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姉妹レンタル  作者: なんなん


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世界と世界をつなぐ者

無数の世界が、悠真たちの前に浮かんでいた。


海の世界。


森の世界。


町の世界。


名前を探す世界。


時間が始まった世界。


そして、まだ誰にも見つかっていない世界。


それぞれの世界から、細い光の道が伸びている。


子どもが驚いた。


「こんなにたくさんの世界があったんだ……」


「うん」


悠真も頷く。


「でも、全部が同じじゃない」


ユイが一つの光の道を指差す。


「この道、途中で消えてるよ」


近づいてみると、一本の世界から伸びた道が、途中で途切れていた。


その先には、暗い空間が広がっている。


「どうしてつながってないんだろう?」


ミチが考える。


「もしかすると、その世界はまだ他の世界とつながることを決めていないのかも」


すると、途切れた道の向こうから声がした。


「……つながりたくない」


悠真たちは立ち止まった。


「誰?」


「僕の世界だよ」


声だけが返ってくる。


「僕たちは、まだ自分たちだけでいたい」


悠真は少し考えてから答えた。


「分かった」


子どもが驚く。


「つながらなくてもいいの?」


「うん」


悠真は頷いた。


「つながることも選択だけど、つながらないことも選択だから」


すると途切れた道が消えた。


しかし、その世界の周りに小さな光が残った。


【いつか、つながりたいと思ったら】


それだけが表示される。


ユイが微笑む。


「扉を閉じるんじゃなくて、選び直せるようにしたんだね」


「そうだね」


そのとき、別の世界から声が聞こえた。


「僕たちは、つながりたい!」


こちらでは、世界同士をつなぐ橋が作られ始める。


海の世界から水の道。


森の世界から木の橋。


町の世界から石畳の道。


それぞれの世界が、自分たちの方法で道を作っていく。


やがて無数の道が一つの大きな広場につながった。


中央には何も置かれていない。


悠真が言う。


「ここは、何のための場所なんだろう?」


すると一つの光が答えた。


「違う世界の人が、会うための場所」


「会って……何をするの?」


「何もしなくてもいい」


光は続けた。


「ただ、自分の世界とは違う世界があるって知るだけでもいい」


その言葉とともに、広場にベンチが現れた。


誰かが座る。


別の世界の誰かが、その隣に座る。


二人は何も話さない。


ただ、一緒に空を見ている。


それだけだった。


悠真は静かに笑う。


「つながるって、必ず一緒になることじゃないんだね」


ユイが頷く。


「違う世界のまま、会えることもつながるってことなんだ」


すると、広場の中央に大きな文字が浮かんだ。


【違うままで、つながる】


そして、その下に――。


【第六十九の歴史――世界と世界をつなぐ者】


しかし突然、無数の世界の光が一斉に揺れた。


「何だ?」


オボロが空を見上げる。


世界と世界を結ぶ光の道が、一本ずつ新しく伸び始めている。


その先にあるのは――


まだ世界ですらない、完全な白い空間。


悠真が目を細める。


「……あそこには、まだ世界がない」


ミチが答える。


「じゃあ、誰とつながるんだ?」


白い空間から、小さな声が聞こえた。


「世界がないなら……」


「僕たちが、最初の世界を作ればいい」


悠真たちは顔を見合わせた。


白い空間に、一つの小さな光が生まれる。


そして、その光を中心に、まだ存在しない世界の輪郭が少しずつ現れ始めた。


新しい文字が浮かび上がる。


【第七十の歴史――世界のない場所から】


悠真はその光へ向かって歩き出した。


「今度は、世界そのものを一緒に作るんだ」


無数の光が、悠真の後を追う。


まだ何もない場所に――


新しい世界が生まれようとしていた。

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