どこへ行きたい?
オリジンの小さな家。
悠真たちの前に現れた、不思議な扉。
扉には――
『どこへ行きたい?』
とだけ書かれている。
悠真はしばらく考えた。
「行きたい場所を自分で決める……か。」
あかりが周りを見る。
「今までずっと、誰かから呼ばれて旅してきたもんね。」
リナも頷く。
「エルピスから始まって、姉星、リュミエール、セレニア……。」
ユウトが笑う。
「今度は、自分たちで決めてもいいんじゃない?」
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みんなの行きたい場所
悠真が尋ねる。
「じゃあ、一人ずつ言ってみよう。」
最初はリナ。
「私は、まだ一度も行ったことのない海の星へ行きたい!」
カイは、
「僕は、巨大な図書館がある星に行ってみたい。」
ノアムは、
「音楽だけで交流している世界へ行ってみたいです。」
ミナは、
「古代文明が残っている場所を調べたいです。」
あかりは少し考える。
「私は……。」
「普通の観光旅行がしてみたい!」
悠真が笑う。
「それ、いいね。」
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新しい航路
すると、扉の向こうに無数の星が現れた。
それぞれの星に、名前が表示される。
『海の星・マリナ』
『大図書星・アルカ』
『音楽星・メロディア』
『古代遺跡星・グラン』
そして――。
『観光惑星・フェリス』
あかりが目を輝かせる。
「ここ!」
悠真が笑う。
「じゃあ、最初はフェリスにしよう。」
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ところが……
行き先を決めた瞬間。
ブブブブッ!
きずなの船の警報が鳴った。
ミナが計器を見る。
「航路に問題があります。」
「また?」
「今回は違います。」
「何が起きてるの?」
ミナは画面を見て驚いた。
「この星から、通信が来ています。」
画面に表示された名前は――。
『フェリス観光局』
あかりが笑う。
「ちょうどいいじゃん!」
しかし通信を開くと、そこには困った顔をした女性が映った。
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観光惑星のお願い
「こんにちは。」
女性はフェリス観光局の職員、エマと名乗った。
「実は……大変なことが起きています。」
悠真が尋ねる。
「何があったんですか?」
エマは答える。
「観光客が来なくなってしまったんです。」
あかりが驚く。
「観光惑星なのに?」
「はい。」
フェリスには、美しい海、巨大な山、空中庭園など、たくさんの観光地がある。
しかし、最近になって観光客が減少。
今ではほとんど人が来ないという。
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理由
エマが説明する。
「フェリスには、観光客向けの巨大な案内システムがあります。」
「でも、古くなってしまって……。」
ミナが尋ねる。
「故障したんですか?」
「いいえ。」
エマは首を横に振る。
「案内システムが、観光客それぞれに違う道を案内してしまうんです。」
悠真が笑う。
「それなら、面白そうだけど?」
「ところが……。」
エマが画面を見せる。
観光客が案内された場所。
『立入禁止区域』
『誰もいない砂漠』
『海底洞窟』
『未登録地域』
あかりが目を丸くする。
「それ、観光案内じゃないよ!」
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迷子の観光客
エマはお願いした。
「どうか案内システムを直してください。」
悠真たちはフェリスへ向かうことにした。
今度の旅は、世界を救う大冒険ではない。
楽しい観光旅行――のはずだった。
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フェリスへ到着。
青い海。
白い砂浜。
巨大なヤシの木。
空には色とりどりの気球。
あかりが笑顔になる。
「最高!」
しかし――。
一歩進んだ瞬間。
案内ロボットがやって来た。
『おすすめ観光地はこちらです。』
「どこ?」
ロボットが指した先には――。
巨大な洞窟。
あかりが固まる。
「……海じゃないの?」
ロボットは答える。
『こちらが最も人気の観光地です。』
悠真が笑う。
「じゃあ、行ってみようか。」
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洞窟の奥
洞窟の中へ進む。
最初は普通だった。
しかし、奥へ進むほど壁が光り始める。
ミナが調べる。
「この鉱石……。」
ノアムが耳を澄ます。
「何か音がします。」
コーン……。
奥から不思議な音。
さらに進むと、巨大な扉が現れた。
扉には古代文字。
ミナが読む。
『フェリス最初の観光客へ』
あかりが驚く。
「最初の観光客?」
扉が突然開く。
その向こうには――。
誰も知らなかった、フェリス最大の秘密。
そして、案内システムがなぜ「未登録地域」へ人々を案内していたのか、その理由が隠されていた。
悠真が扉の奥を見る。
「……観光旅行のつもりだったんだけどな。」
あかりが笑う。
「やっぱり冒険になっちゃったね。」




