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最初の宇宙家族

銀河群ネットワークの外側から現れた謎の施設。


その名前は――。


『最初の宇宙家族』


悠真たちは、古い映像を食い入るように見つめていた。


「これが……姉妹レンタルの始まりなの?」


あかりが尋ねる。


ミナは首を横に振った。


「まだ分かりません。」


「でも、この施設は今まで確認されたどの施設よりも古いです。」



---


映像には、一人の人物が映っていた。


その人物は地球人に似ている。


しかし、服装は見たことのないものだった。


人物はカメラに向かって話す。


『私たちは、銀河の違う場所で生まれました。』


『姿も、言葉も、暮らしも違います。』


『それでも、ひとつだけ同じものがあります。』


映像が一瞬止まる。


そして――。


『誰かと話したい、という気持ちです。』



---


悠真がつぶやく。


「これ……。」


あかりが続ける。


「今の私たちと同じだね。」


映像は続く。


『そこで私たちは、銀河を越えて人々をつなぐ施設を作りました。』


『それが、「最初の宇宙家族」です。』



---


ところが、次の映像には驚くべき事実が記録されていた。


当時、最初の交流会には――。


地球。


月。


アステリア。


ネオラ。


ネア。


ミラージュ。


そしてノクタ。


これまで悠真たちがつないできた世界の名前が、すべて記録されていた。


「えっ……?」


ひかるが驚く。


「じゃあ、昔からつながっていたの?」


ミナが答える。


「そうみたいです。」


しかし、記録には続きがあった。



---


『最初の交流会は成功した。』


『しかし、問題が発生した。』


画面が暗くなる。


『参加した人々が、自分たちの違いを恐れ始めた。』


ある星の人々は、別の星の人々を理解できなかった。


誤解が生まれた。


交流は中断された。


そして施設は閉鎖された。



---


ノアムが静かに言った。


「だから、私たちの星は外との交流をやめたんですね。」


ルナも頷く。


「アステリアにも、その影響が残っていたのかもしれません。」


ネオラのアオラも言う。


「私たちも、昔は他の町との交流が減っていました。」


悠真は映像を見つめる。


「じゃあ、僕たちが今やっていることは――。」


あかりが答える。


「昔、できなかったことをもう一度やっているんだよ。」



---


すると、施設の古いシステムが突然起動した。


ピピッ。


画面に新しい文字が表示される。


『再起動条件を確認。』


『七つの世界が接続されています。』


地球。


月。


アステリア。


ネオラ。


ネア。


ミラージュ。


ノクタ。


七つの世界が光る。


『条件達成。』


悠真が驚く。


「七つの世界……。」


「それって、僕たちのこと?」


「はい。」


ミナが答える。



---


そして、施設の奥にある巨大な扉が開いた。


中には、一つの部屋。


中央には丸いテーブル。


その周囲に、七つの席がある。


それぞれの席には、七つの世界の名前。


しかし、中央の席だけは空いていた。


そこには、


『未来の世界』


と書かれている。


あかりが言う。


「未来の世界……?」



---


すると施設から声が響いた。


『最初の宇宙家族へようこそ。』


『あなたたちは、過去の失敗を知りました。』


『だから、次の選択をしてください。』


目の前に二つのボタンが現れる。


一つは――。


『すべての世界を接続する』


もう一つは――。


『今のつながりを守る』


全員が黙る。


「どうする?」


悠真がみんなを見る。


ルナ。


アオラ。


ソラ。


ノアム。


フィオナ。


そして地球の仲間たち。


誰もすぐには答えなかった。



---


やがて、リラが言った。


「私は、全部つなげることには賛成。」


「でも、無理やりつなげるのは嫌です。」


あかりも頷く。


「私も同じ。」


「つながりたい人が、自分で扉を開けることが大切なんだと思う。」


悠真が笑った。


「じゃあ、第三の選択肢を作ろう。」


ミナが驚く。


「第三の選択肢?」


「うん。」


悠真は中央の空席を見る。


「『待つ』。」


「つながりたい世界が自分から来た時に、その扉を開く。」



---


その瞬間。


ピコン。


画面に第三のボタンが現れた。


『未来の世界を待つ』


七つの世界の代表が、それぞれボタンに手を置く。


そして――。


カチッ。


七つの光が中央へ集まる。


空いていた席が、ゆっくりと輝き始めた。



---


すると遠い宇宙から、かすかな通信が届く。


『こちらは――。』


一度、途切れる。


そしてもう一度。


『あなたたちの未来から来ました。』


全員が驚く。


未来?


時間を越えて通信しているというのか。


画面に、まだ姿の見えない誰かから最後のメッセージが表示された。


『私たちは、あなたたちが作った「みんなの家」で暮らしています。』


『ありがとう。』


悠真は目を見開いた。


「未来の世界……。」


銀河を越えただけではない。


今度は、時間さえ越えた交流が始まろうとしていた。

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