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消えない約束

最終選択まで、あと三日。


「選ばれなかった契約者は、対象者との思い出を失います。」


その通知を見たさくらとひまりは、しばらく何も話せなかった。


「そんなこと……聞いてないよ。」


さくらが震える声で言う。


ひまりは通知を閉じ、小さくつぶやいた。


「……だから今まで、契約が終わった人たちは。」


二人は、契約が思っていた以上に残酷なものだと知った。



---


翌日。


悠真は四人で思い出を作ろうと提案した。


「遊園地に行こう!」


「最後まで、みんなで笑っていたいから。」


さくらはいつもの笑顔を見せる。


「うん、行こう!」


ひまりも小さくうなずいた。


「……楽しそう。」


美咲も笑顔で加わり、四人は遊園地へ向かった。


ジェットコースターでは、さくらが大はしゃぎ。


「きゃー! もう一回乗りたい!」


一方、ひまりは観覧車のほうが好きらしい。


「高いところから景色を見ると、落ち着く。」


悠真はそんな三人を見て、自然と笑みがこぼれた。


「こんな毎日が、ずっと続けばいいのにな。」



---


夕暮れ。


四人は観覧車に乗った。


偶然にも、悠真とひまり、さくらと美咲の二組に分かれることになった。


ゴンドラの中で、ひまりは窓の外を見つめながら言う。


「悠真。」


「ん?」


「……もし契約が終わっても。」


「私は、あなたに会えたことを後悔しない。」


悠真は少し驚きながら微笑んだ。


「俺もだよ。」


「君たちに出会えて、本当によかった。」


ひまりは目を閉じ、静かにその言葉を胸に刻んだ。



---


その頃、別のゴンドラでは——。


美咲がさくらに尋ねる。


「ねえ、さくらさん。」


「私、ずっと気になってた。」


「あなたたち、本当にただの家族なの?」


さくらは少し考え、優しく笑った。


「今は、それしか言えないの。」


契約のルールは最後まで守らなければならない。


でも心の中では、こう願っていた。


(どうか、最後はみんなが幸せになれますように。)



---


遊園地からの帰り道。


悠真のスマートフォンに、見覚えのない番号からメッセージが届く。


> 『最終選択のご案内。明日18時、「姉妹レンタル」本部へお越しください。すべての真実をお話しします。』




悠真は画面を見つめた。


「……明日で、全部終わるのか。」


夏の終わりを告げる風が、静かに四人の間を吹き抜けていった。

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