すべての世界をつなぐ橋
悠真たちは巨大な橋の上に立っていた。
橋の向こうには、これまで訪れた世界が無数に広がっている。
過去の世界。
未来の世界。
名前を持たない世界。
選び直せる世界。
今だけが存在する世界。
「こんなにたくさんの世界があったんだね」
ミチが感慨深そうに言う。
しかし、橋の中央には大きな空白がある。
【ここから先は、まだ決まっていません】
悠真は笑った。
「この旅らしいね」
ユイもうなずく。
「最後まで、決まってないんだ」
すると、それぞれの世界から光が一つずつ飛んできた。
名前を探している光。
未来を作っている光。
まだ何者でもない光。
選び直した光。
ただここにいる光。
それらが橋の中央に集まる。
すると、一つの大きな問いが現れた。
【世界は、何のためにある?】
ミチが答えようとする。
「未来を作るため?」
ユイが言う。
「自分で選ぶため?」
悠真は少し考えた。
「どれも間違いじゃないと思う」
「じゃあ、答えは?」
「一つに決めなくてもいいんじゃないかな」
その瞬間、問いの文字が変わった。
【世界は、それぞれの答えを持っていていい】
橋が光り始める。
すべての世界が、互いに見えるようになった。
でも、混ざり合って一つにはならない。
それぞれ違う世界のまま、つながっている。
「これが……完成?」
悠真が尋ねる。
案内役の光は首を横に振った。
「完成ではありません」
「じゃあ?」
「続いていくのです」
その言葉と同時に、橋の先に巨大な扉が現れた。
扉には、
【第八十七の歴史――世界を受け継ぐ者】
と書かれている。
悠真たちは扉の前へ進む。
すると扉から声がした。
「この先へ進むと、これまでの旅は一つの物語になります」
ミチが尋ねる。
「じゃあ、ここで終わるの?」
声は答えた。
「終わりではありません」
扉が開く。
「次の世界へ渡すのです」
その先には、まっさらな世界が広がっていた。
そこには、まだ誰もいない。
悠真はその景色を見つめた。
「……ここを、次の誰かに渡すんだ」
その瞬間、空に一つの星が生まれた。
そして、その星から小さな光が落ちてきた。
「僕たちは……ここから始めていいの?」
悠真は笑った。
「もちろん」
だが、その直後――。
遠くの空に、見たことのない巨大な扉が開いた。
そこには、
【第八十八の歴史――新しい物語】
と刻まれていた。
悠真たちは顔を見合わせる。
「まだ続くんだ」
そして、新しい世界へ向かって歩き始めた。




