未知の銀河へ
3000年後のリュミエール。
空に突然現れた巨大な扉。
その向こうには、これまで誰も見たことのない銀河が広がっていた。
悠真は窓の外を見ながら言った。
「これが……銀河の外?」
ユウトが頷く。
「僕たちの時代の記録には、この場所はありません。」
ミナが分析する。
「空間構造そのものが、現在の銀河と違います。」
あかりが少し驚いた顔をする。
「じゃあ、セレニアは本当にここに?」
ミナは画面を見る。
『微弱な生命反応――確認。』
「はい。」
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銀河の外側
きずなの船が巨大な扉をくぐる。
シュン――。
すると、船内の計器が一斉に動き始めた。
ピピッ!
ミナが驚く。
「すごい……。」
「この銀河には、独自の通信ネットワークがあります。」
その瞬間。
船の前方に無数の光が現れた。
それは星ではない。
巨大な宇宙船だった。
しかも、すべて同じ形をしている。
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グレンから通信が入る。
「きずなの船、停止してください。」
悠真が尋ねる。
「何か見つけた?」
「前方の船団から通信です。」
画面に文字が表示される。
『こちら、銀河境界警備隊。』
『この先は、許可なく進入できません。』
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謎の警備隊
悠真が説明する。
「僕たちはセレニアを探しています。」
しばらく沈黙。
やがて返事が来た。
『セレニアという名前を、どこで知りましたか?』
「3000年前の記録からです。」
すると、通信の向こうがざわついた。
『3000年前……?』
『そんなに昔から探しているのか?』
悠真が答える。
「正確には、今から3000年前の記録です。」
警備隊の隊長が言った。
「それなら、あなたたちはセレニアを知らないはずだ。」
「え?」
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隊長が続ける。
「セレニアは、この銀河に来てから一度も外部と接触していません。」
「じゃあ、どうして僕たちにSOSを送ったんですか?」
「それが分からないから、私たちも調査しているのです。」
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セレニアの秘密
警備隊の案内で、近くの観測基地へ向かう。
そこには、この銀河の地図があった。
セレニアの位置には、赤い印がついている。
しかし――。
その周囲には、巨大な空白がある。
ミナが尋ねる。
「この空白は?」
隊長が答える。
「誰も入れない領域です。」
「なぜ?」
「時間の流れが不安定だからです。」
悠真が驚く。
「時間が?」
「はい。」
「近づくほど、船の時間がずれていきます。」
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あかりが言う。
「だから、普通の宇宙船では行けなかったんだ。」
ユウトが古い時計を取り出す。
それは、リュミエールで見つかったものと同じだった。
「僕たちは、この時計がセレニアへの鍵だと思っています。」
ミナが時計を見る。
「なるほど……。」
「時間航路を使えば、この領域を通過できる可能性があります。」
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時間の海
きずなの船が再び出発する。
前方に、巨大な銀色の空間が広がる。
星もない。
光もない。
ただ、時間そのものが波のように揺れている。
ザァァァ……。
悠真がつぶやく。
「海みたい。」
ノアムが言う。
「でも、普通の海ではありません。」
時計が反応する。
カチ……。
カチ……。
針が逆方向に回り始めた。
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すると、船の窓の外に奇妙な光景が現れた。
過去の景色。
未来の景色。
知らない時代の宇宙船。
そして――。
一瞬だけ、アリアとミナの姿が見えた。
あかりが叫ぶ。
「アリア!」
しかし二人の姿はすぐに消えた。
悠真は時計を見る。
「今のは……記録?」
ミナが答える。
「いいえ。」
「実際に存在する時間の断片です。」
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セレニア
やがて時間の海を抜ける。
その先に――。
一つの惑星が現れた。
銀色の雲に包まれた、美しい星。
ミナが確認する。
「生命反応、確認。」
ユウトが息をのむ。
「セレニア……。」
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船が星へ近づく。
すると、突然通信が入った。
『こちらセレニア。』
悠真が通信を開く。
「僕たちは――。」
しかし相手は、悠真の言葉を遮った。
『知っています。』
「え?」
『あなたたちが来ることは、3000年前から分かっていました。』
船内が静まり返る。
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そして、セレニアから一つの映像が送られてくる。
そこには――。
一万年前のアリアとミナ。
3000年前のユウト。
そして現在の悠真とあかり。
三つの時代の「姉妹」が、一本の線でつながっていた。
最後に映像の人物が言う。
『あなたたちの旅は、私たちが始めたものではありません。』
『もっと前から、誰かが続けてきたものです。』
画面に、未知の星が一つ表示される。
その名前は――。
『オリジン』
ミナが驚く。
「オリジン……?」
セレニアから最後の通信が届く。
『すべての「姉妹」が始まった場所です。』
『そこへ行けば、あなたたちがなぜ選ばれたのか分かります。』
悠真は窓の外を見る。
未知の銀河。
そのさらに先にある、始まりの星。
オリジン。
しかし、セレニアの人々は続けて言った。
『ただし――。』
『オリジンへ行くには、一つだけ条件があります。』
「条件?」
『あなたたち自身が、「姉妹とは何か」を答えなければなりません。』
悠真たちは顔を見合わせた。
次の旅は、宇宙を進むだけではない。
自分たちが歩いてきた旅そのものを振り返る旅になろうとしていた。




