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三つ目の地球

二つの地球をつないだ光の輪。


その直後に届いた謎のメッセージ。


『三つ目の地球を探してください。』


悠真たちは、しばらく画面を見つめていた。


あかりが言う。


「地球って……三つもあるの?」


ミナが首をかしげる。


「少なくとも、私たちが知っている銀河地図には存在しません。」


ソウタが端末を確認する。


「僕の世界の記録にもありません。」


ユイも首を横に振る。


「こちらにもないです。」



---


謎の座標


すると、謎の通信から新しいデータが届いた。


『座標を送信します。』


画面に星の位置が表示される。


ミナが解析する。


「この座標……。」


「銀河の中心からかなり離れています。」


悠真が尋ねる。


「何があるの?」


ミナは少し驚いた顔をした。


「何もありません。」


「星も、惑星も、人工物もありません。」


あかりが言う。


「じゃあ、どうして地球があるっていうの?」


ミナは答えた。


「だからこそ、調べる価値があります。」



---


出発


悠真たちは、きずなの船で座標へ向かうことにした。


ユイとソウタも同行する。


二人の地球の代表者たちからは、


「気をつけて!」


「必ず帰ってきてください!」


と通信が届く。


悠真は笑って手を振った。


「行ってきます!」



---


船が航路へ入る。


二つの地球が遠ざかっていく。


あかりが窓の外を見る。


「三つ目の地球か……。」


「どんな場所なんだろう?」


悠真は笑った。


「海が三つあるかもしれない。」


ユイが笑う。


「月が三つだったりして。」


ソウタが言う。


「それなら、地球じゃなくて月の方が多くなりそう。」


船内に笑い声が響く。



---


座標到着


数時間後。


目的地に到着。


しかし――。


本当に何もない。


星もない。


惑星もない。


ただ真っ暗な宇宙が広がっている。


ミナが確認する。


「座標は正確です。」


悠真が尋ねる。


「でも、何もないよ?」


ミナはレーダーを動かす。


その瞬間。


ピピッ。


「……反応があります。」


「どこ?」


「私たちの真下です。」


悠真たちが窓の外を見る。


何もない。


しかし、ミナは続ける。


「正確には――。」


「空間の裏側です。」



---


隠された地球


ミナが特殊スキャンを開始する。


すると、何もなかった宇宙に突然、巨大な円形の境界が浮かび上がった。


ゴォォォ……。


その中から――。


青い光が見える。


悠真が驚く。


「地球……?」


巨大な透明な膜の向こう側。


そこには、一つの惑星が浮かんでいた。


青い海。


緑の大地。


白い雲。


間違いなく地球だった。


しかし――。


その地球には、大きな違いがあった。


地球全体が、巨大な都市になっていた。



---


三つ目の地球


ソウタが絶句する。


「こんな地球……知らない。」


ユイも驚いている。


「私たちの世界とも違う。」


ミナが分析する。


「文明レベルは、私たちの知るどの地球よりも高いです。」


「推定――数千年先。」


悠真が驚く。


「数千年先の地球?」


すると、突然通信が入った。


『ようこそ。』


『第三地球へ。』



---


画面に、一人の女性が映る。


「私は第三地球の代表、カナです。」


悠真が尋ねる。


「どうして僕たちを呼んだんですか?」


カナは答える。


「私たちは、長い間あなたたちを観察していました。」


「地球A。」


「地球B。」


「そして、あなたたちの旅。」



---


第三地球の悩み


カナの表情が少し曇る。


「私たちの地球には、一つ問題があります。」


「何?」


「誰も争いません。」


悠真は少し安心した。


「それなら、いいことじゃない?」


カナは首を横に振る。


「違うんです。」


「誰も争わない代わりに――。」


「誰も、自分の意見を言わなくなりました。」



---


第三地球では、すべてが完璧に管理されていた。


食事。


仕事。


住む場所。


旅行。


友達との交流。


そして――。


誰と姉妹になるかまで。


すべてAIが決めている。


カナは言った。


「平和です。」


「でも、自分で選ぶことがほとんどありません。」


悠真は、オリジンで見た言葉を思い出した。


『次のページを、自分で書いてください。』



---


姉妹レンタルの本当の役割


カナは悠真たちに頼む。


「私たちの地球に、選ぶことを教えてください。」


あかりが驚く。


「選ぶこと?」


「はい。」


「何をするか。」


「誰と話すか。」


「どこへ行くか。」


「何を好きになるか。」


カナは笑った。


「あなたたちがフェリスで学んだことと同じです。」


悠真も笑う。


「なるほど。」


「今度は、地球そのものが『どこへ行きたい?』って聞かれてるんだ。」



---


最初の選択


第三地球の中央広場。


巨大なAIが住民たちに尋ねる。


『本日の予定を選択します。』


いつもなら全員がAIの提案を受け入れる。


しかし今日は違った。


悠真が前に立つ。


「今日は、自分で決めてみませんか?」


最初は誰も動かなかった。


やがて、一人の子どもが手を挙げる。


「……海へ行きたい。」


別の人が言う。


「私は山。」


さらに別の人。


「知らない星の人と話してみたい。」


少しずつ声が増えていく。



---


カナは涙を浮かべながら笑った。


「これが……。」


「自分で選ぶってことなんですね。」


あかりが頷く。


「うん。」


「間違えてもいいんだよ。」



---


その瞬間。


第三地球の空に、巨大な文字が浮かんだ。


『姉妹レンタル――自由選択モードへ移行』


三つの地球が、それぞれ違う道を歩み始める。



---


そして、悠真の端末に新しい通知が届く。


『三つの地球、接続完了。』


その下には、さらに驚くべき文字があった。


『次の候補――第四地球。』


あかりが目を丸くする。


「まだあるの!?」


悠真は苦笑する。


「どうやら、地球って思ったよりたくさんあるみたいだね。」


しかし第四地球の座標には、なぜか一つだけ赤い警告が表示されていた。


『接続禁止。』


そして、その下に謎の一文。


『この地球には、姉妹レンタルという言葉が存在しない。』


悠真たちは顔を見合わせた。

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