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閉ざされた町

海辺の町を出発したスマイルキャラバン号。


悠真たちは、理事長から渡された地図を頼りに、山奥にある小さな町へ向かっていた。


町の名前は――霧ヶ谷町。


しかし、近づくにつれて不思議なことに気づいた。


「人が……いない?」


あかりが窓の外を見る。


家はある。


店もある。


でも、道を歩いている人はほとんどいなかった。


「まるで町全体が眠っているみたい。」


ひかるが静かにつぶやく。


---


町の入口に着くと、一枚の看板が立っていた。


『よそ者との交流はお断りします』


「これは……。」


さくらが困った顔をする。


そこへ、一人の少年が現れた。


「君たち、帰ったほうがいいよ。」


少年は冷たい表情で言う。


「この町では、誰も君たちを必要としていない。」


悠真は落ち着いて尋ねる。


「君の名前は?」


「……そう。」


「蒼くん、この町で何があったの?」


少年は少し黙った。


「昔、この町は仲が良かった。」


「でも、ある事件が起きて……みんな、人を信じるのをやめたんだ。」


---


その日の午後。


悠真たちは無理に交流会を開こうとはしなかった。


まずは町を歩き、掃除をした。


壊れたベンチを直した。


花壇の手入れをした。


誰も来なくても、毎日続けた。


三日目。


蒼が遠くから見ていることに気づいた。


「手伝ってみる?」


悠真が声をかける。


「……俺は別に。」


そう言いながら、蒼は落ちていた木の枝を拾った。


少しだけ、手伝ってくれた。


---


夜。


スマイルキャラバン号で食事をしていると、蒼が訪ねてきた。


「聞きたいことがある。」


「なに?」


「どうして、誰も来なくても続けられるの?」


悠真は少し考えて答えた。


「最初から信じてもらえることなんて、ほとんどないから。」


「でも、誰かが最初の一歩を踏み出さないと、何も変わらないと思う。」


蒼は黙って聞いていた。


---


翌朝。


町の古い時計塔から、大きな音が響いた。


ゴーン……。


町の人たちが驚いて外へ出てくる。


「時計が動いた?」


「何十年ぶりだ……。」


蒼が時計塔を見上げる。


「まさか……。」


悠真が尋ねる。


「どうしたの?」


蒼は古い鍵を握りしめた。


「この時計塔には、町の秘密がある。」


「昔、ここで大切な約束が交わされたんだ。」


「でも、その約束を破った人がいて……町はバラバラになった。」


蒼は鍵を見る。


「この鍵を使えば、その秘密が分かる。」


悠真たちは時計塔へ向かう。


閉ざされた扉。


古い鍵。


そして、失われた約束。


霧ヶ谷町の本当の過去が、今明らかになろうとしていた――。

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