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四女は姉妹じゃない?

翌朝。


「みんなの家」に、四人の少女がやってきた。


長女・かえで


次女・美咲みさき


三女・七海ななみ


そして四女――莉子りこ


三人は楽しそうに話している。


しかし、莉子だけは少し離れた場所に立っていた。


あかりが声をかける。


「莉子ちゃん、どうしたの?」


莉子は少し困った顔をする。


「……私は、この人たちの妹じゃありません。」


「え?」


---


理事長から説明を受けると、事情が分かった。


四人は同じ地域で育った幼なじみ。


楓、美咲、七海は昔から「三姉妹ごっこ」をして遊んでいた。


ところが莉子が途中から仲間になった。


三人は自然に、


「じゃあ莉子ちゃんは四女ね!」


と言った。


でも莉子は、その呼び方がずっと気になっていた。


「私は本当の姉妹じゃない。」


「だから、四女って呼ばれるのがちょっと嫌なんです。」


楓たちは困った顔をする。


「私たちは、仲間だと思ってるんだけど……。」


---


今回の姉妹レンタルでは、無理に「四姉妹」になる必要はない。


そこで、あかりが提案した。


「今日は、『四人の仲間』として一緒に過ごしてみない?」


莉子が顔を上げる。


「仲間……?」


「うん。」


「呼び方も、自分たちで決めていいよ。」


莉子は少し考えた。


「……それなら、やってみたい。」


---


最初の活動は、みんなの家のイベント準備。


四人で大きな看板を作ることになった。


楓は絵が得意。


美咲は文章が得意。


七海は工作が得意。


莉子は――。


「私は何ができるかな。」


莉子が困っていると、七海が言った。


「莉子は人の話を聞くのが上手じゃん。」


「そう?」


「うん。いつもみんなのこと見てる。」


そこで莉子は、みんなの意見をまとめる役をすることになった。


---


作業が進むにつれて、四人はどんどん息が合っていく。


「そこ、もう少し右!」


「了解!」


「文字はこれでいい?」


「うん、完璧!」


最後に完成した看板には、大きな文字で――。


『みんなの家へようこそ!』


と書かれていた。


その下には四人の名前。


楓。


美咲。


七海。


莉子。


---


夕方。


四人はベンチに座った。


美咲が莉子を見る。


「ねえ。」


「何?」


「今日、一緒にいてどうだった?」


莉子は少し考える。


「楽しかった。」


「でも、やっぱり私は『四女』じゃないと思う。」


三人は黙る。


莉子は続けた。


「でも……。」


「四人でいるのは好き。」


楓が笑う。


「じゃあ、それでいいじゃん。」


七海も笑う。


「四姉妹じゃなくて、四人組!」


美咲が手を出す。


「これからも一緒にいようよ。」


莉子は少し照れながら、その手に自分の手を重ねた。


「……うん。」


---


帰る前。


あかりが記念写真を撮る。


「はい、チーズ!」


パシャッ。


写真には四人の笑顔が写っていた。


誰が姉で、誰が妹なのか。


そんなことはもう重要ではなかった。


大切なのは――。


四人で一緒に過ごした時間。


---


夜。


悠真たちは記録を書き込む。


『楓・美咲・七海・莉子――四人の仲間。』


「姉妹って名前をつけなくても、ちゃんと大切な関係になれるんだね。」


ひかるが言う。


あかりも笑う。


「うん。」


すると、受付の端末が突然点滅した。


新規依頼――受信。


悠真が画面を開く。


今度の依頼には、見慣れない文字が並んでいた。


『姉妹レンタルを海外で開催してほしい。』


さらにその下には――。


『依頼人数:10人』


あかりが目を丸くする。


「じゅ、10人!?」


ひかるが笑う。


「もう姉妹というより、大大家族だね。」


悠真は依頼書を見つめた。


「これは……今までで一番大きな姉妹レンタルになりそうだ。」


世界ネットワークを使った、初めての海外合同「姉妹レンタル」。


新たな物語が始まろうとしていた。

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