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姉妹レンタル  作者: なんなん


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未来の自分が待つ場所

【未来の自分が待つ場所】


その文字が浮かんだ道を、悠真たちは歩いていた。


道の周囲には、まだ何もない。


けれど、一歩進むたびに小さな光が生まれていく。


イマがその光を見つめた。


「歩いた場所から、今が生まれてる」


トキも時計を確認する。


「そして時間も進んでいる」


記録者が本を開く。


「つまり、この道は歩くことで未来を作っているようです」


少年は前を見つめていた。


「僕が歩けば……未来の僕に近づくのかな?」


ミチが答える。


「たぶん。でも、未来が一つだけとは限らないよ」


少年は少し考えた。


「そうだね」


しばらく歩くと、道が三つに分かれた。


【未来の自分】


【別の未来】


【まだ存在しない未来】


アスが驚く。


「また三つに分かれた」


ミライが言う。


「でも、どれを選んでも未来になる可能性がある」


少年は三つの道を見比べる。


「僕は……」


一歩進もうとしたところで、足を止めた。


「一つだけ選ばなきゃいけないの?」


悠真が笑う。


「そんな決まりはないよ」


少年は三つの道を眺めた。


そして――


「じゃあ、全部見てみたい」


その瞬間、三本の道が消えた。


代わりに一本の大きな道が現れる。


【すべてを探す未来】


ハジメが笑う。


「この世界らしい選び方だね」


全員が道を進む。


すると突然、目の前に巨大な街が現れた。


空には無数の星。


建物には名前が刻まれている。


【記憶の街】


【未来の街】


【発見の街】


【選択の街】


そして中央には――


【名前の街】


少年が立ち止まった。


「ここに……僕の名前があるの?」


名前の街に入ると、無数の人々が行き交っていた。


誰もが自分の名前を持っている。


しかし、その名前は固定されたものではなかった。


名前が光りながら変化している。


【探す者】


【旅する者】


【作る者】


【守る者】


【学ぶ者】


【変わる者】


少年は驚く。


「名前が……変わってる」


記録者が答える。


「ここでは、名前が生きているのでしょう」


すると街の中央に、一つの巨大な塔が現れた。


塔の頂上には――


【未来の名前】


と書かれている。


少年は塔を見上げた。


「行ってみたい」


悠真たちは頷いた。


塔の中には階段が続いていた。


一階。


【今の自分】


二階。


【選んだ自分】


三階。


【選ばなかった自分】


四階。


【誰かと出会った自分】


五階。


【一人で進んだ自分】


さらに上へ進む。


そして最上階。


そこには一枚の扉だけがあった。


【あなたが自分で選ぶ名前】


少年は扉の前に立った。


手を伸ばす。


しかし――


扉は開かなかった。


「……どうして?」


すると扉に文字が浮かぶ。


【名前を決める必要はありません】


少年が驚く。


【名前を決める日が来るまで、この扉は開きません】


少年は少し寂しそうに笑った。


「そっか……」


悠真が肩を叩く。


「いつか開くよ」


少年は頷いた。


「うん。だから今は、もっと未来を探す」


その瞬間。


扉の横に、新しい小さな扉が現れた。


【未来の自分へ】


少年がその扉を開く。


中には、未来の自分が書いた一枚の手紙が置かれていた。


そこには――


【まだ名前が決まっていない君へ】


と書かれている。


少年はゆっくり手紙を開いた。


そして読み始める。


しかし、一行目を読んだ瞬間――


街全体の時計が止まった。


トキが振り返る。


「時間が止まった……?」


イマが空を見る。


「今も……止まってる」


そして手紙の最後の一文だけが、光り輝いた。


【君の名前を決める前に、まず――僕たちが生まれた理由を探してほしい】


少年が顔を上げる。


「僕たちが……生まれた理由?」


すると街の中央に、巨大な地下への階段が出現した。


入口には新しい歴史の文字。


【第十八の歴史――存在した理由】


悠真が階段の先を見る。


「まだ、この世界には秘密があるみたいだね」


少年は頷いた。


「行こう」


そして悠真たちは、未来のさらに奥へと続く階段を降りていった。

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