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アリアとミナの贈り物

ハルモニアの巨大な施設。


その中央に現れた、二人のホログラム。


アリアとミナ。


数千年前、「最初の姉妹」と呼ばれた二人だった。


悠真は驚きながら尋ねる。


「二人は、どうしてここに残っているんですか?」


アリアが微笑む。


「私たちは、ここで最後の仕事をしていました。」


ミナが続ける。


「未来の人たちへ、姉妹の輪を渡す仕事です。」



---


最初の約束


施設の壁に、数千年前の映像が次々と映し出された。


アリアとミナは、いろいろな星を訪れていた。


ある星では、一緒に料理を作った。


別の星では、子どもたちと遊んだ。


また別の星では、異なる言葉を翻訳しながら会話をした。


そのたびに二人は、同じ言葉を伝えていた。


「違っていても、一緒にいられる。」



---


あかりが映像を見ながら言う。


「二人は、ずっと旅をしていたんだね。」


ミナが頷く。


「はい。」


「でも、旅には終わりがあります。」


アリアが続ける。


「だから私たちは、旅を終える前に、仕組みを残すことにしました。」


その仕組みこそ――。


『姉妹の輪』


だった。



---


最後のメッセージ


施設の奥に、一つの扉が現れた。


アリアが言う。


「この先に、私たちが最後に作ったものがあります。」


悠真たちが扉を開ける。


そこには巨大な装置があった。


円形の装置の中央には、たくさんの小さな光。


それぞれが、遠い星を表している。


ミナが説明する。


「これは『銀河の輪』です。」


「これを使えば、遠く離れた世界同士が、互いの存在を知ることができます。」


ミナが続ける。


「でも、一つだけ問題があります。」



---


「何?」


悠真が尋ねる。


アリアが答える。


「この装置は、誰か一人では動かせません。」


「たくさんの人が、自分の意思で手をつなぐ必要があります。」


ノアムが静かに笑う。


「私たちがやってきたことと同じですね。」



---


七つの世界、そして新しい仲間


七つの世界の代表が、それぞれ装置の前に立つ。


悠真とあかり。


カナ。


ルナ。


アオラ。


リラ。


ソラ。


ノアム。


そして――。


レン。


最後に、フィオナ。


アリアが言う。


「さあ。」


「未来へ渡してください。」


全員が装置に手を置く。


ピィィィン……。


七つ。


八つ。


九つ。


次々と光が増えていく。



---


最初は小さな光だった。


しかし、次第にその数が増える。


十。


百。


千。


そして――。


数え切れないほどの星が、ハルモニアの空に浮かび上がった。


地球から始まったつながり。


月。


アステリア。


ネオラ。


ネア。


ミラージュ。


ノクタ。


第六の世界。


そして、まだ出会っていない無数の世界。



---


あかりが空を見上げる。


「すごい……。」


悠真も笑う。


「こんなにたくさんの世界があるんだ。」


すると、アリアとミナの姿が少しずつ薄くなっていく。


「待って!」


リラが叫ぶ。


「二人は消えちゃうの?」


ミナが優しく笑う。


「私たちは消えるんじゃありません。」


「役目を終えるだけです。」


アリアが続ける。


「これからは、あなたたちが続きを作ってください。」



---


そして、アリアが最後に言った。


「姉妹とは、血のつながりだけではありません。」


「相手を知ろうとする気持ち。」


「一緒に過ごした時間。」


「そして、離れていても相手を大切に思う気持ち。」


「それが、私たちの考える『姉妹』です。」


二人の姿が光になる。


そして――。


キラッ。


ハルモニアの空へ消えていった。



---


新しい始まり


悠真たちは静かに空を見上げていた。


しばらく誰も話さなかった。


やがて、レンが言う。


「……終わったのかな?」


悠真は首を振る。


「いや。」


「たぶん、ここから始まるんだ。」


あかりが笑う。


「うん。」



---


その時、ハルモニアの施設に新しい表示が現れた。


『銀河の輪――起動完了』


さらにその下に、


『接続可能世界――無数』


と表示される。


ひかるが目を輝かせる。


「じゃあ、これから全部の世界と話せるの?」


ミナが答える。


「可能性はあります。」


悠真が笑う。


「でも、急がなくていい。」


「一つずつでいいんだ。」



---


そしてハルモニアの外。


宇宙の彼方で、一つの小さな星が光った。


まだ誰も知らない世界。


そこから、一通の通信が届く。


『こちらは惑星エルピス。』


『あなたたちは、誰ですか?』


悠真たちは顔を見合わせる。


そして――。


あかりが通信ボタンを押した。


「こんにちは。」


新しい世界との、新しい出会い。


「姉妹レンタル」の物語は、まだまだ続いていく。

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