↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹レンタル  作者: なんなん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
339/413

忘れられた約束の島

笑顔を取り戻した街を出発した悠真たちは、地図を頼りに湖を目指していた。


「この先に大きな湖があるはずだよ」とミオが地図を確認する。


「その真ん中に、忘れられた約束の島があるんだね」とナナ。


「うん! どんな約束なのか、早く知りたいな!」とアヤは元気よく歩いた。


ハルは、道端に咲く小さな花を見つけて立ち止まった。


「この世界には、まだ知らない場所がたくさんあるんだね」


「だから、みんなで旅をするのが楽しいんだよ」と悠真は笑った。


ソラも大きくうなずいた。


「知らない場所に行けば、知らなかった音にも出会えるからね」


やがて森を抜けると、目の前に青く澄んだ湖が広がった。


湖の中央には、小さな島が浮かんでいる。その島には古い灯台が立っており、最上階から淡い光が放たれていた。


しかし、湖には船が一隻もなかった。


「どうやって島へ渡ろう?」とミオが尋ねた。


そのとき、水面に白い文字が浮かび上がった。


【約束を思い出した者だけが、渡る道を見つけられる】


「約束を思い出す……?」と悠真。


アヤは腕を組んで考えた。


「誰かと交わした約束を思い出せばいいのかな?」


ナナは静かに湖を見つめた。


「でも、私たちは、この島に来るのは初めてだよね。私たちが忘れた約束じゃないのかもしれない」


ハルは湖のそばにしゃがみ、水面に手を伸ばした。


すると、湖の中から小さな光が現れた。


光は六人の周りをくるくると回り、やがて一人の少女の姿になった。


少女は古い青色の服を着て、手には小さな貝殻を握っていた。


「こんにちは。わたしはルナ。この島の灯台を守っているの」


「ルナさん、どうして島へ渡れないの?」とソラが尋ねた。


ルナは悲しそうに灯台を振り返った。


「ずっと昔、わたしには大切な友達がいたの。その子と、灯台の明かりを毎晩一緒に見るって約束したんだ」


「その友達は、今どこにいるの?」とミオ。


「分からないの。ある日、その子は島を離れて、それきり帰ってこなかった。わたしはずっと待っていたけれど……いつの間にか、その子の名前まで思い出せなくなってしまったの」


ルナの手の中で、貝殻がかすかに光った。


「でも、どうして約束を忘れてしまったんだろう?」と悠真が尋ねる。


「長い時間がたつうちに、約束を守ることだけが大切になってしまったの。友達が帰ってこない理由を考えるのが怖くて、ただ待ち続けていたんだと思う」


ハルはルナの隣に座った。


「待つことは大切だけど、待っている間にも、いろんなことが起きるよ。友達のことを大切に思っている気持ちは、約束を守ることだけで決まるわけじゃないと思う」


ルナは驚いたようにハルを見た。


その瞬間、湖の水面に一本の光の道が現れた。


島へと続く、透明な橋だった。


「道ができた!」とアヤ。


「ルナさん、僕たちも一緒に行くよ」と悠真は手を差し出した。


ルナは少し迷ってから、その手を取った。


六人と一人は光の橋を渡り、島へと向かった。


島に着くと、灯台の扉がひとりでに開いた。


内部の壁には、二人の子どもが並んで灯台を見上げている絵が描かれていた。


その下には、見慣れない文字が刻まれていた。


【約束の相手は、灯台の最後の光の中に眠る】


「最後の光……。いったい、どういう意味なんだろう?」とナナ。


ルナは貝殻を胸に抱きしめた。


「この灯台の一番上には、特別な明かりがあるの。でも、わたし一人では、ずっと点けることができなかった」


そのとき、灯台の階段の上から、懐かしそうな声が聞こえてきた。


「ルナ……。やっと、ここまで来てくれたんだね」


ルナは目を見開いた。


「その声……まさか!」


階段の先に、もう一つの小さな光が現れた。


そして、その光は、ゆっくりと人の姿へと変わり始めた。


――ルナが忘れてしまった約束の相手とは、いったい誰なのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。