未来からの姉妹
「未来から来た……?」
悠真たちは、銀河中央の施設に表示されたメッセージを見つめていた。
画面には、まだ相手の姿は映っていない。
ただ、静かな声だけが聞こえる。
『私たちは、あなたたちの記録をずっと見ていました。』
あかりが尋ねる。
「どうして、私たちのことを知っているの?」
少し間があって、返事が届いた。
『あなたたちが作った「みんなの家」が、未来まで残っているからです。』
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ミナが急いで調べる。
「時間通信のように見えますが、正確には違います。」
「どういうこと?」
「未来から直接こちらへ通信しているというより……未来に残る情報が、こちらへ逆向きに届いているんです。」
ひかるが首をかしげる。
「つまり?」
「未来の記録が、昔の通信装置を通って戻ってきている……ということです。」
悠真は驚いた。
「じゃあ、未来の人たちは今、僕たちの行動を知っているんだ。」
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その時、画面に初めて未来の人物が映った。
銀色の髪をした少女だった。
「私は、ユナ。」
「未来の『みんなの家』で働いています。」
あかりが手を振る。
「こんにちは、ユナ!」
ユナも笑った。
「こんにちは。」
そして、ユナの後ろにある景色が映し出される。
そこには――。
巨大な建物。
地球人。
アステリアの人々。
ネオラの人々。
ネアの人々。
ミラージュの人々。
ノクタの人々。
そして、まだ知らないたくさんの星の人々。
みんなが同じ場所で過ごしていた。
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「これが……未来の『みんなの家』?」
悠真が尋ねる。
「はい。」
ユナが答える。
「あなたたちが始めた交流は、何百年も続きました。」
「たくさんの星が仲間になりました。」
「でも、一番大切なのは――。」
ユナが笑う。
「最初に『無理に仲良くしなくていい』と決めたことです。」
あかりが嬉しそうに笑った。
「覚えてくれてるんだ。」
「はい。」
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しかし、ユナの表情が少し曇る。
「ただ、一つ問題があります。」
悠真が尋ねる。
「何?」
ユナが答える。
「未来の『みんなの家』が、もうすぐ閉鎖されるかもしれないんです。」
全員が驚いた。
「どうして?」
「新しい星々との交流が増えすぎて、古いネットワークが限界に近づいています。」
「もし停止したら――。」
「何千もの星との通信が失われます。」
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悠真たちは顔を見合わせる。
あかりが言った。
「だったら、未来の人たちも一緒に考えよう。」
ユナが驚く。
「え?」
「私たちだけで解決するんじゃなくて。」
「地球、月、アステリア、ネオラ、ネア、ミラージュ、ノクタ。」
「そして未来の『みんなの家』。」
「全部で考えよう。」
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七つの世界から、次々と意見が出る。
月は通信技術。
ネオラは星の光。
ノクタは音による通信。
アステリアは「みんなの輪」。
ネアは古い航路の技術。
ミラージュは浮遊都市のネットワーク。
地球は――。
悠真が言う。
「全部を一つにするんじゃなくて、つながりたい場所同士をつなぐ仕組みにすればいい。」
ミナが目を輝かせる。
「それならネットワークの負担を大きく減らせます!」
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みんなで新しい設計図を作る。
名前は――。
『銀河みんなの輪』
一つの巨大な中心にすべてを集めるのではなく、無数の小さな「みんなの家」が互いに支え合う。
一つが止まっても、別の場所が助ける。
まるで本物の輪のような仕組みだ。
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未来のユナが笑う。
「これなら……未来でも使えます。」
悠真が答える。
「じゃあ、未来の人たちに渡して。」
「僕たちからのプレゼント。」
ユナは両手を胸に当てる。
「ありがとうございます。」
「未来の私たちも、きっと大切にします。」
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通信が終わる直前。
ユナが最後に言った。
「悠真さん。」
「何?」
「未来で、あなたたちのことはこう呼ばれています。」
画面に文字が浮かぶ。
『最初の七つの家』
そして――。
『宇宙に、最初の輪を作った人々』
悠真は少し照れながら笑った。
「なんだか、すごい名前になっちゃったね。」
あかりも笑う。
「でも、私たちはまだ途中だよ。」
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通信が終了する。
銀河中央の施設には、新しい表示が残っていた。
『未来との接続――成功』
しかし、そのすぐ下に、さらに小さな文字が現れる。
『次の接続予定――過去。』
「過去……?」
悠真たちは驚く。
未来だけではない。
今度は、まだ誰も知らない過去の世界から通信が届こうとしていた。
そして画面には、古い一枚の写真が映し出される。
そこに写っていたのは――。
まだ誰も見たことのない、最初の姉妹レンタル参加者たちだった。




