宇宙からの友だち
月面基地との通信を終えた直後。
世界ネットワークに届いた、謎のメッセージ。
『私たちも、仲間になれますか?』
会議室は静まり返っていた。
あかりが小声で言う。
「本当に……宇宙人なのかな?」
ひかるは画面を見つめる。
「分からない。でも、まず話してみよう。」
悠真が通信装置の前に座る。
「こちらは地球の『みんなの家』です。」
「あなたたちは、どこから通信していますか?」
しばらく返事がない。
そして――。
ピコン。
新しいメッセージが届いた。
『あなたたちの言葉を学習しています。』
『私たちの星は、地球から遠く離れています。』
画面に、見慣れない惑星の映像が表示された。
青と紫の雲に包まれた、美しい星だった。
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世界中の「みんなの家」が通信に参加する。
台湾のリン。
イタリアのルカ。
サミ。
ルシア。
エマ。
レオ。
そして月面基地のカナたち。
「みんなで聞いてみよう!」
リンが提案する。
「あなたたちは、何を知りたいですか?」
返事が届く。
『地球では、どうして知らない人同士が仲間になれるのですか?』
悠真は少し考えた。
「最初から仲間だからじゃないと思います。」
「話して、相手のことを知って、一緒に何かをしているうちに、少しずつ仲間になっていくんです。」
すると、相手から返事が来た。
『興味深いです。』
『私たちの星にも、それを試してみたいです。』
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そこで、あかりがある提案をした。
「じゃあ、宇宙の姉妹レンタルをやってみませんか?」
ひかるが驚く。
「まだ相手の姿も分からないのに?」
「だからこそだよ。」
あかりは笑った。
「まずは一日だけ、お互いのことを紹介するの。」
宇宙の相手も了承した。
『お願いします。』
こうして史上初――。
地球・月・未知の惑星による三地点交流会
が始まることになった。
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最初は地球側から紹介する。
日本は桜の写真。
台湾は町の風景。
イタリアは美しい建物。
アフリカは広大な大地。
南米は色鮮やかな祭り。
エマの島は青い海。
北の村はオーロラ。
月面基地は、月から見た地球。
次々と映像が送られていく。
未知の相手は、すべての映像を興味深そうに見ていた。
そして今度は、向こうから映像が送られてくる。
画面いっぱいに広がったのは――。
紫色の草原。
二つの月。
空を飛ぶ巨大な光の生き物。
そして、透明なドームに囲まれた町。
「わあ……!」
世界中から驚きの声が上がる。
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その町には、地球の「みんなの家」によく似た建物があった。
看板には、未知の文字。
自動翻訳すると――。
『みんなの輪』
悠真が驚く。
「こっちにも似たような考え方があるんだ。」
すると通信の向こうから返事が来た。
『私たちの星でも、離れた場所の人々をつなぐ場所です。』
『ただし、最近は交流が減っていました。』
あかりが尋ねる。
「じゃあ、一緒に何かやってみませんか?」
『何をすればいいでしょう?』
あかりは笑う。
「お互いに、自分たちの大切なものを一つ紹介するんです。」
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地球側は、世界中の「みんなの家」の写真を一枚にまとめた。
月面基地からは、青い地球の写真。
そして未知の惑星からは――。
二つの月を背景にした「みんなの輪」の写真。
三枚の写真が、一つの画面に並ぶ。
誰も同じではない。
住んでいる星も違う。
言葉も違う。
姿さえ分からない。
それでも、互いに知ろうとすることはできる。
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最後に、未知の相手からメッセージが届いた。
『今日、私たちは新しい言葉を覚えました。』
悠真が尋ねる。
「何という言葉ですか?」
画面に、日本語で一つの言葉が表示される。
『なかま』
あかりが笑顔になる。
そして世界中の「みんなの家」から拍手が起こった。
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通信が終わる直前。
未知の惑星から、もう一つだけメッセージが届いた。
『次は、私たちの星から招待したいです。』
『あなたたちの「姉妹レンタル」を、私たちの星でも開催してください。』
会議室が騒然となる。
ひかるが叫ぶ。
「えっ、本当に行くの!?」
悠真は画面を見つめる。
そこには、遠い宇宙に浮かぶ未知の惑星。
そして、その惑星へ向かう航路が表示されていた。
理事長が静かに言う。
「これは……世界ネットワーク史上最大の計画になりますね。」
あかりは笑った。
「だったら――。」
「行ってみよう!」
地球から月へ。
月から、さらにその先へ。
「姉妹レンタル」の物語は、ついに異星への旅へ向かうことになった。




