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二つの地球

夜空に浮かぶ二つの地球。


悠真たちは、言葉を失っていた。


今いる地球の空に――。


もう一つの地球が浮かんでいる。


あかりが驚いて言った。


「地球って……空から見えるものなの?」


ミナは端末を操作する。


「通常ならありえません。」


「でも、これは幻ではありません。」


画面には、


『異時間軸・地球A』


『現在時間軸・地球B』


と表示されていた。



---


二つの世界


ユイが空を見上げる。


「これが……あなたたちの地球?」


悠真が頷く。


「そう。」


ユイはしばらく眺めていた。


「不思議だね。」


「同じ地球なのに、少し違って見える。」


悠真は笑った。


「たぶん、向こうの人たちも同じことを思ってるよ。」



---


突然。


空から一筋の光が降りてきた。


シュン――!


光は街の中央広場に着地する。


そこから、一人の少年が現れた。


服装は――。


悠真たちが知っている世界のものだった。


少年は周囲を見回して驚く。


「ここは……どこ?」


悠真が近づく。


「君は?」


少年は答えた。


「僕は……ソウタ。」


「地球の姉妹レンタル協会から来ました。」



---


もう一人の依頼人


ソウタは悠真たちを見ると、さらに驚いた。


「まさか……。」


「本当にいたんだ。」


悠真が尋ねる。


「何が?」


ソウタは持っていた端末を見せた。


そこには、悠真たちの写真が表示されていた。


『第二の姉妹――銀河の輪をつないだ旅人』


「僕たちの世界では、あなたたちは伝説になっています。」


あかりが目を丸くする。


「伝説って……。」


悠真は少し照れた。



---


ソウタは続ける。


「でも、僕がここへ来た目的は別です。」


「二つの地球をつなぐと、両方の世界に大きな変化が起きます。」


ミナが尋ねる。


「どんな変化?」


ソウタは首を横に振った。


「まだ分かりません。」


「だから、僕たちは調査する必要があります。」



---


二つの地球をつなぐ理由


ソウタの端末に、新しいデータが届く。


『二つの時間軸が接近中。』


『原因――不明。』


ミナが計算する。


「二つの世界が自然に接近しているわけではありません。」


「何者かが、意図的につないでいます。」


悠真が驚く。


「誰かが?」


その時――。


二つの地球の間に、巨大な光の輪が現れた。


そして通信が入る。


『こちら、地球A。』


『地球Bへ。聞こえていますか?』


ユイが答える。


「こちら地球B。聞こえています。」


少しの沈黙。


そして、


『私たちは、あなたたちと姉妹になりたい。』



---


初めての「地球姉妹」


地球Aと地球B。


同じ名前。


似た文化。


しかし、800年近く異なる歴史を歩んできた二つの世界。


その二つが、初めて直接話をする。


地球Aの代表。


地球Bの代表。


最初は緊張していた。


「そちらでは海がありますか?」


「もちろん。」


「こちらにもあります。」


「では、同じですね。」


「はい。」


小さな会話。


それだけだった。


しかし、その会話から少しずつ笑顔が増えていく。



---


姉妹レンタル


そして二つの世界は、新しい試みを始める。


『地球姉妹プロジェクト』


地球Aから一人。


地球Bから一人。


二人を「姉妹」として交流させる。


最初のペアに選ばれたのは――。


ソウタと、ユイ。


二人は顔を見合わせる。


ソウタが笑う。


「よろしく。」


ユイも笑う。


「こちらこそ。」



---


二人は街を歩いた。


同じ地球なのに、違うものがたくさんある。


建物。


乗り物。


食文化。


言葉の使い方。


そして――。


二つの月。


ソウタは空を見上げた。


「僕の地球には、月は一つしかないんだ。」


ユイが笑う。


「じゃあ、今日は二つ見て帰ってね。」



---


姉妹になった二つの地球


夜になる。


二つの地球を結んでいた光の輪が、ゆっくりと小さくなる。


しかし、完全には消えない。


ミナが確認する。


「接続は安定しました。」


悠真が笑う。


「じゃあ、いつでも会える?」


「はい。」


あかりが嬉しそうに言う。


「二つの地球が、姉妹になったんだね。」


悠真は頷いた。


「うん。」



---


その瞬間。


空に、新しい文字が浮かび上がった。


『姉妹レンタル・新規登録』


『地球A × 地球B』


そしてその下に――。


『次の姉妹候補――銀河外世界』


悠真が驚く。


「銀河外世界?」


ミナが振り返る。


「どうやら、二つの地球の接続をきっかけに、別の世界からも参加希望が届いています。」


あかりが笑う。


「また仲間が増えるね。」


悠真も頷く。


「うん。」


しかし、ソウタの端末には一つだけ、異常な通信が届いていた。


発信元は――。


『地球Aでも地球Bでもない』


そしてメッセージは、たった一言。


『三つ目の地球を探してください。』


悠真たちは顔を見合わせた。


二つの地球の物語が始まったばかりなのに――。


銀河のどこかには、もう一つの地球が存在しているらしい。

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