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姉妹レンタル  作者: なんなん


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未来は選ぶだけではない

無数の未来が広がる世界。


海へ続く未来。


森へ続く未来。


大きな町へ続く未来。


誰もいない場所へ続く未来。


そして、まだ何も描かれていない未来。


悠真たちは、その中心に立っていた。


「未来は、選ぶだけではない……」


悠真は、途中で途切れた文字を見上げる。


ユイが周囲を見回した。


「続きはどこにあるんだろう?」


光の存在も考え込む。


「もしかして……誰かが続きを書くんじゃないかな」


その瞬間――。


一本の道が動いた。


道が二つに分かれ、さらに三つ、四つへと増えていく。


「わっ!」


ユイが驚く。


「道が勝手に増えてる!」


すると、空から声が響いた。


『未来は、選ぶだけではない』


今度ははっきり聞こえた。


『未来は――つくるものでもある』


悠真が顔を上げる。


「つくる?」


『選んだ未来を歩くだけではない。まだ存在しない未来を、自分たちでつくることもできる』


すると、一つの道の上に小さな家が現れた。


別の道には橋。


さらに別の道には広場。


森の中には小さな灯り。


海の上には船。


何もなかった未来が、少しずつ形を持ち始めていく。


光の存在が嬉しそうに言った。


「僕もつくっていい?」


「うん」


光の存在はしばらく考えた。


「じゃあ……誰でも休める場所をつくりたい」


その瞬間、未来の中心に小さな広場が現れた。


ベンチが一つ。


屋根が一つ。


そして、入口に小さな看板が立った。


【いつでも休んでいい場所】


ユイが笑う。


「いい場所だね」


すると、誰もいなかった広場に、一つの光が現れた。


光はゆっくり人の姿へ変わっていく。


「誰か来た!」


悠真たちは近づいた。


そこにいたのは、まだ名前のない子だった。


その子は周囲を見回して、不思議そうに尋ねた。


「ここは……どこ?」


悠真が答える。


「未来だよ」


「未来?」


「うん。まだ決まっていない未来」


その子は広場を見つめた。


「じゃあ、僕の未来もここにあるの?」


ユイが頷く。


「あるよ」


「どんな未来?」


悠真は少し笑った。


「それは、君が決めてもいいし、決めなくてもいい」


その子はしばらく考えた。


そして、ベンチに腰を下ろした。


「じゃあ……今日はここにいる」


すると看板の下に、小さな文字が浮かんだ。


【ここにいる】


記録者の声が響く。


「新しい記録を開始します」


紙に文字が刻まれる。


【第三十五の歴史――未来を残す世界】


さらに、その下へ一文が続いた。


【未来は、選ぶだけではない。誰かとつくることもできる】


悠真は新しい住民を見つめた。


「君は、これから何をしたい?」


その子は空を見上げる。


「まだ分からない」


そして、少しだけ笑った。


「でも……分からないままでも、ここにいていいんだよね?」


「もちろん」


その瞬間、世界中の未来が一斉に輝いた。


しかし――。


その輝きの中に、一つだけ黒い未来があった。


そこには道も、町も、海も、森もない。


ただ一枚の白い紙だけが置かれている。


白い紙には、たった一言。


【誰にもつくられなかった未来】


悠真はその未来を見つけた。


「……あれは?」


ユイの表情が変わる。


「まだ、終わってない未来があるみたい」


そして黒い未来の奥から、かすかな声が聞こえた。


「僕も……ここにいていい?」


悠真は、その声のする方向へ歩き出した。


新しい冒険が、また始まろうとしていた。

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