最初の姉妹たち
銀河中央の施設に映し出された、古い写真。
そこには、何人もの人々が並んでいた。
地球人に似た人。
アステリアの人々に似た姿。
ネオラの住民。
そして、今では誰も知らない姿の人々。
写真の下には、古い文字でこう書かれている。
『第一回・宇宙姉妹交流会』
悠真が驚く。
「これが……本当の最初?」
ミナがデータを調べる。
「記録上では、数千年前です。」
「数千年!?」
あかりが目を丸くする。
---
すると、写真の中央にいた二人の少女が拡大された。
一人は青い服。
もう一人は白い服。
二人は肩を並べて笑っている。
その下に名前が表示される。
アリア
ミナ
そして、その二人の間には小さな文字があった。
『最初の姉妹』
---
「姉妹って、本当の姉妹だったのかな?」
ひかるが尋ねる。
しかし、古い記録を読むと違っていた。
二人は別々の星に住んでいた。
アリアは惑星セレス。
ミナは惑星オルタ。
二つの星は、とても遠く離れていた。
それでも二人は、通信を通じて友達になった。
そして――。
『一日だけ、お互いの星の姉妹になってみよう』
という計画が始まった。
それが、最初の「姉妹レンタル」だった。
---
アリアはセレスの町を紹介した。
青い海。
白い山。
空を飛ぶ乗り物。
一方、ミナはオルタの町を紹介した。
巨大な森。
光る川。
空中に浮かぶ庭園。
二人は互いの世界を知っていった。
そして交流会の最後。
アリアが言った。
「私たちは違う星に住んでいるけど、今日だけは姉妹みたいだね。」
ミナが答える。
「今日だけじゃなくてもいいよ。」
---
あかりが写真を見ながら微笑む。
「この二人が、今の姉妹レンタルにつながってるんだ。」
悠真も頷く。
「そう考えると、すごいね。」
しかし――。
記録には、その後の出来事が残っていなかった。
「二人はどうなったんだろう?」
リラが疑問を口にする。
「続きの記録がないんです。」
---
すると銀河中央の施設が反応した。
ピコン。
画面に一つのメッセージが現れる。
『アリアとミナの記録を探していますか?』
悠真が答える。
「はい。」
『ならば、セレスへ向かってください。』
「セレス?」
『最初の姉妹が暮らした星です。』
---
地図が表示される。
セレスは、現在の銀河群ネットワークには登録されていない。
通信もない。
しかし、古い航路だけが残っていた。
フィオナが言う。
「これは、私たちの第六の世界よりも古い航路です。」
ノアムも静かに言う。
「ならば、私たちも協力します。」
七つの世界が、再び一つになる。
---
数日後。
古い航路の入口に、巨大なゲートが現れた。
悠真たちが進むと――。
目の前に、美しい青い惑星が現れる。
セレス。
しかし、そこには都市が見えない。
ただ、広大な森と海だけが広がっている。
「誰もいないのかな?」
あかりが心配そうに言う。
すると――。
ポーン……。
遠くから、ノクタのような不思議な音が響いた。
そして森の中に、小さな灯りがともる。
一つ。
二つ。
三つ。
まるで誰かが、
「ここにいるよ」
と伝えているようだった。
---
森の奥へ進むと、古い建物が見つかった。
入口には、数千年前の文字。
ミナが翻訳する。
『姉妹の家』
扉を開ける。
中には、古い写真が何百枚も保存されていた。
アリアとミナ。
二人が笑っている写真。
二人が一緒に料理を作っている写真。
そして――。
最後の一枚。
二人が、大きな木の前に立っている。
その写真の裏には、一文だけ残されていた。
『私たちが最初に作ったものを、未来の姉妹たちへ。』
悠真が周囲を見る。
「最初に作ったものって……何だろう?」
その瞬間。
建物の奥から、低い音が響いた。
ゴォォォン……。
壁が開く。
そこには、巨大な装置があった。
そして装置の中央に、二つの名前が浮かび上がる。
アリア
ミナ
その下には――。
『姉妹の輪・原型』
と表示されていた。
どうやら二人は、最初の交流会のあと、さらに大きな仕組みを作っていたらしい。
その秘密が、今まさに明らかになろうとしていた。




