表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/132

世界の中心にある扉

北の村に「みんなの家」の明かりが灯った夜。


世界ネットワークの画面に現れた、謎の扉のマーク。


悠真たちは、その意味を調べるため本部へ戻ることになった。


日本へ到着すると、世界中の代表者たちがすでに集まっていた。


「このマーク、誰が送ってきたんだろう?」


リンが首をかしげる。


ルカも古い資料を調べている。


「どの記録にもありません。」


サミが言う。


「世界中の地図にも存在しない場所みたいです。」


---


その時、ミアが一冊の古いノートを持ってきた。


「これを見てください。」


それは、アントニオが残した『笑顔の地図』だった。


最後のページを開く。


そこには、今まで誰も見つけられなかった小さな絵が描かれていた。


丸い地球の中心に、小さな扉。


その下には、


『世界をつなぐのは、場所ではない。人の心である。』


と書かれている。


ひかるが静かに読む。


「場所じゃない……?」


悠真は考え込む。


「もしかして、この扉は実際の場所を示しているんじゃないのかもしれない。」


---


その瞬間。


世界ネットワークの画面が光った。


画面に、新しい文章が表示される。


『世界ネットワークに参加するすべての「みんなの家」へ。』


「これは……メッセージ?」


あかりが画面を見つめる。


続いて表示された。


『あなたたちは、世界中の人々をつなぐことに成功しました。』


『しかし、本当に必要なのはネットワークではありません。』


『次の問いに答えてください。』


画面に一つの質問が現れた。


『あなたにとって、「家族」とは何ですか?』


会議室が静まり返る。


---


最初に答えたのはリンだった。


「一緒に笑える人。」


ルカは言う。


「困った時に助け合える人。」


サミは少し考えてから答えた。


「遠くにいても、仲間だと思える人。」


ルシアは笑顔で言った。


「自分の帰る場所を一緒に作ってくれる人。」


エマも続ける。


「血がつながっていなくても、大切に思える人。」


レオは北の村から通信で答えた。


「自分を待ってくれる人。」


---


最後に、悠真がマイクを取った。


「僕にとって家族は……。」


少し考える。


「一緒にいる時だけじゃなくて。」


「離れていても、お互いのことを思っていられる人たちです。」


あかりとひかるがうなずく。


「そして――。」


悠真は世界地図を見る。


「一人ではできないことを、一緒にできる仲間も、家族みたいなものだと思います。」


その答えを送信する。


すると――。


世界地図に浮かんでいた謎の扉が、ゆっくり消えていった。


代わりに、世界中の「みんなの家」をつなぐ線が、一つの大きな輪になる。


画面には最後のメッセージ。


『答えを受け取りました。』


『世界ネットワークは、今日からあなたたち自身です。』


---


会議室に拍手が広がる。


誠一は少し離れた場所から、静かにその様子を見ていた。


悠真が振り返る。


「父さん。」


「ん?」


「これで、本当に終わったのかな?」


誠一は笑う。


「いや。」


「始まったんだよ。」


---


数週間後。


世界中の「みんなの家」で、同じイベントが開かれた。


台湾では子どもたちが絵を描く。


イタリアでは町の人たちが食卓を囲む。


アフリカでは大きな木の下に人が集まる。


南米では星の鐘が鳴る。


エマの島では通信塔が光る。


北の村では、オーロラの下で「みんなの家」に明かりが灯る。


そして日本でも――。


最初の「姉妹レンタル」の建物に、明かりが灯った。


世界中の光が、夜空の星のように輝いている。


あかりが窓から外を見る。


「世界中に、家があるんだね。」


ひかるが微笑む。


「うん。」


悠真は静かに答えた。


「どこにいても、一人じゃない。」


その言葉とともに、世界地図がスクリーンに映し出される。


無数の光。


無数の笑顔。


そして中央には――。


『姉妹レンタル』


の文字。


長い旅の物語は、ひとまず大きな区切りを迎えた。


けれど世界には、まだ知らない町がある。


まだ出会っていない仲間がいる。


だから――。


物語は、これからも続いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ