宇宙からの姉妹レンタル
「月で姉妹レンタル……?」
悠真たちは、宇宙開発施設から届いた依頼書を何度も読み返していた。
依頼の内容はこうだった。
『月面基地で生活するクルーたちのために、姉妹レンタルを開催してほしい。』
ただし、いきなり月へ行くわけではない。
まずは地上の宇宙訓練施設で、月面基地と同じような環境を再現し、交流イベントを行うという。
あかりがホッとする。
「よかった……。いきなり宇宙旅行じゃないんだ。」
ひかるが笑う。
「でも、宇宙飛行士さんたちと姉妹レンタルって、すごいね。」
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数日後。
悠真たちは宇宙訓練施設へやってきた。
そこで待っていたのは、月面基地のクルー候補たちだった。
「こんにちは!」
リーダーの女性が挨拶する。
「私は星野カナです。」
その隣には、明るい男性の大地。
そして静かな雰囲気のミナ。
三人は長期間、同じチームとして活動する予定だった。
しかし――。
「実は、三人とも家族と離れて暮らす時間が長くなるんです。」
カナが説明する。
「だから、家族のように支え合える関係を作る練習をしたいんです。」
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今回の姉妹レンタルは、少し変わっていた。
三人を無理に姉妹にするのではなく、
『月面で暮らす家族のようなチーム』
を作ることが目的だった。
最初の課題は、限られた材料で夕食を作ること。
大地が言う。
「料理なら任せて!」
しかし、すぐに問題が起きる。
「それ、使いすぎじゃない?」
「え? 大丈夫でしょ。」
「食料は限られてるんだよ。」
三人の意見がぶつかる。
あかりが見守る中、カナが提案した。
「一度、全部の材料を確認しよう。」
ミナも続く。
「役割を決めれば、うまくいくと思う。」
三人は話し合いながら作業を進めた。
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夕食が完成する。
量は多くない。
でも、三人で作った食事だった。
大地が笑う。
「なんか……家で食べてるみたいだな。」
カナも笑う。
「宇宙でも、こういう時間が必要なのかもね。」
ミナが小さくうなずく。
「一緒に食べる人がいるって、大事だと思う。」
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翌日は、月面基地を想定したチーム訓練。
通信トラブルが発生したという設定で、三人だけで問題を解決する。
最初は戸惑った三人だったが、それぞれの得意分野を活かして解決していく。
訓練終了。
施設のスタッフが拍手する。
「完璧です!」
大地が二人を見る。
「俺たち、結構いいチームじゃない?」
カナが笑う。
「うん。」
ミナも少し笑った。
「……家族みたい。」
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その日の夜。
訓練施設の屋上から、三人は夜空を見上げていた。
月が大きく輝いている。
大地が言う。
「いつか、あそこから地球を見てみたいな。」
カナが答える。
「その時も、三人で話せたらいいね。」
ミナが月を見つめる。
「そのために、今から仲良くしておこう。」
三人は笑った。
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翌朝。
宇宙開発施設から正式な連絡が届いた。
『地上訓練での姉妹レンタル・プログラムは成功しました。』
そして、その下には新しい依頼があった。
『次の段階として、月面基地とのリアルタイム交流を実施したい。』
あかりが目を輝かせる。
「月と通信するの?」
理事長がうなずく。
「はい。」
ひかるが悠真を見る。
「ついに、宇宙とつながるんだね。」
悠真は夜空に浮かぶ月を見上げた。
世界中をつないだ「みんなの家」。
その光は、ついに地球の外へ届こうとしていた。
そしてその夜。
月面基地から、初めての通信が入った。
『こちら月面基地。地球の皆さん、聞こえていますか?』
悠真たちは一斉に画面を見る。
あかりがマイクを握る。
「はい。こちら地球です!」
通信画面の向こうから、笑い声が聞こえた。
『それでは、月面初の姉妹レンタルを始めましょう!』
新たな「みんなの家」は――。
地球の外へ。




