信じるということ
翌朝。
悠真たちは森田さんや町の人たちに見送られ、新しい町へ向かう準備をしていた。
「本当にありがとう。」
森田さんが頭を下げる。
「もう一度、人と関わる勇気をもらいました。」
悠真は笑顔で答える。
「こちらこそ、ありがとうございました。」
さくらが手を振る。
「また遊びに来ますね!」
こうしてスマイルキャラバン号は、新しい町へ出発した。
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数時間後。
到着した町は、とても静かな場所だった。
広場には大きな時計塔がある。
しかし、人の姿は少ない。
「あれ?」
あかりが首をかしげる。
「町なのに、誰もいないね。」
すると、一人の少女が近づいてきた。
「あなたたちが……『みんなのリビング』の人?」
「そうだよ。」
悠真が答える。
少女は少し警戒した表情で言った。
「やめたほうがいいと思う。」
「この町では、誰も人を信用してないから。」
少女の名前は花音。
町で一人暮らしをしている高校生だった。
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花音の案内で町を歩くと、みんなが互いに距離を取っていることが分かった。
お店の人同士も必要な会話しかしない。
近所の人も挨拶だけ。
「どうしてこんな町になったの?」
美咲が尋ねる。
花音は少し迷ってから答えた。
「昔、大きな問題が起きたんだ。」
「誰かを信じた人が、裏切られたと思う出来事があって……。」
「それから、みんな『自分のことは自分で守る』って考えるようになった。」
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その日の夕方。
悠真たちは広場にスマイルキャラバン号を停めた。
しかし、誰も近づいてこない。
「どうしよう……。」
あかりが不安そうにつぶやく。
すると、ひまりが言った。
「無理に来てもらおうとするから、警戒されるんじゃない?」
「まずは、私たちがここにいるだけでいい。」
その言葉に、悠真はうなずいた。
「そうだな。」
「信じてもらうには、時間が必要だ。」
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翌日から、悠真たちは毎朝広場を掃除した。
誰かが来なくても、花を植えた。
誰かが話しかけなくても、笑顔で挨拶した。
三日目。
一人のおじいさんが声をかけてきた。
「……毎日何をしているんだい?」
悠真は笑って答える。
「町の人がいつでも来られる場所を作っています。」
「誰も来なくても?」
「はい。」
「いつか来たいと思った時に、場所があるように。」
おじいさんは少し驚いた顔をした。
そして、小さく笑った。
「変わった人たちだね。」
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その夜。
花音がスマイルキャラバン号を訪れた。
「少しだけ……話を聞いてほしい。」
「もちろん。」
花音は手に一枚の古い写真を持っていた。
そこには、昔の町の人たちが笑顔で集まっている姿が写っていた。
「本当は……私も、またこんな町に戻ってほしいと思ってる。」
悠真は写真を見つめた。
「じゃあ、一緒に作ろう。」
花音は少し驚いたあと、初めて笑った。
「……うん。」
しかし、その写真の裏には、誰にも知られていない一文が書かれていた。
『この町の秘密を知る者は、二度と戻れない。』
花音の表情が変わる。
「……これを見たの?」
新しい謎が、六人を待ち受けていた。




