反対する人たち
数日後。
悠真たちはスマイルキャラバン号に乗り、新しい町へ到着した。
町並みはきれいだったが、どこか静かで、人々はあまり話をしていない。
「こんにちは!」
あかりが元気よく手を振る。
しかし、町の人たちは軽く会釈をするだけで、足早に通り過ぎていく。
「なんだか様子が違うね。」
美咲が小さな声で言った。
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町の広場で準備を始めると、一人の男性が近づいてきた。
「君たちが『みんなのリビング』の人たちか。」
落ち着いた声だった。
「はい。」
悠真が答える。
男性は町内会長の高橋だった。
「この町には、昔から『人のことには立ち入りすぎない』という考え方がある。」
「だから、よそから来た人が急に交流の場を作ることを心配している人もいるんだ。」
悠真は静かにうなずいた。
「そういう考えがあることは分かります。」
「だからこそ、無理に変えようとは思っていません。」
「まずは、私たちのことを知ってもらえたら十分です。」
高橋は少し驚いたような表情を見せた。
「……焦らないんだな。」
「はい。」
「信頼は、一日ではできませんから。」
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その日の午後。
広場には、子どもが二人だけ遊びに来た。
あかりは笑顔でゲームを始める。
ひかるは絵本を読んであげる。
さくらは焼きたてのクッキーを配り、ひまりは折り紙を教える。
美咲は保護者たちと楽しそうに話をしていた。
少しずつ、見物していた町の人たちも近づいてくる。
「ちょっとだけ見ていこうか。」
そんな声が聞こえ始めた。
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夕方。
帰ろうとしていた高橋は、広場の隅で一人の女の子が楽しそうに笑っている姿を見つけた。
その子は、普段は人見知りで、あまり外で遊ばないことで知られていた。
「お母さん、また来たい!」
女の子のその一言に、お母さんも思わず笑顔になる。
高橋はその様子を見つめ、静かにつぶやいた。
「……笑顔には、人の心を動かす力があるのかもしれない。」
その夜、高橋は町内会の集まりで口を開いた。
「もう少しだけ、あの人たちを見守ってみないか。」
少しずつ、町の空気が変わり始めていた。
しかし翌朝、「みんなのリビング」の入口に一枚の手紙が置かれていた。
> 『これ以上、この町に関わらないでください。』
差出人の名前は書かれていなかった。
悠真たちは顔を見合わせる。
新たな試練が、静かに始まろうとしていた――。




