はじめての海外
全国交流会から一か月後。
悠真たちは理事長に呼ばれ、「姉妹レンタル本部」に集まっていた。
会議室の机の上には、一枚の世界地図が広げられている。
「いよいよ海外ですね。」
美咲が少し緊張した表情で言う。
理事長はうなずいた。
「皆さんに最初に向かっていただくのは、日本から一番近い協力地域の一つです。」
地図の一点を指差す。
「目的地は台湾。」
「台湾の子ども交流団体から、『みんなの家』の活動を学びたいという依頼が届きました。」
「わあ!」
あかりが目を輝かせる。
「海外でも友達ができるかな?」
ひかるは少し緊張しながら微笑んだ。
「言葉は違っても、笑顔は伝わるよね。」
悠真も力強くうなずく。
「まずは相手の文化を知ることから始めよう。」
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数日後。
飛行機が台湾に到着した。
空港では、一人の女性が笑顔で出迎えてくれた。
「ようこそ!」
流ちょうな日本語で話しかける。
「私はリンです。」
「今回、皆さんをご案内します。」
一行はリンに案内され、交流施設へ向かった。
そこには多くの子どもたちが待っていた。
最初は少し緊張していた子どもたちだったが、あかりが折り紙を取り出す。
「一緒に折ってみよう!」
ひかるは絵本を見せながら、ゆっくりと読み聞かせを始めた。
言葉が全部分からなくても、子どもたちは絵を見て笑顔になる。
さくらは日本のお菓子作りを紹介し、美咲は一緒にゲームを始めた。
ひまりは身ぶり手ぶりを交えながら折り紙を教える。
いつの間にか、部屋いっぱいに笑い声が広がっていた。
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夕方。
リンが悠真に話しかけた。
「実は、一つお願いがあります。」
「町外れに古い児童館があります。」
「昔は子どもたちでいっぱいでしたが、今は誰も利用していません。」
悠真は静かに聞く。
「そこを『みんなの家』にできませんか?」
「もちろん。」
悠真は仲間たちを見渡した。
「また、一歩ずつ始めよう。」
みんなは笑顔でうなずいた。
しかし、その様子を遠くから見つめる一人の青年がいた。
「外国から来た人たちに……何ができる。」
そうつぶやくと、静かに立ち去っていった。
新しい国での最初の挑戦が、今始まる。




