見つけてもらう未来
悠真たちは、新しく伸びた道を歩いていた。
道の先にあるのは、小さな光だけが浮かぶ世界。
町もない。
森もない。
海もない。
ただ、遠くで一つの光が静かに揺れている。
「誰かいるのかな?」
子どもが尋ねる。
「行ってみよう」
悠真たちが近づくと、光が小さく震えた。
「……誰?」
「僕たちは旅をしているんだ」
悠真が答える。
「君の声が聞こえたから来た」
光はしばらく黙っていた。
「僕は……誰にも見つけてもらえないと思ってた」
ユイが優しく尋ねる。
「どうして?」
「僕の世界には、何もないから」
光の周囲には、本当に何もなかった。
道もない。
目印もない。
名前もない。
「誰かが来るための場所すらないんだ」
悠真は周囲を見回した。
「じゃあ、一つだけ作ってみよう」
「何を?」
「目印」
悠真は地面に小さな石を置いた。
すると石が淡く光り始める。
子どもも隣に小さな石を置いた。
ユイも石を置く。
ミチも置く。
一つ、また一つ。
やがて小さな石の道ができた。
光は驚いた。
「これ……僕の世界に来る道?」
「うん」
悠真が答える。
「誰かに見つけてもらうには、まず『ここにいる』って伝える方法が必要だから」
光は嬉しそうに輝いた。
すると、石の道の先に小さな花が咲いた。
「僕も……何か作っていい?」
「もちろん」
光は考えた。
そして、自分のすぐ隣に小さな木を作った。
さらに、その木の下にベンチを作る。
「ここで、誰かを待つ」
その瞬間、空に文字が浮かんだ。
【待つことも、未来を作る】
悠真はその文字を見上げた。
「未来って、必ず自分から進んでいく必要はないんだね」
ユイが頷く。
「誰かが来る場所を作って待つ未来もある」
すると――。
遠くから一つの光が近づいてきた。
「……誰か来た!」
光が驚く。
やって来たのは、まだ名前を持たない小さな存在だった。
「ここは……誰の場所?」
最初の光が答える。
「僕の場所。でも、君が来てもいい場所だよ」
新しい存在はベンチに座った。
その瞬間、二つの光の間に一本の道が生まれた。
悠真は笑う。
「見つけてもらう未来が、今、始まった」
そのとき、空に大きな文字が現れる。
【第六十五の歴史――見つけてもらう未来】
しかし、その下には、さらに小さな文字が浮かんでいた。
【見つけてもらった者は、次に誰かを見つける】
悠真はその言葉を読んだ。
「……歴史が、つながっていく」
最初の光が、遠くを見つめる。
「僕も、次は誰かを見つけたい」
すると、世界の彼方に新しい光が現れた。
今度は――
誰にも「ここにいる」と伝えられず、暗闇の中で一人で揺れている光だった。
その光から、かすかな声が聞こえる。
「……僕を見つけて」
悠真はすぐに歩き出した。
「行こう」
新しい道が、暗闇へ向かって伸びていく。
その先に、新しい扉が現れた。
【第六十六の歴史――見つける者】
悠真たちは、暗闇の中へ進んでいった。




