銀河の外へ
ネアの観測塔に残されていた、古い航路。
その先に表示された言葉は――。
『第六の世界』
悠真たちは、しばらく画面を見つめていた。
「銀河の外に、本当に世界があるのかな……。」
あかりがつぶやく。
ミナが古いデータを調べる。
「記録によれば、この航路は数百年前に使われています。」
「でも、最後まで到達した記録はありません。」
ひかるが驚く。
「じゃあ、誰がこの航路を作ったの?」
「それが分からないんです。」
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ネアの町では、大勢の人が観測塔に集まっていた。
リラもその中にいる。
「行くんですか?」
悠真は少し考えて答えた。
「まだ決めてないよ。」
「遠い場所だし、まずは安全に調べないといけないから。」
リラはうなずく。
「それなら、私も調査に参加したいです。」
「ネアのことを知るためにも。」
セインも笑う。
「私たちも協力します。」
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地球、月、アステリア、ネオラ、ネア。
五つの星が協力して、古い航路の調査が始まった。
月面基地は航路の安全性を調べる。
ネオラは星の光を使って航路の信号を解析する。
アステリアは「みんなの輪」の通信技術を提供する。
地球は古い記録を調査する。
そしてネアは、航路そのものを管理する。
少しずつ、謎が解けていく。
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三日後。
ミナが大声を上げた。
「分かりました!」
全員が振り向く。
「この航路は、普通の宇宙船用ではありません。」
「じゃあ何?」
ミナは画面を指差す。
「通信のための航路です。」
悠真が驚く。
「通信?」
「はい。」
「銀河の外側にある誰かと、直接話すための道なんです。」
あかりが目を輝かせる。
「じゃあ、行かなくても話せるの?」
「理論上は――。」
ミナが操作する。
「できます。」
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五つの星が、それぞれ通信装置を起動する。
地球。
月。
アステリア。
ネオラ。
ネア。
五つの光が一つに集まり、古い航路へ送られる。
しばらく何も起こらなかった。
そして――。
ピィィィン……。
画面に、新しい星空が映った。
銀河の外側。
そこには、巨大な青い星が一つ浮かんでいた。
その星から通信が入る。
『こちら、第六の世界。』
全員が息をのむ。
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画面に、一人の少女が映った。
地球人に少し似ている。
しかし、瞳には淡い光が宿っていた。
少女は緊張した様子で話す。
「あなたたちが、古い『みんなの家』を再び開いた人たちですか?」
悠真が答える。
「はい。」
少女は安心したように笑った。
「よかった。」
「ずっと、誰かが来るのを待っていました。」
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少女の名前はフィオナ。
第六の世界には、かつて「みんなの家」があった。
しかし長い年月の間に、人々は離れて暮らすようになり、その施設も使われなくなったという。
フィオナは、たった一人で古い施設を守っていた。
「私の星にも、もう一度『みんなの家』を作りたいんです。」
あかりが笑う。
「だったら、一緒に作ろうよ。」
フィオナの顔が明るくなる。
「本当に?」
「もちろん。」
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その日の交流会では、第六の世界から美しい音楽が送られてきた。
地球からは桜の映像。
月からは青い地球。
アステリアからは光る木。
ネオラからは星の光。
ネアからは、新しく復活した町の映像。
そして第六の世界からは――。
巨大な青い海。
六つの世界の映像が、一つのスクリーンに並んだ。
悠真が言う。
「これで六つだね。」
ひかるが笑う。
「六つの『みんなの家』!」
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交流会の最後。
フィオナが一つの質問をした。
「あなたたちの『姉妹レンタル』では、どうして知らない人同士を姉妹にするんですか?」
悠真は少し考える。
「姉妹になること自体が目的じゃないんだ。」
「一緒に過ごすきっかけを作るためなんだよ。」
フィオナは静かにうなずいた。
「なるほど。」
「じゃあ、第六の世界では――。」
少し笑って、
「『星を越えた姉妹レンタル』を始めてもいいですか?」
世界中から拍手が起きた。
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こうして第六の世界にも、新しい「みんなの家」が誕生することになった。
世界ネットワークの地図には、新しい光が灯る。
第六の世界――接続完了。
しかし、その瞬間。
古い航路のさらに奥で、もう一つの反応が現れた。
ミナが画面を見る。
「……待ってください。」
「今度は何?」
ミナの声が震える。
「第六の世界の向こうに――。」
画面に、無数の光が現れる。
一つではない。
十。
百。
そして、数え切れないほどの星。
そこには一つの文字が表示されていた。
『銀河群ネットワーク』
悠真が絶句する。
「銀河の外にも……こんなにたくさんの世界が?」
フィオナが画面を見つめる。
そして小さく笑った。
「どうやら、私たちの旅は始まったばかりみたいですね。」
「姉妹レンタル」の輪は、ついに一つの銀河を越えた。




