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これからどうする?


自制心の塊、ヒューゴーの家でしばらくお世話になることに決めた。

まずは身の回りの物を買い揃えたり、周辺の地理を覚えたりしながら、アパート探しかな。

生活基盤が整って、1人でやって行けるようになるまでは、この家にいて構わないと気前良く言ってくれた。ヒューゴーは本当にいい人だ。料理も出来るし。


ヒューゴーが作ってくれた夕食を食べながら尋ねた。


「ヒューゴーさんはこれからどうするんですか?」

「明日はとりあえず髪切りに行きてーなあ。その後は買い物に付き合ってやるよ。荷物持ち、必要だろ」

「ありがとうございます。どこにお店があるかも分からないので助かります」

「買い物の後はどっか食いに行くか。美味しい店連れてってやる」

「ありがとうございます。楽しみです。あの、ヒューゴーさんはもう盗賊からは足を洗う予定ですか? 一生遊んでも暮らせるお金、手に入れましたもんね」

「ああ、そうだな……生活するために盗む必要はもうないよな。けど金じゃ買えない、盗むことでしか手に入らない物がどうしても欲しくなった時には、盗むかもな。後は王様命令とか? 今回のは命令じゃなくて、依頼だったけどな。王様の個人的な頼み」


「それ単品では価値がないっていうお宝ですね。他の素材と合わさると、すごい物になるんです?」


「らしいね。まあ王様の酔狂だから、俺は信じてないけど。時戻りの魔法なんてね」


「え?」


「時戻りの魔法。12年前に時を巻き戻したいらしいよ。何でも、初恋の姫君が事故で亡くなるのを阻止したいとか。そんなの無理だよなあ」


「えっ、12年前って、あのっ、それって王様だけじゃなくて、全世界の時間が巻き戻るんですか!? うそっ、じゃあ私が2度目の人生なのも、もしかしてそのせい!?」

「どうした、落ち着け」

「おお落ち着いてられませんよ! 早く止めないと、また……3歳から!?」


事態を呑み込めていないヒューゴーを振り切って、外に出ようとしたときパンっと空気が弾けるような音がした。

視界が暗転した。足元の床が抜け、どこまでもどこまでも落ちていく。気を失った。



ある日流行り風邪に冒されて高熱に倒れ、病床で唐突に思い出した。

今の人生は三度目だ。

生まれ変わって別人として新たな人生を歩んでいる、のではない。

時が巻き戻っている。



お読みいただきありがとうございました。

続編は『夢の中で僕を殺した婚約者のことが気になって仕方ない』(王子視点)です。

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