……風邪をひいても知らないよ。」
メリアは呆れたように笑い、彼女目を見ると優しい目を向けていた。
(前の転生者たちと比べてまともな方だった)
メリアは昔案内した転生者たちを思い出していた。
翌朝、メリアはベッドから起きると、静かに台所に向かった。
オリバーはまだいびきをしながら寝ていた。
彼女は朝食を作り始め、手際よくスープとパンを用意して、食卓に並べた。
食事の準備が整った頃に俺は目を覚ました。
メリアは振り向き、にっこりと微笑んで言った。
「おはよう、オリバー。朝食できたわよ。」
目をこすりながら、席に着いた。
二人はしばらく無言で食事をしながら、
食べ終わると口を開いた。
「なあ、メリア。この街にはギルドってあるのか?」
メリアはスマホを取り出し、ギルドを検索した。
「いっぱいあるわ。」
軽くうなずきながら言った。
「ふーん。それじゃ、メリアもギルドに入るのか?」
「うん、入るよ。」メリアは少し笑って答えた。
「オリバーがひとりだと、なんだか嫌な予感がするから。」
準備を終え、メリアとオリバーはバッグに荷物を詰め込んだ。メリアは確認しながらつぶやく。
「よし、ハンカチOK、救急箱OK、食べ物OK…」
「よし、行こう俺の冒険はこれからだー!」
俺は勢いよくドアを開いた。その瞬間――森の暗闇から、
何かが飛んできた。
「危ない!」
メリアは咄嗟に俺の背後から抱きつき腕で俺をを庇った。
直後、小さな針が三本、深く突き刺さっていた。
彼女の左腕に鋭い痛みが走る。
「うっ...!」
即座に森の奥を見るが、そこには誰の姿もない。
ただ、静寂だけが広がっている。
(……誰もいない、いや、どこから針が飛んできた?)
(——まさか....!、透明ができる敵か!。)
背中に冷や汗が伝う。
目に映らぬ敵。
透明化の能力か、それとも何か別の手段か?
(....見えない敵とどう戦う?)
焦りを抑え、冷静に考えてみた。
そして、ある直感が脳裏をよぎる。
俺は地面に手を伸ばし、土をすくって勢いよく周囲に撒いた。
しかし――土は当たらなかった。
手に槍を構えた。
ゴブリンの群れを倒した際に回収したボロい槍。
粗雑な作りだが、戦闘には十分に使える。
背後へと振るった。だが、手応えはない。
(クソッ、どこにいる!?)
一方、メリアは素早く傷口の処置をしようとしたが、
違和感に気付く。
腕に残る感覚は痛みではなく、痺れも。
まるで神経を麻痺させる毒が塗られているかのようだ。
「っ……」
メリアは眉をひそめる。
長引けば危険だ。だが、戦闘はまだ終わっていない。
耳を澄ませた。
わずかに草の上を踏む音が聞こえる。
しかし、音が聞こえてもそれでも居場所を探知をするの難しい。
俺は直感に任せ、広範囲に槍を振るい始めた。
右、左へと空を切る音が何度も響くが、敵の姿は見えない。
すると槍を構えていたが真っ二つに折られた。
「———!?」
敵はいつの間にか目の前にいた。
折られた槍を見たメリアは魔法で回収した、
ボロい盾をオリバーの目の前に出した、
ガタッと落ちる盾を手に取り構える。
構えた盾にさらに三つの針が刺された。
「待ってて、オリバー、今からサポートするよ」
メリアの声には緊迫感が滲んでいた。
彼女は腕の痺れを無視し、敵の動きを必死に探る。
(……どこだ……見えない、手がかりは――)
ふと、視界の端で異変に気付く。
(……ゆっくりと、踏みしめられる草……!)
わずかに沈む地面。風にそよぐはずの葉が、
不自然に揺れている。そこに、確かに”何か”がいる。
「オリバーッ!後ろだ——!!」
メリアが叫んだ。俺はは即座に後ろを向き盾で身を守った。
その瞬間——ボロい盾は砕かれた。
盾の衝撃には強力な蹴りで壊れた。
「しまっ――」
だが、その時。
「動かないで!」
メリアの声が響いた。
彼女の手には、魔法の雷光――《スタン・ライトニング》
放たれる蒼白の閃光。
稲妻が駆け抜けた瞬間、空間が歪む。
何か”が光に包まれ、形を現した。
「ぐっ……!」
敵が苦悶の声を上げ、地面に倒れる。
(やったか……?)
慎重に槍を構えながら、倒れた敵を見つめた。
メリアが息を切らしながらも微笑む。
「……少し、痺れるでしょうけど……これで、大人しくなってくれるはずよ」
彼女の腕にはまだ痺れが残るが、それ以上に、敵を倒したという確信があった。
深く息をつきながら、盾を地面に置いた。
「助かった……ありがとう、メリア」
森の静寂が戻る。
しかし、まだ、見えざる敵への警戒が残っていた。
透明化が解け、
倒れた敵の姿がはっきりと見えるようになった。
黒を基調とした服装に、漆黒のローブとフードとマスク。
影のように気配を消していたのも納得だ。
メリアは肩で息をしながら、自分の左腕を軽くさすった。
「……ちょっと待ってね」
そう言うと、片手を前にかざし、静かに魔力を込める。
次の瞬間、空間が歪み、
彼女の手元に一本のポーションが現れた。
メリアは迷わずそれを開け、一気に飲み干す。
「ふぅ……大丈夫、ほとんど治った」
呼吸を整えながらそう言ったが、左腕を軽く動かすと、
わずかに痺れが残っているのがわかった。
「どうする?」
メリアに尋ねると、彼女は小さく笑って答えた。
「そうだな、まずは縛ろうか」
そう言いながら、彼女は部屋からロープを取りに向かった。
戻ってくると、オリバーにロープを手渡しながら苦笑する。
「ごめん、左腕がまだ少し痺れてるから、縛るのをお願い。
やり方を教えるよ」「わかった」
俺はロープを手に取り、倒れた襲撃者を見下ろす。
「じゃあ、どうやればいい?」
「まずは手首をこうして……」
メリアは片手でジェスチャーをしながら説明してくれた、
それを見ながら手際よく縛っていく。
「うん、いい感じ。でももう少しきつくした方がいいかも」
「こうなのか?」
「そうそう、そんな感じ」
しっかり拘束すると、ふぅと息をついた。
人を縛るのは初めて、縛りなんて靴の縛りしか知らなかった。ふと気になって襲撃者のマスクに手を伸ばす。
慎重に外すと思わず声が漏れた。現れた顔は、どう見ても女の子だった。
「……え?」「女の子……?」
驚きつつも、
俺は僅かに息をのんだ。
いったい何者なのか——?
そしてしっかりと縛った女の子を寝室まで運び、
ベッドの上に寝かせた。
しばらくすると、女の子が目を覚ました。
「……ん?」
意識がはっきりするにつれ、彼女は自分の手足が縄で拘束されていることに気づいた。
「なっ……!」
身をよじらせ、縄を抜けようともがくが、
しっかりと縛られているため微動だにしない。
その間、俺ととメリアは少し離れた場所で話をしていた。
「で、この子をどうする?、街まで連れて警察に届ける?」
俺の問いに、メリアは軽く考え込みある提案した。
「とりあえず、まずは近くの街まで連れて行こう」
「それじゃオリバー、あとは頼んだよ」
「……えー」
力技は俺に任せる事にされた。
話してる間に俺はメリアの腕に包帯を巻いていた。
転生前は保健員だったから保健の先生からいくつかのコツは教えてもらった。
包帯をしっかりと巻き終え、俺は満足げに言った。
「どうだ、これが保健員の実力だ!」
と自信満々に誇った。
得意げに胸を張るオリバーを見て、メリアはクスクスと笑った。その間もベッドの上では女の子が必死に縄を解こうと、
悪戦苦闘していた——が、やはり無駄だった。
——————
その日、ゴブリンとの戦いで、オリバーは刀を置いていった。
オリバーもメリアも気づかなかった。
それが、取り返しのつかない過ちになることを........。
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