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幼なじみのやきもち

昼休みの屋上。


「……家族って、本当なの?」


美咲は首をかしげながら悠真を見つめた。


悠真は契約の第一ルールを思い出す。


「本当の家族ではないことを、自分から他人に話してはいけない。」


(言えない……。)


「まあ、その……いろいろ事情があって。」


あいまいに答えるしかなかった。


「ふーん。」


美咲は納得していない様子だった。


その日の放課後。


「お兄ちゃん、一緒に買い物行こう!」


さくらが腕を引っ張る。


「……私は別に行かなくてもいいけど。」


そう言いながらも、ひまりも後ろからついてくる。


三人が商店街を歩いていると、美咲とばったり出会った。


「また一緒なんだ。」


美咲は少しだけ寂しそうに笑う。


「悠真、今日、一緒に帰ろうと思ってたのに。」


その言葉に、さくらは気を利かせて言った。


「じゃあ、お兄ちゃんは美咲さんと帰ってきて! 私たちは先に買い物してるから。」


しかし、その瞬間だった。


「……ダメ。」


ひまりがぽつりと言った。


「え?」


「今日は、お兄ちゃんと約束してる。」


珍しく強い口調だった。


美咲も負けじと言う。


「私だって昔から約束してたよ。」


二人の間に、気まずい空気が流れる。


「まあまあ、二人とも落ち着いて!」


慌てる悠真。


すると、さくらが笑顔で提案した。


「それなら四人で夏祭りに行かない?」


「夏祭り?」


「今度の土曜日、お祭りがあるんだって!」


その提案に、美咲もうなずく。


「……それならいいよ。」


ひまりも小さく答えた。


「……別に反対じゃない。」


こうして四人で夏祭りへ行く約束が決まった。


しかし、その夜。


姉妹レンタルを運営する会社から、さくらのスマホに一通の通知が届く。


『契約期間、残り27日。契約違反を検知した場合は即時終了します。』


さくらは画面を見つめ、小さくつぶやいた。


「どうか最後まで、みんな笑顔でいられますように……。」


一方、部屋で休む悠真は、契約書の三つ目のルールを思い返していた。


「契約期間中に、本気の恋心を隠し続けてはいけない。」


「このルールの意味って、一体……?」


夏祭りの日が、少しずつ近づいていた――。

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