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友達への第一歩

夕暮れの広場。


「いただきまーす!」


みんなで長いテーブルを囲み、夕食が始まった。


さくらが作ったカレーの香りが広がる。


「おいしい!」


あかりは満面の笑みでスプーンを動かす。


ひかるも嬉しそうにうなずいた。


蓮は少し緊張しながら席に座っていた。


「……こういうの、久しぶり。」


小さな声でつぶやく。


「遠慮しないで、おかわりもあるよ!」


さくらが優しく声をかけると、蓮は少し照れながら笑った。


「ありがとう。」


その笑顔を見て、悠真たちも自然と笑顔になった。



---


食事のあと。


美咲が一つの箱を持ってきた。


「今日はみんなで花火をしよう!」


「やったー!」


あかりは大喜び。


線香花火や手持ち花火が、夜空を優しく照らす。


蓮も一本受け取り、恐る恐る火をつけた。


「きれい……。」


その横で、ひまりが静かに話しかける。


「最初から友達になる必要はないよ。」


蓮は不思議そうな顔をする。


「え?」


「少しずつ、一緒に笑える時間が増えれば、それで十分。」


蓮は線香花火を見つめながら、小さくうなずいた。


「……そういうものなのかな。」


「うん。」


ひまりは穏やかに微笑んだ。



---


翌朝。


蓮は少し早起きをして、スマイルキャラバン号へ向かった。


「おはよう。」


悠真が声をかける。


「……おはよう。」


昨日より少しだけ大きな声だった。


「今日は手伝ってもいい?」


その一言に、みんなは顔を見合わせて笑顔になる。


「もちろん!」


あかりが元気いっぱいに答える。


「じゃあ、一緒に看板を飾ろう!」


蓮は脚立に登り、飾り付けを手伝い始めた。


その姿を、町の子どもたちが見ていた。


「蓮くんだ!」


「一緒に遊ぼう!」


子どもたちが声をかける。


蓮は少し驚いたが、ゆっくり笑って答えた。


「……うん。」


その笑顔は、この町へ来てから一番自然な笑顔だった。


しかし、その日の午後。


理事長から悠真たちに連絡が入る。


「皆さん、次の町からも依頼が届きました。」


「ですが、その町では『みんなのリビング』に反対している人たちがいるようです。」


悠真たちは顔を見合わせる。


「反対……?」


新たな挑戦は、これまで以上に難しいものになりそうだった。

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