十人姉妹、大集合!
「依頼人数、十人……。」
悠真たちは依頼書を見つめていた。
今回の舞台は、世界ネットワークの仲間である台湾の「みんなの家」。
依頼したのは、そこに集まっている十人の少女たちだった。
ただし――。
「十人全員、本当の姉妹ではありません。」
理事長が説明する。
「同じ地域で暮らしている友達同士です。」
あかりが笑う。
「なるほど。今回は『姉妹っぽく一緒に過ごす』企画なんだね。」
「はい。」
ひかるが目を輝かせる。
「楽しそう!」
---
台湾の「みんなの家」に到着すると、十人の少女たちが待っていた。
「こんにちは!」
「日本から来たんですよね?」
「よろしくお願いします!」
一斉に声が飛んでくる。
悠真たちは少し圧倒された。
あかりが笑う。
「元気いっぱいだね!」
十人は年齢も性格もバラバラ。
リーダータイプ。
おしゃべり好き。
静かな子。
料理が得意な子。
絵が得意な子。
スポーツ好き。
読書好き。
それぞれ違う。
---
最初の企画は、十人で昼食を作ること。
ところが――。
「私はこれを作りたい!」
「私はこっち!」
「その順番じゃダメ!」
「じゃあ誰が決めるの?」
開始五分で大混乱。
美月と結衣も応援に入るが、なかなかまとまらない。
あかりが困った顔をする。
「十人って……大変だね。」
ひかるも苦笑する。
「四人でも大変だったのに。」
---
そこで、十人を三つのチームに分けることになった。
料理チーム。
飾りつけチーム。
案内チーム。
そして最後に、全員で一つのテーブルを囲む。
すると、さっきまで意見がぶつかっていた十人が、少しずつ話し始めた。
「この料理、おいしい!」
「飾りかわいいね!」
「次は何する?」
いつの間にか笑い声が増えていた。
---
午後は、台湾の町をみんなで歩くことになった。
十人が横一列に並ぶと、かなりの人数だ。
「迷子にならないでね!」
「はーい!」
先頭を歩く子。
最後尾を歩く子。
その間を行ったり来たりする子。
あかりが笑う。
「本当に大大家族みたい。」
---
途中で、小さな広場に到着した。
そこには古い壁画が残っていた。
壁画には、たくさんの人が輪になっている。
中央には小さな家。
現地の人が説明してくれる。
「これは昔から、この地域に伝わる『みんなで一つの家を作る』という意味の絵なんです。」
十人の少女たちは壁画を見つめた。
そのうちの一人が言った。
「私たちも、こんな感じになれるかな?」
別の子が笑う。
「もうなってるんじゃない?」
---
夕方。
「みんなの家」に戻ると、十人で記念写真を撮ることになった。
「もっと詰めて!」
「後ろの人、見えない!」
「じゃあ、しゃがむ!」
「待って、私も入る!」
大騒ぎの末――。
パシャッ!
十人の笑顔が一枚の写真に収まった。
写真の下には、みんなで名前を決めた。
『十人姉妹・台湾チーム』
ただし、その下には小さく、
『本当の姉妹ではありません。でも、大切な仲間です。』
と書いた。
---
夜。
世界ネットワークに、その写真がアップロードされる。
日本。
イタリア。
アフリカ。
南米。
エマの島。
北の村。
世界中の「みんなの家」から、次々にコメントが届く。
『楽しそう!』
『こちらでも姉妹レンタルをやってみたい!』
『次は私たちの町で!』
悠真が画面を見て驚く。
「依頼が……増えてる。」
理事長も笑う。
「どうやら、世界中で新しい姉妹レンタルを始めたい人が増えているようですね。」
あかりが目を輝かせる。
「じゃあ、次はもっとたくさんの人とできるね!」
ひかるも笑う。
「世界中が姉妹レンタルになっちゃうかも。」
その瞬間、世界地図に大量の新しい依頼マークが表示された。
その数――。
100件以上。
悠真は目を丸くする。
「……これは、忙しくなりそうだ。」
世界規模の「姉妹レンタルブーム」が、ついに始まった。




