世界をつなぐ一枚の地図
南米の山村を出発したスマイルキャラバン号。
今回の目的地は、特定の町ではなかった。
理事長から届いた依頼は、これまでとはまったく違うものだった。
「世界中の『みんなの家』をつなぐネットワークを作りたい。」
その計画のため、各地の代表者が集まることになったのだ。
「今まで出会ったみんなが集まるの?」
あかりが嬉しそうに尋ねる。
「そうみたい。」
ひかるも笑顔になる。
「台湾のリンさんも、イタリアのルカさんも、アフリカのサミさんも来るのかな。」
「きっと来るよ。」
悠真は大きくうなずいた。
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会議が開かれたのは、海の近くにある大きな国際交流センターだった。
会場に入ると、すでにたくさんの仲間たちが集まっていた。
「悠真!」
「久しぶり!」
「元気だった?」
あちこちから声が飛んでくる。
台湾から来たリン。
イタリアのルカ。
アフリカのサミ。
南米のルシア。
そして、日本各地の「みんなの家」の仲間たち。
あかりとひかるは大喜びだった。
「本当にみんな来てる!」
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会議が始まると、巨大なスクリーンに世界地図が映し出された。
その地図には、これまで作られた「みんなの家」が点で表示されている。
赤い点。
青い点。
緑の点。
最初は少なかった点が、今では世界中に広がっている。
理事長が説明する。
「これらの場所をオンラインでつなぎ、互いに経験や知識を共有できる仕組みを作ります。」
「遠く離れた場所でも、困った時には相談できる。」
「子どもたちも、世界の仲間たちと交流できる。」
会場から拍手が起こった。
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ところが、一人の参加者が手を挙げた。
「素晴らしい計画です。」
「しかし、問題があります。」
「世界には、まだ『みんなの家』が存在しない地域がたくさんあります。」
会場が静かになる。
悠真は世界地図を見つめた。
確かに、地図にはまだ点のない場所がたくさんあった。
あかりが小さな声で言う。
「まだまだ、これからなんだね。」
ひかるもうなずく。
「うん。」
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その時、会場の後ろから声がした。
「だったら、最初の一歩を作ればいい。」
振り返ると、白石誠一が立っていた。
「私も昔、同じことを考えました。」
「でも、一人ではできなかった。」
誠一は悠真たちを見る。
「今は違います。」
「皆さんには、世界中に仲間がいる。」
その言葉に、サミが笑う。
「一人じゃない。」
リンも続ける。
「私たちがいる。」
ルカも手を挙げる。
「私たちも。」
ルシアは笑顔で言った。
「この村も、仲間です。」
会場に温かな拍手が広がった。
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会議の最後。
巨大な世界地図の前に、全員が集まった。
それぞれの町を示す小さなシールを貼っていく。
台湾。
イタリア。
アフリカ。
南米。
日本。
そして――。
まだ誰も訪れたことのない地域にも、未来のための白いシールが貼られた。
あかりが言う。
「これ、空いているところ全部に貼れる日が来るかな?」
悠真は笑った。
「いつか、きっと。」
その瞬間、会場の照明が少し暗くなった。
スクリーンに世界地図が映し出される。
無数の点が一本の線でつながっていく。
『みんなの家・世界ネットワーク』
完成した地図を見ながら、ひかるが静かにつぶやいた。
「世界って……思っていたより近いんだね。」
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しかし、会議終了後。
悠真のところへ、一人の少女が近づいてきた。
「すみません。」
「はい?」
少女は一枚の古い写真を差し出した。
「この人を知っていますか?」
写真に写っていたのは――。
白石誠一。
しかも、その隣には見覚えのない人物が立っていた。
少女は続ける。
「この人は、私の祖父です。」
「そして、昔あなたのお父さんと一緒に、ある計画を進めていました。」
悠真たちは驚いて写真を見つめる。
世界をつなぐ計画の裏には、まだ知られていない過去があった。
そして、その秘密は――。
「姉妹レンタル」が始まった本当の理由にもつながっているという。
世界規模の新たな物語が、幕を開けようとしていた。




