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閑話 ある生徒の一日

 私は、名乗るほどの者ではありません。とある女爵家の長女。ただの魔法学校の生徒です。

 以前から、フリードリヒ殿下(今は会長ですね)に憧れていまして、学校に入学しました。

 私は運よく十九歳だったため、入学試験は無く、無条件に入学が許可されました。

 そんな私の一日を紹介させていただきます。えっ?必要ない?

 私もそう思うのですが、生徒会の皆さまからの依頼なので……断れませんよね?


 朝、私は学生寮で目を覚まします。家から付いてきてくれた使用人に、起こしてもらうが正解ですね。

 この寮の部屋は、生徒一人に付き一室が与えられます。正直、領の屋敷の部屋より広いです……。

 その上、使用人用のスペースも併設されているため、快適な生活をおくれています。

 また、私のような弱小貴族家は、帝都に別邸を持っていないため、学生寮の制度はとても助かっています。


 身支度を整えた私は、朝食を摂るため、寮の食堂に向かいます。

 ここと学校内にある食堂は、有料です。寮費は無料ですが、食費は有料。

 ですが、そこにも意図があるようです。金銭感覚を学ぶためと、生徒会の皆さまが言っておりました。

 さすがのお考えです……。その慧眼に、畏敬の念を感じながら、食事を済ませます。


 その後、部屋でカバンを手に取り、登校します。カバンの中身は、筆記用具や教科書、ジャージです。

 私物を教室に置いておくことは、禁止されています。登校で持ってきて、下校で持ち帰ります。

 盗難やいたずらの防止、部屋での予習や復習のためのルールです。守らないとお説教です……。


「おはよう!今日は算術の授業だよな……。あの先生、きびしいんだよね……」

「おはようございます。私もあの方は苦手ですわ……。ですが、教え方はとても上手なんですよね」


 このように、エントランスや廊下、教室では身分の上下に関係なく、挨拶を交わします。

 ちなみに、今の男性は伯爵家の方です。本来なら、気軽に話すことなどできない方ですが……。

 校内では、生徒会の皆さまが身分差の撤廃を推進しています。一部を除き、好意的に受け止められています。


「マリアさん!スカート丈が短すぎませんか?淑女として――――――」


 その一部筆頭のイザベル様と、生徒会役員のマリアさん。毎朝の恒例行事です。

 貴族のプライドの塊のイザベル様は……私はちょっと苦手です。素晴らしい方だとは思いますが……。

 対して、マリアさんは大好きです!自由な気風に、寛容な心。類まれな美貌をひけらかさない、私の目標の女性です!

 ちなみに現在の私は、生徒会の皆さま全員が推し、いわゆる箱推しです!

 おっと、話が逸れてしまいました。こんな感じで毎日賑やかな中、午前の座学の授業が始まります。


 午前の授業は、二時間の講義→休憩時間→二時間の講義となります。本日は算術と戦術の講義です。

 算術では、基礎的な四則演算に始まり、数学という学問や帳簿の付け方などを学びます。

 戦術では、部隊の指揮方法や戦術全般を習います。貴族には、戦争時の出兵義務がありますから……重要です。

 他には国史、礼法、魔法などの科目があります。それ以外にも、テストが存在しない臨時科目も存在します。

 ちなみに、国史はこの国を中心に、周辺諸国などの歴史を学びます。貴族の基礎教養ですね。

 礼法は、礼儀作法です。テーブルマナーやダンスなど、多岐にわたります。これも、貴族の基礎です。

 魔法は、魔法技術を座学で勉強します。この学校で、一番重要なことです。魔法学校ですからね。

 魔法とは、体内の魔力を使用して、様々な現象を再現します。そのため、知らない現象は起こせません。

 また、原理を深く理解することで、魔法は強く、早くすることが出来ます。そのための座学です。


 これらの午前の座学が終わった後は、昼休みです。一時間の休憩です。

 入学当初は、とても不思議に思いました。なぜ、昼に長い休憩があるのだろうと……。

 少しして分かったことですが、昼に食事を摂るための時間だったのです!

 生徒会の皆さまが、率先して食堂で昼食を摂られているのを知り、今では多くの生徒が利用しています。

 やっぱり、レオンさんの食べっぷりは……見ていて癒されますね。あの量は真似できませんが……。

 私も、最初は慣れませんでしたが、今では昼食を摂るのが当たり前です。午後の実技での、体の動きが全く違いますから。

 この文化は、学校を卒業しても続けていこうと思っております。


 昼休みが終わると、制服からジャージに着替えて、魔法実技が始まります。

 魔法実技といっても、魔法を放つだけに留まりません。身体強化を利用した武術や身体トレーニングも行います。

 そのため、実技の前には、準備体操というものを行います。入学前には、聞いたことがありませんでした。

 なんでも、事前に軽く身体に負荷をかけることで、怪我の防止や訓練効率の向上につながるらしいです。

 そして、本格的に実技訓練が始まります。今日は、水魔法の応用でした。

 水魔法をそのまま放つのではなく、温度を下げて氷にするとのことです。そのようなことが可能なんでしょうか?

 あっ!テレーザさんが氷を放ちました……。可能なんですね!やっぱり、生徒会の皆さまは凄いです!

 教師陣が説明を始めました。以前、魔法座学で習ったことを思い出す必要があるようです。

 全ての物を構成する、とっても小さな粒。その動きを魔力でもって、停止させる。

 火魔法の反対を、水魔法を発動させた状態で行うのですね!とても、難しいです……。


 ああ、今日の魔法実技の授業が終わってしまいました……。結局、氷にできませんでした。

 ですが、大丈夫です!レベルに合わせてグループ分けがされており、出来るまで教えてもらえます。

 また明日、頑張ればいいのです!なので、授業についていけなくて脱落した方はいません。

 これもひとえに、この学校の教育システムを作ってくれた皆さまのおかげですね!


 そして、今は放課後。制服に着替えた後、教室に残って予習復習をする方、急いで帰る方など様々です。

 私も、軽く復習を済ました後、寮に帰りました。

 ちなみに、生徒会の皆さまはこの時間も、学校をより良くしようと活動しているらしいです。

 ただただ、頭が下がる思いでいっぱいです……。


 寮に帰って、寮の食堂で夕食を摂る。そして、部屋に戻る。

 その後は、各自の自由時間なので、お話するのは割愛させていただきますね。

 これが、魔法学校の生徒の一日です。いかがだったでしょうか?参考になりましたか?

 えっ!私の話をそのまま、来年の入学案内のしおりに掲載するのですか!?

 確かに、入学前の方々に学校生活を紹介するのは、とても良いアイデアだと思いますが……。

 

 後日、私の名前を出さないことを条件に、生徒会の皆さまに承諾の意思を伝えました。

 一部、私の気持ちが入りすぎている所は、削除されたようですが……。

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