未接続の星から来た少女
銀河中央の大交流会から三日後。
悠真たちは、いよいよ「未接続の星」について調べていた。
「星の名前はありません。」
ミナが報告する。
「通信もありません。」
カナも首をかしげる。
「でも、観測データを見ると、どうやら大気は存在するみたいです。」
あかりが言う。
「じゃあ、誰か住んでいる可能性もある?」
「あります。」
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その時だった。
ピコン。
銀河中央の通信装置が突然反応した。
「え?」
ひかるが画面を見る。
「未接続の星から?」
しかし、通信内容は今までとは違っていた。
『こちらへ来ないでください。』
一同が凍りつく。
続けて、もう一つのメッセージ。
『私たちは、あなたたちと関わる準備ができていません。』
悠真はすぐに答えた。
「分かりました。」
「無理に交流するつもりはありません。」
すると、しばらく沈黙が続いた。
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その日の夜。
銀河中央の入口に、誰かが立っていた。
あかりが気づく。
「あれ……誰?」
黒いマントのような服を着た、小柄な少女だった。
少女は周囲を警戒しながら、ゆっくり歩いてくる。
「あなたが……悠真?」
「そうだけど。」
少女は少し迷ってから言った。
「私は、リラ。」
「未接続の星から来ました。」
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全員が驚く。
「どうやってここまで?」
リラは答える。
「昔の航路を知っているから。」
「でも、あなたの星は通信を拒否していたんじゃ?」
「……はい。」
リラはうつむいた。
「私たちの星では、昔、外から来た人たちと大きな問題が起きたんです。」
それ以来、星の人々は外部との交流を避けてきた。
「だから、誰も来てほしくない。」
「そう言われています。」
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あかりが尋ねる。
「じゃあ、どうしてあなたは来たの?」
リラはしばらく黙っていた。
そして、小さな声で答える。
「……友達がほしいから。」
その言葉に、誰も笑わなかった。
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リラは、ずっと一人で悩んでいた。
外の星々には、たくさんの「みんなの家」がある。
地球。
月。
アステリア。
ネオラ。
銀河中央。
どこにも、仲間と交流できる場所がある。
でも、リラの星にはない。
「私も、誰かと話してみたかった。」
「でも……勝手に交流したら、みんなに怒られる。」
悠真は少し考えてから言った。
「じゃあ、今日は交流会をしなくてもいいよ。」
リラが驚く。
「え?」
「ここにいて、見ているだけでもいい。」
あかりも笑う。
「話したくなったら話せばいいし、帰りたくなったら帰ってもいい。」
「無理に姉妹になる必要もない。」
「仲良くする必要だってない。」
リラは目を丸くした。
「……そんなことをしてもいいの?」
「もちろん。」
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その日、リラは銀河中央の「みんなの家」を見て回った。
月面基地の模型。
アステリアの大きな木。
ネオラの星の光。
地球の写真。
たくさんの星から集まった記念品。
そして、昔の「最後の姉妹レンタル」の記録。
リラは、それをじっと見ていた。
「失敗したことも、記録に残しているんだ。」
悠真が答える。
「うん。」
「失敗したことを隠すより、次に同じことをしないために残しておくんだ。」
リラは小さく笑った。
「……変なの。」
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しばらくして。
リラが、展示室にあった地球の写真を指差した。
「これ、何?」
「桜だよ。」
「桜?」
あかりが説明する。
「春になると、花がいっぱい咲くんだ。」
リラは興味津々。
「見てみたい。」
「じゃあ、写真を送ろうか?」
「……うん。」
リラが初めて笑った。
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翌朝。
リラは帰ることになった。
「ありがとう。」
「こちらこそ。」
リラは出口で振り返る。
「また来てもいい?」
悠真が笑う。
「いつでも。」
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リラが帰った直後。
未接続の星から通信が入った。
『リラが戻りました。』
全員が画面を見る。
続いて、メッセージ。
『あなたたちは、リラを無理に引き止めませんでした。』
『それが、私たちには不思議でした。』
さらに――。
『もう少しだけ、話を聞かせてください。』
あかりが嬉しそうに笑う。
「一歩進んだね。」
悠真も頷く。
「うん。」
未接続だった星と、初めて正式な通信がつながった。
まだ「みんなの家」はできていない。
でも――。
その星にも、小さな扉が開き始めていた。




