表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/124

信じるということ

翌朝。


悠真たちは森田さんや町の人たちに見送られ、新しい町へ向かう準備をしていた。


「本当にありがとう。」


森田さんが頭を下げる。


「もう一度、人と関わる勇気をもらいました。」


悠真は笑顔で答える。


「こちらこそ、ありがとうございました。」


さくらが手を振る。


「また遊びに来ますね!」


こうしてスマイルキャラバン号は、新しい町へ出発した。



---


数時間後。


到着した町は、とても静かな場所だった。


広場には大きな時計塔がある。


しかし、人の姿は少ない。


「あれ?」


あかりが首をかしげる。


「町なのに、誰もいないね。」


すると、一人の少女が近づいてきた。


「あなたたちが……『みんなのリビング』の人?」


「そうだよ。」


悠真が答える。


少女は少し警戒した表情で言った。


「やめたほうがいいと思う。」


「この町では、誰も人を信用してないから。」


少女の名前は花音かのん


町で一人暮らしをしている高校生だった。



---


花音の案内で町を歩くと、みんなが互いに距離を取っていることが分かった。


お店の人同士も必要な会話しかしない。


近所の人も挨拶だけ。


「どうしてこんな町になったの?」


美咲が尋ねる。


花音は少し迷ってから答えた。


「昔、大きな問題が起きたんだ。」


「誰かを信じた人が、裏切られたと思う出来事があって……。」


「それから、みんな『自分のことは自分で守る』って考えるようになった。」



---


その日の夕方。


悠真たちは広場にスマイルキャラバン号を停めた。


しかし、誰も近づいてこない。


「どうしよう……。」


あかりが不安そうにつぶやく。


すると、ひまりが言った。


「無理に来てもらおうとするから、警戒されるんじゃない?」


「まずは、私たちがここにいるだけでいい。」


その言葉に、悠真はうなずいた。


「そうだな。」


「信じてもらうには、時間が必要だ。」



---


翌日から、悠真たちは毎朝広場を掃除した。


誰かが来なくても、花を植えた。


誰かが話しかけなくても、笑顔で挨拶した。


三日目。


一人のおじいさんが声をかけてきた。


「……毎日何をしているんだい?」


悠真は笑って答える。


「町の人がいつでも来られる場所を作っています。」


「誰も来なくても?」


「はい。」


「いつか来たいと思った時に、場所があるように。」


おじいさんは少し驚いた顔をした。


そして、小さく笑った。


「変わった人たちだね。」



---


その夜。


花音がスマイルキャラバン号を訪れた。


「少しだけ……話を聞いてほしい。」


「もちろん。」


花音は手に一枚の古い写真を持っていた。


そこには、昔の町の人たちが笑顔で集まっている姿が写っていた。


「本当は……私も、またこんな町に戻ってほしいと思ってる。」


悠真は写真を見つめた。


「じゃあ、一緒に作ろう。」


花音は少し驚いたあと、初めて笑った。


「……うん。」


しかし、その写真の裏には、誰にも知られていない一文が書かれていた。


『この町の秘密を知る者は、二度と戻れない。』


花音の表情が変わる。


「……これを見たの?」


新しい謎が、六人を待ち受けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ