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ハルモニアへの最後のゲート

ハルモニア航路の閉鎖まで、残り72時間。


「急がないと!」


悠真が操縦桿を握る。


きずなの船は、次々と古代ゲートを通過していく。


第一ゲート――通過。


第二ゲート――通過。


第三ゲート――通過。


しかし、三つ目のゲートを抜けたところで、船が大きく揺れた。


「わっ!」


ひかるが座席につかまる。


ミナが計器を確認する。


「航路の一部が壊れています!」


「このまま進めないの?」


「進めます。ただし、通常の航路ではありません。」



---


失われた道


前方に、三本の光の道が現れた。


ミナが説明する。


「このうち一本だけがハルモニアにつながっています。」


ソラが尋ねる。


「どれが正しいの?」


「分かりません。」


三本の道には、番号すらない。


するとレンが写真を取り出した。


「待って。」


写真の裏には、古い文字があった。


『三つの道が現れた時、音を聞け。』


ノアムが反応する。


「音……?」


彼は静かに目を閉じる。


三本の航路から、それぞれ違う音が聞こえてくる。


一つ目。


ゴォォォ……


二つ目。


キィィィ……


三つ目。


ポーン……


ノアムが顔を上げた。


「三つ目。」


「この音だけ、私たちのノクタの古い通信音と同じです。」


悠真が頷く。


「じゃあ、三つ目に行こう!」



---


失われた記憶


きずなの船が三つ目の光へ入る。


すると、船内のスクリーンに突然、古い映像が映し出された。


アリアとミナだった。


二人は、ハルモニアに向かう船の中にいる。


アリアが話す。


「いつか、私たちがいなくなっても――。」


ミナが続ける。


「誰かが、この旅を続けてくれるといいね。」


そして二人は笑う。


映像の最後に、アリアが言った。


「姉妹の輪は、二人だけのものじゃない。」


「次の誰かへ渡すものだから。」


映像が消える。


あかりが静かに言った。


「ずっと昔から、同じことを考えてたんだね。」



---


最後のゲート


残り時間は、あと48時間。


前方に最後のゲートが現れた。


しかし、そのゲートは完全に閉じている。


セインが古代装置を調べる。


「このゲートは、普通のエネルギーでは開きません。」


「何が必要?」


「七つの世界の信号です。」


七人の代表が、それぞれの通信装置を起動する。


地球。


月。


アステリア。


ネオラ。


ネア。


ミラージュ。


ノクタ。


七つの信号がゲートへ集まっていく。


だが、まだ足りない。


「どうして?」


ミナが首をかしげる。


その時、レンが前に出た。


「僕の信号も使ってください。」


「でも、レンの世界は?」


「分からない。」


レンは笑った。


「だからこそ、これから仲間になる世界の信号として使えばいい。」


悠真が笑った。


「それ、いい考えだ。」


レンの通信装置が起動する。


ピィィィン――。


八つ目の光が加わった。


すると――。


ゴゴゴゴゴ……!


巨大なゲートがゆっくり開き始めた。



---


ハルモニア


ゲートの向こう側。


そこには、巨大な星が浮かんでいた。


青でもない。


緑でもない。


七色の光をまとった美しい星。


ミナが震える声で言う。


「ハルモニアです。」


全員が窓の外を見る。


その星の周囲には、無数の小さな施設が浮かんでいた。


そして、その中央に――。


巨大な建物。


入口には、古代文字でこう書かれている。


『最初の宇宙家族』


悠真は息をのむ。


「本当に残ってた……。」



---


きずなの船が、ハルモニアの地表へ降りていく。


すると、地面に七つの光が灯った。


地球。


月。


アステリア。


ネオラ。


ネア。


ミラージュ。


ノクタ。


そして――。


八つ目の光。


レン。


扉が開く。


中は静まり返っていた。


誰もいない。


フィオナが周囲を見る。


「アリアとミナは……?」


悠真たちが奥へ進む。


すると、一番奥に二つの椅子が置かれていた。


その椅子の上には、古いメッセージがある。


『ここまで来てくれて、ありがとう。』


あかりが驚く。


「じゃあ……二人はどこに?」


その瞬間。


部屋の中央に、二つの人影が浮かび上がった。


一人は青い服。


もう一人は白い服。


写真で見た二人と同じ姿。


アリアとミナ。



---


アリアが微笑む。


「ようやく会えましたね。」


悠真は言葉を失う。


数千年前の「最初の姉妹」が――。


今、目の前にいた。


しかし二人は、肉体を持っているようには見えない。


ホログラムだった。


ミナが言う。


「私たちは、もうこの星にはいません。」


「でも、いつか誰かがここまで来ると信じていました。」


アリアが続ける。


「そして、その誰かが――。」


二人は全員を見る。


「あなたたちだったんですね。」


その瞬間、ハルモニア全体に明かりが灯った。


数千年間眠っていた「最初の宇宙家族」が、ついに再び動き始めた。

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