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立ちはだかる銀河船団

エルピス・ノアへ向かう途中。


きずなの船の前に現れた巨大な宇宙船。


その数は――一隻ではなかった。


一隻。


二隻。


十隻。


やがて、無数の船が宇宙空間に並んだ。


画面に表示される。


『銀河監視船団』


悠真が驚く。


「こんなにたくさん……。」


ミナが船団を分析する。


「かなり古い船ですが、装備は最新です。」


ノアムが静かに言った。


「なぜ姉星を監視しているのでしょう?」



---


船団からの通信


巨大な船から、再び通信が入る。


「こちらは銀河監視船団の代表、グレン。」


画面に、落ち着いた雰囲気の男性が映った。


グレンは言う。


「エルピス・ノアへの接近を中止してください。」


悠真が尋ねる。


「どうして?」


「危険だからです。」


「姉星は今、どうなっているんですか?」


グレンは少し黙る。


そして答えた。


「……私たちにも分かりません。」


「分からない?」


「だから監視しているのです。」



---


グレンによると、数百年前。


エルピス・ノアで大規模なエネルギー事故が発生した。


その直後、星全体から強い通信障害が発生。


周囲の宇宙船も近づけなくなった。


それ以来、監視船団が星の周囲を調べているという。


「しかし、星に住んでいる人々がいることは確認されています。」


あかりが言った。


「だったら、助けに行かないと。」


グレンは首を横に振る。


「それができないのです。」



---


誰も入れない星


グレンが画面を切り替える。


姉星の周囲には、巨大な青白い雲が渦巻いていた。


「この現象の中に入ると、通信も航行システムも使えなくなります。」


「私たちは何度も試しました。」


「しかし、戻ってこられた船はありません。」


船内が静かになる。


レンが小さく言う。


「じゃあ、カイたちは……。」


グレンが答える。


「だからこそ、外部からの接近を禁止しているのです。」



---


悠真はしばらく考えた。


「分かりました。」


グレンが少し驚く。


「では、帰ってくれるのですか?」


悠真は首を横に振る。


「いいえ。」


「行き方を変えます。」



---


七つの世界の知恵


ミナが立ち上がった。


「普通の航行システムでは、あの雲を通れない。」


「でも、私たちには七つの世界の技術があります。」


ノアムが頷く。


「通信が使えないなら、音を使えばいい。」


ネオラの代表が言う。


「航路が見えないなら、星光で道を作れる。」


アステリアの代表。


「植物の感知能力を利用すれば、危険な領域を避けられるかもしれません。」


ネアの代表。


「古代航路の技術も使えます。」


ミラージュ。


「船を軽くすれば、雲の流れに乗れる。」


月。


「そして私たちは全体を制御する。」


最後に地球。


「みんなでやればいい。」



---


グレンは黙って聞いていた。


そして、少し笑った。


「なるほど。」


「それが、あなたたちの『姉妹の輪』ですか。」


悠真が頷く。


「そうです。」


グレンは船団へ命令する。


「全船、航路を開け。」


船団がゆっくり左右へ移動する。


「私たちも外側から支援します。」



---


姉星へ


きずなの船が加速する。


ゴォォォォン!


前方に巨大な青白い雲。


船が中へ入る。


ザァァァ……。


画面が真っ暗になる。


通信――停止。


航行システム――停止。


レーダー――停止。


ひかるが不安そうに言う。


「何も見えない……。」


ノアムが目を閉じる。


「大丈夫。」


「音は聞こえます。」


ポーン……。


遠くから小さな音。


ノアムが言う。


「右です。」


悠真が船を右へ。


すると、青白い雲の切れ目が現れる。



---


今度は星光。


ネオラの技術が作った小さな光が、前方へ伸びる。


一つ。


二つ。


三つ。


光の道ができていく。


「進めます!」


ミナが叫ぶ。



---


そして最後。


植物センサーが反応した。


「前方に危険な領域があります!」


船が少し左へ。


すると、巨大なエネルギーの渦が横切っていく。


危険を避けることに成功した。



---


やがて――。


雲を抜ける。


全員が窓の外を見る。


そこには、美しい惑星があった。


エルピス・ノア。



---


姉星の「みんなの家」


きずなの船が着陸する。


カイが待っていた。


「本当に来てくれたんだ!」


リナが駆け寄る。


「カイ!」


二人は嬉しそうに笑う。


そしてカイの後ろには、たくさんの人々がいた。


数百年ぶりに、エルピスとエルピス・ノアの人々が直接顔を合わせる。



---


カイが案内する。


「これが僕たちの『みんなの家』です。」


建物は少し古い。


でも、中央には大きな「姉妹の鏡」が残っていた。


リナが近づく。


「ここから、ずっとSOSを送っていたんだね。」


カイが頷く。


「うん。」



---


その時。


姉妹の鏡が突然輝いた。


シュンッ!


画面に、一つの古い映像が現れる。


アリアとミナだった。


二人が話す。


「もし、この星にもう一度姉妹が訪れる日が来たら――。」


映像が途切れる。


そして新しい文字が表示された。


『次の目的地――未登録星域。』


悠真が目を丸くする。


「まだ先があるの?」


ミナが解析する。


「はい。」


「しかも……この座標。」


彼女の表情が変わる。


「銀河監視船団の記録にも存在しない場所です。」


グレンから通信が入る。


『……その座標を、どこで見つけた?』


悠真たちは顔を見合わせる。


どうやら次の旅は、銀河監視船団さえ知らない場所へ向かうことになりそうだった。

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