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一緒に作る未来

悠真たちは、大勢の光たちと一緒に、空中に伸びていく橋を歩いていた。


橋の先には、まだ何もない。


「この先、本当に世界があるのかな?」


子どもが尋ねる。


悠真は前を見つめた。


「まだないのかもしれない」


「え?」


「だからこそ、みんなで作るんだと思う」


その瞬間、橋の先に小さな足場が現れた。


一つの光が、その足場に近づく。


「僕は、ここに木がほしい」


すると小さな木が一本生えた。


別の光が言う。


「僕は、水がほしい」


木のそばに小さな川が流れ始める。


さらに別の光が言った。


「私は、みんなが休める場所がほしい」


川のほとりに小さな広場ができた。


一つ一つの願いが、世界を作っていく。


しかし、ある光が少し離れたところから言った。


「僕は……何も作りたくない」


周囲が静かになる。


悠真がその光を見る。


「それでもいいよ」


「本当に?」


「うん。作らないという選択も、この世界の一部だから」


すると、その光がいた場所に、静かな丘ができた。


誰も何も置かない。


ただ、風だけが通り過ぎる。


「……ここなら、何もしなくてもいい」


光が嬉しそうに揺れた。


ユイが微笑む。


「みんな同じものを作る必要はないんだね」


「うん」


悠真が答える。


「違うものがあるから、一緒に世界を作れるんだと思う」


やがて橋の先には、巨大な大地が広がった。


森。


川。


町。


丘。


何もしない場所。


そして、それらをつなぐ無数の道。


世界は、一つの形にはならなかった。


むしろ、たくさんの違う場所がそのまま存在していた。


すると空から声が響く。


「この世界の名前は?」


誰もすぐには答えなかった。


子どもが言う。


「みんなで決める?」


悠真は首を横に振る。


「今すぐ決めなくてもいいんじゃないかな」


「じゃあ、名前は?」


悠真は世界を見渡した。


「まだ決めない」


その瞬間、空に文字が浮かぶ。


【世界の名前――未定】


ユイが笑った。


「名前まで、未来に残したんだね」


すると突然、世界の端に一つの扉が現れた。


今までの扉とは違う。


扉には何も書かれていない。


「……何も書いてない」


ミチが呟く。


悠真が近づく。


すると扉に、一文字だけ浮かび上がった。


【共】


そして、その文字が消える。


代わりに――


【共に】


さらに消えて――


【共に作る】


最後には、完全に文字が消えた。


子どもが驚く。


「結局、何もなくなったよ?」


悠真は扉を見つめる。


「たぶん、この扉は名前を必要としてないんだ」


「どうして?」


「開ける人たちが、一緒に決めるから」


悠真が扉に手を置く。


すると、大地のあちこちから光が集まってきた。


一人ではない。


二人でもない。


たくさんの存在が、扉に手を添える。


そして――


扉が開いた。


その先には、今まで見たことのない巨大な空間が広がっていた。


そこには、無数の世界が浮かんでいる。


しかし、それぞれの世界は完全には独立していなかった。


細い光の線でつながっている。


悠真が息をのむ。


「世界と世界が……つながってる」


その瞬間、どこからともなく声が響いた。


「ならば、次に必要なのは――」


一つの光が答える。


「つながった世界を、どうするか」


新しい文字が空中に浮かび上がる。


【第六十九の歴史――世界と世界をつなぐ者】


悠真は無数の世界を見つめた。


これまで作ってきた未来が、今、互いにつながろうとしていた。

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